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異世界金融【改】 〜元教師は転生したら働かなくてもいいように無双する〜  作者: 暮伊豆
第一章

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カースは更に酔う

二時間目、算数。


なぜかエロー校長先生がやってきた。


「皆さん、ウネフォレト先生ですが体調を崩したようです。そこで私が授業をいたしますね。

かけ算の歌を一緒に歌いましょう。今日は二の段ですね。」


『にいちが二

にんにく四個

にいさん六人

にしから八匹

にごったジュース

にんむは十二時

ニーナは十四歳

ニッパー十六回

にく十八キロム』


ゴロは悪いがメロディーは軽快だ。

意味は分からずとも先に音と言葉を覚えて九九を体に叩き込む、素晴らしい授業だ。


「さあみなさん、数字が二ずつ増えていることが分かりますね?

二の段は二ずつ増える、となると三の段は何ずつ増えるでしょうか? はい、デスノスさん。」


「え、ええっと分かりません……」


「それは残念、ではムリスさん。答えてください。」


「はい、三ずつだと思います。」


「素晴らしい!正解です。よく分かりましたね。もしかして四の段も分かりますか?」


「はい、やはり四ずつ増えると思います。」


「素晴らしい!そうなんです。かけ算の便利な点は三の段は三ずつ、四の段は四ずつ増えることなのです。

これを知っておけば何の段でも分かってしまうのですね。」


聞けば当たり前だとは思うがこれを平民のシルヴィータ・デスノスちゃんにいきなり分かれと言うのは難しいだろう。




そんなことを考えていると……


「マーティン君、他のことを考えていますね!? 三かける八はいくつですか?」


「はい、二十四です。青春です。」


「うん? 正解ですが、青春がどうかしましたか?」


「いえ、何でもありません。なぜか口から出てしまいました。」


「いいでしょう。正解でしたので不問にいたしましょう。

いいですか皆さん! 青春とは幻想です。生きていてこそ青春を味わえるのです。

今を懸命に生きたものにこそ、後からあれが青春だったのだ、と想いを馳せることが許されるのです。授業に集中しない子に青春を味わう資格はありません!

分かりましたね、マーティン君?」


「は、はい、ごめんなさい。」


やはり私はおかしい。まさか青春病などあるはずないし。

確か厨二病なら聞いたことはあるが、同じ種類なのか?




次はナタリー・ナウム先生の魔法の授業だ。


「今日の授業は変わったコボルト狩りをしましょう。

ルールですが、狩人は二人、他全員がコボルトです。そしてボールの代わりに水滴(みなしずく)ないしは水球(みなたま)を使います。

ただし直接当ててはいけませんよ。頭の上に置くつもりで高い位置に出しましょう。そこから落として当ててください。このルールだと中々当たらないので狩人さん達は色々と工夫をしましょうね。大変ですよ?

では最初の狩人は、マーティン君とダキテーヌ君です。

では開始!」


作戦タイムをしようと思ったらもうパスカル君は行ってしまった。

協力しないと難しそうなのに。仕方ない、こちらで勝手に合わせよう。

暴走する仲間を陰ながらサポートする、これも青春。


パスカル君はフランソワーズちゃんを狙っているようだ。

なるほど、彼女を狙えば取り巻きの誰かが勝手に当たりそうだ。では私も同じく狙うとしよう。


やはりか。派閥の人間で密集していたため、私もパスカル君も意外とあっさり交代できた。


次の狩人はフランソワーズちゃんの派閥の下級貴族、シタッパーノ君とテシッタール君だ。


するとどうしたことか、この二人同じ派閥の平民を狙っている、しかもその平民達も避けようとしない。

これでは遊びにならないではないか。

そして敢え無く交代、平民イヘンナちゃんと、カソミーン君が狩人となった。


するとまたまたどうしたことか、この二人フランソワーズちゃんの派閥を全然狙わない、

私達五人組かパスカル君達三人組しか狙わないのだ。


それでは当たるはずがない。

狙われてるのが分かる上にこの八人は全員貴族、つまり身体能力も魔力も高めなのだ。

工夫せずに当てられるほど甘くはない。


結局授業の後半を過ぎても当てることができず、ナウム先生により強制的に終了となった。


何だか後味の悪い授業だった。

お昼ご飯を食べて気をとり直そう。

それもまた青春の一ページに違いない。

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