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異世界金融【改】 〜元教師は転生したら働かなくてもいいように無双する〜  作者: 暮伊豆
第三章

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デビルズホールの魔王

昼前に私達に絡んできた三人組。奴らに再び絡まれていた。


「こんなダサ坊置いて俺らと踊ろうぜ!」

「最新のステップを教えてやるよ!」

「あっちで飲もうや?」


また麻痺を使ってもいいんだが、もう少し話を聞いてみよう。


「お前らさ、この服装を魔王スタイルって言ってたよな? 魔王ってどんな奴?」


「まだいたのか? さっさと帰らねーとお兄さん怒るぞ?」

「オメーみたいなガキが魔王に興味を持つなんざ十年はえーぞ?」

「俺らぁ魔王さん知ってっからよ? あんま調子に乗ってっと潰されんぞ?」


マジか……私はこいつらなんか知らないぞ? アレクは笑いを堪えるのに必死だ。


「で、結局魔王ってどんな奴なの? 強いの?」


魔力を失ったことは王都では知られてないのか?


「つえーに決まってんだろ! マジで知らねーのかよ!」

「王国一武闘会で優勝だぞ? それも全試合一歩も動かねーでよ?」

「噂じゃ陛下も一目置いてるってよ? 勉強になったろ? じゃあ帰れ!」


どうやら本当に魔力の件は知られてないようだ。まあどっちでもいいけど。

ところで語源が気になる『一目置く』だ。囲碁なんかないのに。これは何あるあるだろう?


「じゃあ先に帰るからさ、もう少し聞かせろよ? 正直に答えるって約束してくれるなら金貨一枚ずつやるぜ?」


「おおいいっぜぉ」

「払えよっおぉ」

「いいけどっよど」


よしかかった。


「ほれ、金貨一枚ずつな。では質問。二年ぐらい前から傾奇者を見かけなくなったが、何か知らないか?」


「い、今のって……傾奇者って格好だけの雑魚どもだからな……闇ギルドの取り締まりにビビって普通の格好になってやがる」

「何人かは白い奴らの仲間に入ったとか」

「粗悪品の薬もばら撒いてるとか」


ふーん。そんなものか。サンドラちゃんの予想が当たってるな。


「最後に、お前ら魔王の顔を知らねーのか? 氷の女神の顔もよ?」


「えっ!?」

「いっ!?」

「おっ!?」


「魔王なんて呼ばれたのは久々なんだがな。あの時優勝したのは俺だよ。準優勝したのはこのアレクサンドリーネな。どうする? 俺らと揉めてみるか?」


「ご本人っすか?」

「魔王さんっすか?」

「ご無礼しました!」


「分かったんならいい。もし金に困ったら言ってこい。いくらでも貸してやるからよ。じゃあまた情報を聞かせてくれや。」


「はいっす!」

「りょっす!」

「あざっす!」


奴らは蜘蛛の子を散らすように去っていった。


「面白かったわ。カースの顔も知らないくせに、魔王さん知ってるって。おかしいわね。」


「あっ、でもあいつらこれからは本当に魔王さん知ってるって言うかな? 嘘じゃないもんね。まあいいか。」


「きっと言うんでしょうね。ロクなことがないでしょうに。」


「あはは、じゃあ帰ろうか。少し疲れたし。コーちゃん帰るよ。」


「ピュイピュイ!」


え? 酒と薬で気持ちいい? また来たいって? いいよ。私も楽しかったからね。もう一、二回ぐらい来ようね。


「あ、アンタ本物の魔王なのか……?」


「本物の魔王って言われると勇者に負けた魔王みたいじゃん。前ゼマティス卿の孫カースかと言われたらその通り。うちのコーネリアスが満足してるからまた来るよ。いくら?」


「あ、ああ、金貨十枚でいい……」


別に割引してくれなくてもいいのに。


「はい、じゃあこれ。ではまた。」


「あ、ああ……またのお越しを……」


考えてみれば、祖父の七光は使える。母の七光も使える。兄、姉の七光だって使えるよな。そりゃみんなビビるか。これなら王都では楽しく過ごせそうだ。




帰りは歩きだけど、怠いから隠形を使って飛んで帰ろう。歩きだと城門を通してもらえないしね。帰ったら客室でアレクと……声を殺して……ふっふっふ。


そう言えばお姉ちゃんはもう帰ったのだろうか? 馬車もないことだし、帰ったんだろうな。護衛さんもいるし、まあ心配する必要もないだろう。

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