表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界金融【改】 〜元教師は転生したら働かなくてもいいように無双する〜  作者: 暮伊豆
第三章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

661/1075

聖なる魔女イザベル

「問題なさそうね。処置が早くて幸いだったわ。」


「よかったよ。母上ありがとね。」


「ところで、アレックスちゃんが抵抗もできないほどの速さで襲われたのよね? カースが駆け付けるまで一分も経ってないのよね?」


「うん、そうなんだよ。」


それがどうかしたのか?


「普通のスライムにしては動きも溶かすのも速すぎるのよ。アレックスちゃんの装備ってそこそこいい物じゃない? それを一分もかからずここまで溶かすなんて魔境の中でもかなり危ない部類よ?」


「じゃあ浄化槽のスライムじゃなくて野生のスライムが入り込んだってことかな?」


「その可能性はあるけど、浄化槽の構造的に難しいのよね。マイコレイジ商会だったわね? しっかり相談してみるべきね。死にかけたんだから。」


「そうだよね。いつもありがとね!」


やはり母上は頼りになるぜ!


「ところでカース、魔力感誘のことは知ってるわよね? エルフの飲み薬を飲んだ後、何か変化はある?」


「いや、ないよ。姉上が言ってた魔力の流れが見える感覚? そんなのなかったよ。」


「そう。やっぱり特殊な薬だからかしら。お昼までまだ時間があることだし、魔力感誘と対戦してみる?」


「やりたい! 母上の領域ってのを見てみたい!」


アレクを寝かせたままなので後ろめたいがコーちゃんとベレンガリアさんに任せて、私と母上は城壁外へと移動した。




クタナツ北部もだいぶ開拓が進んでおり、対戦向きの荒地は少々離れないといけない。


「さ、この辺かしら。じゃあカース、まずは一発ずつ撃ってらっしゃい。」


「押忍!」


母上に向かって攻撃するなんて……ドキドキするな……

まずは大腿部を狙って『狙撃』


うおっ!


マジかよ!


母上は何事もなかったかのように涼しい顔をしている。私のライフル弾が……こっちが正しいルートだと言わんばかりに避けていった。


『狙撃』


今度は一度に三発。頭に一発、胴体に二発。しかし当たらない。すごい……


「いい感じね。もっと大きな魔法でもいいわよ。」


「押忍!」


『火球』


直径二メイル、岩が溶けるほどの高温だ。


しかし、意味がない。何事もなかったかのように明後日の方向へ行ってしまった。ならば!


『火球』『狙撃』


火球を目眩しにしてライフル弾を撃ち込む!

しかし……


「いい考えね。でも魔力の流れが見えていれば難なく対処されてしまうわよ。」


なるほど……ならば……


『榴弾』


数百発のベアリング弾だ! どうだ!?



全くだめだ……

まるで工場のラインのようにベアリング弾がきれいに他所に飛んで行ってしまった。しかもホーミング弾のはずなのに、なぜかホーミングが解除されている……何をやったんだ?


『魔弾』


『徹甲魔弾』


だめか……

私の切り札さえ母上には通用しない……

どう撃っても母上に接近すると、きれいなカーブを描いてあらぬ方向に飛んで行ってしまう。


かくなる上は。


『水壁』


母上の周囲十メイルを水で覆い尽くした。そして水圧百倍!


あっ! 母上は氷壁で防御している。ついに防御させたぞ! いけるか!? 水圧五百倍!


なっ、なんだこれ!?


私の手が勝手に私の首を絞めている!


水壁も解除されてしまった……

何事なんだ!?




「ここまでね。」


手から力が抜けて首が解放された。

何だったんだ?


「ゲホ、参ったよ。やっぱり母上は凄いんだね! 王都でも大人気だったし!」


「うふふ、実は危なかったのよ。死ぬかと思ったじゃない。」


「え? そうなの? 結構善戦できたのかな?」


「かなりね。もう魔力が無いわ。連れて帰ってちょうだいね。」


マジかよ。ギリギリだったのか。魔力的には私はほとんど減ってないのに。


「ところで最後のアレは何? もしかして昔言ってた禁術?」


「あら、よく覚えてたわね。人の体を操る術よ。結構難しいのよ?」


「あれ? あの時って母上は使えないって言ってなかった?」


そう聞いた気がするが……


「うふふ、そんなの嘘に決まってるじゃない。いい? 切り札と言うものはね、ギリギリまで誰にも見せないものなのよ?」


「押忍!」


さすが母上。我が子にすら油断してないのか。


「ところでどう? 魔力感誘は使えそうかしら?」


「挑戦してみるよ。アレクも頑張ってるみたいだし、心眼の稽古と合わせてやると効果的な気もするしね。」


「頑張りなさい。魔力が戻って本当によかったわ。よく今まで無事で……いてくれたわね……カース……」


そう言って母上はミスリルボードに倒れ込んだ。

嘘だろ……まさか……




ほっ、魔力が枯渇しただけか。

焦った。呼吸も鼓動も問題ない。

でも心配だから治療院に連れて行こう。アレクも母上も心配すぎるぞ……


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
i00000
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ