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異世界金融【改】 〜元教師は転生したら働かなくてもいいように無双する〜  作者: 暮伊豆
第三章

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楽園のど真ん中

パイロの日。

行きたい所はたくさんあるが、しばらく放ったらかしだった楽園へ行こうと思う。

コーちゃんとカムイを連れて行こう。荒れてなければいいのだが……




到着。クタナツから一時間足らず。恐るべき速さだ。我ながら感動すら覚えてしまう。


楽園の城壁内には……


掘立小屋がポツポツと点在していた。さすがに中央の私の家周辺には何もない。勝手に建てやがって……と言いたいところだが、許す! 全然腹が立たない。再び楽園に来れた喜びが大きすぎるのだ。


「ピュイピュイ!」

「ガウガウ!」


コーちゃんとカムイは走り出した。思いっきり遊びたいそうだ。行っておいで!


「よーし、アレク。久しぶりに中に入ってみようよ。何事もなければいいね!」


「ええ、ここに来るのは二年ぶりかしら。見たところ無傷のようね。」


玄関は壊れてない。魔力錠も問題なく作動した。中に入っても異変は見当たらない。どうやら一安心か。


気になっているのが風呂とトイレだ。まずは風呂から。


二年前の九月に両親が使って以来放置だった湯船。さすがに空になっている。保温や魔力回復性能がどうなっているのか、検証はまた今度。今日は取り敢えず収納しておこう。そしてクランプランドに発注していた新しい湯船を置いておこう。ここのサイズに合わせて発注したやつだからな。




次にトイレ。


ん? 臭いぞ?

ってことは浄化槽内のスライムが死んでしまったのか……

二年間も餌なしだもんな……悪いことしてしまった。ごめんよ、名も無きスライム。


となると浄化槽ごと入れ替える必要があるな。マイコレイジ商会のセプティクさんに相談してみよう。


よし、確認終わり!

予想外の損傷はあったけど、予想していた損傷がなかったので良しとしよう。


「じゃあアレク。寝室に行こうか。」


「うん……先に行っててくれる?」


「分かったよ。待ってるね。」


トイレかな? しかしそんなことはどうでもいい。ここならどんなに激しくしたって問題なしだ。ふふふ、まだかなまだかなー。




ドガッ




ん? 何かが壊れたような音がしたぞ?

アレクがどうかしたのか? 行ってみよう。




「アレク!」


トイレのドアが内側から壊されていた。アレクの風球か? 大丈夫なのか?


中に入ってみると……



アレクが……



スライムに包まれていた……


「アレク!」『乾燥』


まずは顔だけでも出さないと!


さらに『乾燥』


よし! 上半身が出てきた!


『乾燥』


見たところ全滅したか……


「アレク!」


急いでポーションを飲ませて、さらに身体中にも振りかける。服は全て溶かされており、下着がわずかに残るだけ、全身大火傷状態だ。


スライムがギリギリ生きていたのはいいとしても、どうやって浄化槽から登って来たんだ? もういないよな?


それよりクタナツへ帰ろう。アレクを母上に診てもらわないと!




コーちゃん、カムイ! 帰るよ! 乗って!

「ガウガウ」

え? 番をする? 分かった。ありがとな。二週間後にはまた来るからな。待っててね。


行くぜ!

全速力!


その間にアレクの容態チェック。

呼吸はしている。

心臓も動いている。

ならば大丈夫だろう。

せっかく伸びた髪がまた短くなってしまったが、命が助かってよかった。

ベリーショートのアレクだってかわいいさ。


そんなことより……

あと二、三分遅れたら絶対死んでたよな……

自宅のトイレで魔物に襲われるって……怖すぎる。しかしアレクが抵抗もできないなんて、やはりスライムは恐ろしい魔物だよな。オディ兄直伝の乾燥魔法があってよかった。




帰りは三十分ちょい。城門の手続きがもどかしい。城門から実家まですらもどかしい。ポーションのおかげで外傷はなさそうだが、早く母上に見せないと安心できない。

全く、私達の人生って波瀾万丈だよな……

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