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異世界金融【改】 〜元教師は転生したら働かなくてもいいように無双する〜  作者: 暮伊豆
第二章

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カースとソルダーヌ

みんなの無事を確認したので、私はソルダーヌちゃんに連れられて食事に出かけた。思い起こせば、アレク以外の女の子と二人で食事なんて初めてか? サンドラちゃんと密会したことはあるけど、あの時はお茶だけだったよな?


辺境伯家の大きな馬車に私とソルダーヌちゃん、そしてカムイにエイミーちゃん。それでもスペースに余裕がある大きさだ。


「近くで見ると結構大きいのね。毛並みもフサフサでかわいいわ。」


「ガウガウ」


「カムイって言うんだ。かわいい奴だよね。」


「今から向かうお店はペットは入れませんが?」


エイミーちゃんは厳しいな。

カムイはペットじゃない。友達だ。なんて訂正する気はないけど。


「何とかしてよ。そこはソルダーヌちゃんの力に期待だね。」


「ソルダーヌ様に貴族の力で横車を押させようと言うのですか?」


「さあ? そこら辺は任せるよ。」


「エイミー。個室を用意してもらえばいいわ。だめなら他に行けばいいわ。」


「かしこまりました。」


エイミーちゃんも大変だなぁ。




到着か。第三城壁内、それも王城に近いエリア。さぞかし高い店に連れてってくれるのだろう。アレクも来ればよかったのに。


「さあ、着いたわ。エスコートしてよね。」


仕方ないなあ。初めての店だってのに。


ソルダーヌちゃんはえらく自然と私の腕に手を回してきた。そこはアレクの定位置だぞ。まあ、いいけどさ……


「いらっしゃいませ。ソルダーヌ・ド・フランティア様。ようこそいらっしゃいました。」


「悪いけど個室に変更を頼めるかしら? この子も一緒なの。メニューも四人前でお願いするわ。」


「かしこまりました。」


かなり無茶なことを言ってるのにあっさりと了解するなんて。貴族ばかり相手にしていると、これぐらい普通だったりするのか?


個室内では、私とソルダーヌちゃんが向かい合わせで座り、離れた小さいテーブルにエイミーちゃんとカムイの席が用意されていた。まあカムイはテーブルに前脚をかけて皿から直に食べるわけだが。マナーは最悪だが器用なやつめ。意外にきれいに食べるんだよな。


料理は美味しい。しかし王宮の食事を知ってしまった今となっては初めて食べたと言うほどの味ではない。私も贅沢になってしまったな。


「陛下に嘆願書を書いてくれたんだって? わざわざありがとね。」


「カース君こそ大変だったのよね? エリザベスさんが助かってよかったわ。」


「そうなんだよ。ダミアンにも話したんだけど、あれからね…………」


粗方の事情を話しておく。私の魔力については聞かれたら言おう。




「ダミアン兄上と仲がいいのね。少し羨ましいわ。」


「あいつって、いつも僕んちにいるんだよね。メイドのマーリンの料理が相当気に入ってるらしくてさ。」


「我が兄ながら変わってるわよね。ドニデニス兄上も人が変わったように真面目になったって聞いたし。」


「あー、あいつね。真面目なのはいいことだよね。」


「ドニデニス兄上も知ってるの?」


「うん、ノーブルーパスを紹介してくれたんだ。いい奴だよね。」


ホント変な一家だよな。二男はこの前少し見たから、後は長男と五男かな。どんな奴なんだろ。


「エイミー、カムイ君。先に馬車に戻っておいてくれる? カース君と二人だけで話したいことがあるの。」


おやおや? 今夜のデートの仕上げってか?


「かしこまりました。」


「いいよ、カムイ。行っておいて。」


「ガウガウ」




「ねぇカース君。カース君ってモテるでしょ?」


「さあ、分からない。アレク以外に好かれた覚えはないかな。」


「私もアレックスもかなりモテるわ。それこそ男爵家から公爵家まで、よりどりみどりね。そんな女の子から迫られるのってどんな気分?」


「よく分からない。はっきり言うとアレク以外に興味はないかな。」


いや、これは嘘かな?

だってエロイーズさんには可愛がって欲しいとは思ってるんだから。やっぱ大人の女性でないとな。


「ふうん。こんなに接近してるのにドキドキしてくれないんだ?」


私の耳元で囁いているが効かない。だって彼女は子供だから。囁くだけじゃあだめだ。息を軽く吹きかけたり、はたまた吸ったり。それから軽く舐めるぐらいはやらないと。まだまだだな。


よし、お手本を見せてあげよう。


「ところで内緒話なんだけどね。」


ソルダーヌちゃんの耳に口を近づける。そして口をすぼめてフッと息を吹いてみる。


「キャッ、も、もうカース君たら……」


「さあ出ようか。今日はご馳走様。美味しかったよ。」


「う、うん……カース君て、いつもアレックスにそんなことしてるの?」


「いいや。もっと凄いことをしているよ。アレクだって僕のためなら何でもしてくれるよ?」


「そ、そうなのね……」


意外と純情なところもあるもんだな。まあ私達はまだ子供なんだから当たり前だよな。

さーて、早く帰ってアレクに会いたいな。

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