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異世界金融【改】 〜元教師は転生したら働かなくてもいいように無双する〜  作者: 暮伊豆
第二章

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順位発表

姉上との稽古を終えてアレクを迎えに行った。久々のお迎えだが、絡まれることなくスムーズに帰ることができた。腕を組んでルンルンと。

そしてセルジュ君とスティード君もやって来た。最後に姉上も帰ってきたので夕食だ。


肝心の順位だが……

アレクは首席。

セルジュ君も首席。

スティード君は三位だそうだ。

実技はともかく魔法と座学でだいぶ遅れてしまったらしい。冬休みはそっちの方を頑張るとか。申し訳ない……あれ? でもアレクは首席だよな。つまり王都でもきっちり勉強してたってことだよな? つまり私は悪くない? うん悪くないな。




そして翌日トールの日の早朝。ついに王都へ向かって出発だ。


「王都まで何日ぐらいかかるの?」


「三〜五日ね。なるべく急ぐけど魔力ポーションは使わないわよ。」


「ルートは任せるけど、カムイが牽きやすい道でお願いね。」


「分かってるわよ。普通に西廻りで行くわよ。」




三日で着いた。カムイ速すぎだよな。あっぱれだ。道中も宿に泊まれたし、思ったよりだいぶ快適だった。フェアウェル村からの帰りは辛かったもんなぁ。


今回は北側から入る。

第一城壁の城門、貴族用入口にて。



ふう……覚悟はしている。



「出頭に来ました。王国一武闘会の日に関所破りをしてしまったカース・ド・マーティンと申します。」


「関所破り!? 少々お待ちを!」


若い騎士さんは慌てて詰所の中に駆け込んでいった。

しかしすぐに戻って来た。


「 手配されておりませんよ。このままお通りください。」


「え? そうなのですか? うーん、分かりました。ありがとうございます。」


手配されてない? まさかおじいちゃんのおかげか?


「姉上、どういうことだろうね?」


「さあ……まあゼマティス家に行けば分かるんじゃない?」


もうすぐ夕方。第三城壁の城門が閉まる前に行かなければな。


それにしても領都ではそこまででもなかったのに、ここではカムイがやたら注目されている。前回コーちゃんは鞄の中にいることが多かったが、今回は私に巻きついている。それも合わせて目立っているのだろうか。


時々高そうな馬車からも視線を感じる。貴族ならコーちゃんが欲しいだろうな。

それに姉上が無事に生きてることを知ったら闇ギルドの奴らはかなり驚くのではないだろうか。さすがに魔蠍は潰れたかな?




着いた。さすがにクタナツに帰った時ほどの懐かしさは感じないな。


「エリザベスよ。おじいちゃんかおばあちゃんはご在宅かしら?」


「どうぞこちらへ」


門番、メイドさんもフリーパス、当たり前か。


「カース! エリザベス! よく帰ってきた! アレックスもじゃ!」


「おじいちゃん、ただ今帰りました。ご心配をおかけしました。」


「おじいちゃん、先日は秘蔵のポーションをありがとうございました。おかげでカースは助かりました。」


「おじいちゃん、また図々しくもやって参りました。カースのためにご尽力いただき、ありがとうございます。」


おじいちゃんは小さい体で私達三人をまとめて抱きしめようとする。手が回りきらないが、その気持ちが嬉しい。


「カース! やっと帰って来たのね! エリ姉もアレックスちゃんもおかえり!」


「シャルロット、心配させたわね。カースは元気よ。」


「ただいま。いやー大冒険だったよ。」


「ただいま帰りました。」


それからゼマティス家のみんなから口々に心配、喜び、安堵、色んな言葉をもらってしまった。そして夕食。


「カースや。今回の関所破りじゃがな。手配はされておらん。それにお前が自ら出頭した時に限り減刑が約束されておる。よく戻ってきたのぉ。」


「もちろんです。どこに出頭したらいいですか? 第一城壁のとこで出頭しようとしたら手配されてないって聞いたもので。」


「うむ、明日一緒に行こう。大した罪にはならぬ。気にするな。」


「おじいちゃん、ありがとうございます。」


安めの罰金ぐらいで済ませてくれないかな。労役は嫌だぞ。


「ところでエリザベス、例の決戦だけど年末に決まったわよ。あなたが戻り次第正確な日時を決めることになってるわ。」


「アンリエット。いいわよ。望むところね。しばらく王都にいるから日時は任せるわ。」


あー、この間姉上が言ってた兄上争奪戦か。領都で私がやったアレク杯のヘビーなやつか。一日デートとかじゃないんだもんな。兄上はどう思ってるんだろ。


「年末なら……私も参加します。」


え? アレク?


「アレックスちゃん……いくらあなたでも兄上を狙うってのなら手加減できないわよ……」


「違います。ウリエンお兄さんに興味はありません。ただ……私も自分の弱さが嫌になっていまして……」


首席を取ったのにそれか。アレクは頑張り屋さんだなぁ。


「そう。どうなのアンリエット? 自由参加なんでしょ?」


「そうね。問題ないわよ。ただ、参加するからには私だって手加減しないわよ。」


「お願いします。ゼマティス家の方とお手合わせできる機会なんてまずないと思いますので。」


「わ、私だって出るんだから!」


「シャルロット、あなたはだめよ。理由は私が出るから。ゼマティス家から二人参加してしまったら必ずどちらかは負けることになるわ。それは許されないことよ。ねぇ母上?」


「そうね。魔道貴族ゼマティス家に負けは許されないわ。シャルロットが出たいならアンリエットに勝ちなさい。だからエリザベスちゃん、うちの子と当たったら気を付けなさいね。」


「伯母様、分かっております。私だって無様な負け方をした身。よく分かっているつもりですよ。」


やだやだ。身内同士でやめて欲しいよ。それにアレクまで参加するなんて。当然ルールは何でもアリなんだよな?

見る分には面白そうなのに、身内が三人も参加するんじゃ楽しめそうにない。譲り合いの心を持てよな。

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