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異世界金融【改】 〜元教師は転生したら働かなくてもいいように無双する〜  作者: 暮伊豆
第二章

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エリザベスの冒険 3

王都にて。

アレクサンドリーネは魔法学校に通う日々。シャルロットと同じ教室、同じ授業を受けていた。スティードとは毎朝毎晩顔を合わせている。二人ともゼマティス家で寝泊まりしているのだから。


「スティード君。アイリーンは元気してる?」


「うん。領都に帰りたそうにしてるけどね。ターブレ君が恋しいんだって。」


「ふふ、アイリーンも女なのね……」


「カース君も心配だけどエリザベスお姉さんは無事なのかな……」


「何よスティード君らしくもないわね。カースの心配なんかしても無駄無駄よ。のんびり待っておけばいいのよ。」


「そう……だね。せいぜい今のうちにカース君に差をつけておこうかな。」





そんなある日の夕方。


「大奥様。エリザベス様を名乗る女が来ております。いかがいたしましょうか?」


「エリザベス? 変ね? まあいいわ。連れて来なさい。」


そしてメイドによってアンヌロールのもとに案内されたエリザベス。


「おばあちゃん。ただいま帰りました。カースを犠牲にしておめおめと生きて帰りました。」


「エリザベス……助かったの! おおエリザベス!」


祖母アンヌロールはエリザベスに抱きついて涙を流す。エリザベスも祖母に抱きついて嗚咽が止まらない。


「おばあちゃん……私……カースが……」


「いいのよ。よく帰って来てくれたわね。ありがとうエリザベス。」




「お姉さん! カースは! カースは!?」


そこにアレクサンドリーネも姿を現した。


「アレックスちゃん……ごめんなさい……」


そう言ってエリザベスは気を失った。よく見ると薄汚れており、かなりの強行軍でここまで来たことが窺われる。





翌日の朝。この日アレクサンドリーネとスティードはどこにも出かけていない。エリザベスの目覚めを待っているのだ。


そしてついにエリザベスが目を覚ます。


「こ、ここは……」


「お姉さん! 大丈夫ですか! 私です! アレックスです!」

「エリザベスお姉さん! スティードです! カース君は!?」


「あぁ、やっと私……着いたのね……おばあちゃんかおじいちゃんは? 説明するわ……」


「待っててください! 呼んできますわ!」


アレクサンドリーネは慌てて部屋を出る。


「お姉さん……一体……」


「ふふ、スティード君……おじ様に優勝を伝えておいたわ……大喜びだったわよ。」


「お姉さん……ありがとうございます。」


そしてエリザベスのもとへアンヌロールが姿を見せる。


「エリザベス。大丈夫かい?」


「おばあちゃん。ご心配をおかけしました。私は元気です。でもカースが……」


エリザベスは状況を説明する。それが自身の恥を晒すことだとしても。






「では……お姉さん……カースは……」


「ええ、魔力ポーションを三十本近く飲んでまで私を助けてくれたの……バカな弟……」


実際は五十本近い。


「カースが……意識不明……」

「アレックスちゃん! 大丈夫だよ! だってカース君なんだから!」


「おばあちゃん……ゼマティス家秘伝のポーションがありますよね? 全部ください! 明日、私はカースのもとへ向かいます!」


息も絶え絶えにエリザベスは言う。


「エリザベス……いいわ。アントンにお願いしてあげるわ。きっと了承するわね。」


「おばあちゃん……ありがとう……」


そしてエリザベスは再び眠る。一体何度限界を超えたことだろうか。


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