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異世界金融【改】 〜元教師は転生したら働かなくてもいいように無双する〜  作者: 暮伊豆
第二章

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決勝トーナメント二回戦

決勝トーナメント一回戦全試合が終了した。次でこの八人が四人となるのか。スティード君もアイリーンちゃんも勝ち残っているようだ。できればスティード君と決勝をやりたいものだな。


『決勝トーナメント二回戦を行います! 第一試合一人目はスティード・ド・メイヨール選手! 辺境フランティアはクタナツ出身! あの地獄のクタナツ出身なのです! 幼子でさえ魔物を狩り、盗賊は見つかり次第皆殺し! そんな屈強な冒険者でさえ死ぬ時はあっさり死ぬ。そのような土地に生まれ育ったスティード選手は十三歳! フランティア領都の騎士学校での席次は二位! 魔法と座学は苦手なようだぁー!』


『対する二人目はアイリーン・ド・アイシャブレ選手! この名前でピンときた方も多いでしょう! そうです! 解説をしていただいているベルベッタ・ド・アイシャブレ様の娘さん! ではなく姪っ子です! 幼い頃よりベルベッタ様の背中を追いかけて早十年! いまだ背中は見えずとも! 弛まぬ努力は人一倍! 破極(はきょく)流の槍が唸る! フランティア領都の魔法学校での席次は二位! 奇しくも二位同士、十三歳同士の対決だぁー!

さあ準備はよろしいでしょうか!?』


『双方構え!』




『始め!』




『うーん、動きがありませんね。さあこの対決をどう見ますか? 解説のベルベッタ様!』


『スティード選手はフランティアで破極流の道場にも顔を出しており、槍も堪能らしい。お互いの手の内を知り尽くしているからこそ、迂闊に動けないのだろう。』


アイリーンちゃんの武器は槍、見た目こそいつもの一文字槍だが、雰囲気が違う。業物なのだろうか。

スティード君の武器は剣、あれは確かおじさんに買ってもらったと言うロングソードかな?


『ああー! 最初に動いたのはアイリーン選手! 遠い間合いから執拗に足元を狙っているぅー! スティード選手は防戦一方で全く近づけなーい!』


『アイリーン選手は力ではスティード選手に敵うまい。だから間合いと速度で勝負をしている。』


このまま膠着するかと思ったらスティード君の足元には槍が踏みとどめられていた。一体いつ!?


『ほほう、あれは……』


『知っているのですかベルベッタ様!?』


『無尽流、観の目だ。簡単に言うとただの見切りなのだが。達人になると剣や槍が止まって見えるらしい。』


『つまりスティード選手はあの槍の猛攻をあっさりと見切り、踏みつけて封じてしまったと。』


すごい……さすがスティード君。下手をすれば足を切断されかねないのに。

意地でも槍を離そうとしないアイリーンちゃん。ここはどっちが正解なんだ?


スティード君は槍を踏んでいる右足を軸にして半回転、左足を前に出し槍を強く踏みつける。槍にダメージを与えつつ間合いも詰めている。今度は右足で踏みつけようとするが、そのタイミングに合わせて槍を離すアイリーンちゃん。空足となったスティード君はたたらを踏むかと思いきや、何事もなかったかのようにダッシュ。体ごとアイリーンちゃんにぶつかっていった。アイリーンちゃんは予想を覆されて反応が一瞬遅れ、そのままスティード君の体当たりをくらい転がっていく。

スティード君もそのまま追いかけて倒れたままのアイリーンちゃんに斬りかかる。容赦ないな。そのまま剣を首に突きつけられたアイリーンちゃんは降参した。

アイリーンちゃんは強くなったと聞いていたが、それ以上にスティード君が強くなってる……あんなの勝てっこないぞ……しかし無様を晒すわけにもいかない……


『決ちゃぁぁーく! 静かな立ち上がりが一転して猛攻、そしてあっという間の決着! さあベルベッタ様、いかがだったでしょうか!?』


『かなり驚いている。アイリーン選手の腕前は分かっているため、負けるにしてももっと接戦だと考えていた。正面から、それもアイリーン選手の強みを発揮させることなく勝負を決めたスティード選手の地力が際立った。お見事としか言いようがない。』


『ありがとうございます! やはりクタナツの選手は強いようですね! では第二試合へと移ります』




「スティード君! お見事だったね! あの槍を踏んだ動きなんか全然見えなかったよ!」


「たまたまだよ。他に方法を思いつかなくてね。」


そんなわけあるかい!


「スティード、見事だった。完敗だ。」


「アイリーンさん、いい勝負だったね。」


おお、握手をしている。勝負の後はノーサイド。青春だよなぁ。




『二回戦第二試合を始めます! 一人目は、イグレイアス・パルツァー! 無尽流の若きエースの登場です! 道場主レイモンド・リメジーの秘蔵っ子であり、この夏はかの剣鬼からも指導を受けたという逸材! 平民ながらも近衛学院への進学が有力視される騎士学校の五年、もちろん首席ぃぃぃー!

二人目はマルセル・ド・アジャーニ! あのアジャーニ家の次代を担う若き英才だぁー! 未だ子供のいないクタナツ代官である歳の離れた従兄弟レオポルドン様を信奉し、後を継ぐのは自分だとの野望も高らかに! 貴族学校五年、やはりこちらも首席だぁああー!』


『双方構え!』



『始め!』




勝負は接戦だった。装備の差は雲泥。俄然マルセル選手が有利だ。しかし実力の差もそれなりにあるため中々均衡は崩れなかった。

先にスタミナが切れたのはイグレイアス選手。これも装備の差らしい。解説によるとマルセル選手の革鎧には回復効果がついているらしい。結構反則ギリギリだとか。自分が魔力を使っているわけではないため反則でもないらしい。結局そのまま戦況は覆らずマルセル選手の勝利となった。

やはり装備の差は大きいようだ。


さて、次は私の出番だ。


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[一言] 知っているのかベル電。
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