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異世界金融【改】 〜元教師は転生したら働かなくてもいいように無双する〜  作者: 暮伊豆
第二章

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決闘決着

妙な事態になったものだ。アレクとの待ち合わせにウキウキしてやって来たら、上級貴族風の優男がいるし。高級ランチを奢ってもらえるかと思えば帰れと言われる。帰ろうとすれば決闘が始まるし。明らかに私に言われた言葉だったが、間髪入れずアレクが返答したのは驚いたな。

取り巻きがウダウダとダルかったから麻痺させておいたが。それにしてもあの男、予想を下回る弱さだよな……なぜ決闘でわざわざ上級魔法を使おうとするかな? それものんびり詠唱するなんて。一発目でアレクが額を狙ってたら終わってたよな。

アレクはアレクで頑なに同じ所ばかり狙ってるし。私の悪いところが感染ったかな?

それでもさすがはアレク。奴の高そうな服をゴリ押しでブチ抜くとは。トドメはどうするのかな?


そこに乱入者が現れた。神聖な決闘を妨害するなんて貴族の風上にも置けない奴らだ。『氷壁』

邪魔が入らないように透明な壁で取り囲んでおいた。そして知らん顔しとこう。見物人が多いから、誰が使ったか分かるまい。ふふふ。


それにしても恥ずかしい男だな。叫び声をあげるばかりで話にならない。命乞いをしないと本当に死んでしまうぞ。


乱入者達は必死に氷壁を破壊しようとしているが、一向に変化はない。それって普通に決闘を妨害した罪、貴族の誇りを蔑ろにする行為だよな。殺されても文句が言えない悪質な行いだ。では『狙撃』

氷壁に夢中になっている奴らの横から数発ほど発射する。妨害することは考えていても自分達が妨害されることは考えてなかったようで、あっさりと全滅。頭は狙ってないので、おそらく生きているだろう。一応、麻痺もかけておく。


さて、中の状況はどうかな?

アレクがこっちに手を振っている。終わったのかな? 氷壁解除。


「終わった?」


「ええ、命だけは助けてあげることにしたわ。白金貨二枚でね。」


「そっか。それはよかったね。もう受け取ったの?」


「いいえ、そこでカースにお願いがあるの。契約魔法をかけてもらえる?」


「いいよ。任せて。」


そして私はうなだれる男に近づく。足からの出血が止まっている。アレクがポーションでも使ってあげたのかな? 親切だなぁ。


「さて約束だ。アレクに白金貨二枚を払え。遅れると十日ごとに複利で一割の利子が付くからな。分かったな?」


「くっ、女の影に隠れて恥ずかしくないのか! そうやって彼女が稼いだ金を自分のものにするつもりなんだろう!」


「なんだ、払わないのか。おーいアレク。こいつ払わないって。トドメを刺していいよ。」


負けを認めたんじゃないのか? 往生際が悪いな。ホント恥ずかしい奴。


「ま、待て、払うかっらぉあ……」


よし、かかった。


「今のは契約魔法だ。払わないと大変なことになる。お前はもう逃げられない。」


実際には罰則を付けてないから頑張れば解除できるかも知れないが、魔力大盛でかけてやったからどうなることやら。


「カースもソルもありがとう。せっかくのお昼休みなのに悪かったわね。お昼はご馳走するわ。どこかいいお店はある?」


「ここの食堂でいいわよ。一番高いメニューを頼むけどね。」


貴族学校の食堂か。どんなメニューがあるんだ? 興味深いな。

いつの間にか周囲にはさらに人だかりが。ソルダーヌちゃんも取り巻きに囲まれている。辺境派とかあるんだったか。パスカル君もどこかで見てるのかな?




さて、場所を移動してここは食堂。身分や派閥に応じて半ば暗黙の了解的に場所が決まっているらしい。ソルダーヌちゃんに案内されたのは眺めのよいテラス席。特等席かな?


そこの五人ぐらいしか座れない円卓。私とアレク、ソルダーヌちゃんと友人二人の五人で座って昼食を楽しむ。男は私一人なのが微妙なところかな。

友人の一人はいつかの秋の大会でサンドラちゃんをライバル視していたイエール・ド・ファフネーズちゃんか。ここでもサンドラちゃんと付き合いはあるのだろうか?

もう一人は私とは初対面、なんとセバスティアーノさんの娘さんでエイミー・ド・セバスティアーノちゃん。


話題は先ほどの男、マニュエルについて……主に悪口なのだが。やれ自信過剰だの、やれ女誑しだの、言いたい放題だ。よほど腹に据えかねていたのだろう。

乱入者はアベカシス家の護衛らしい。あれだけの見物人の前で決闘を妨害しようとして逆に大怪我をさせられたのだ。面目丸潰れどころではないだろう。逆恨みしてアレクや私どころかソルダーヌちゃんにまで矛先を向けるタイプのような気がする。


さて、たくさん食べたことだし帰ろう。周囲の視線、特に男達の視線が厳しかった気がするが無理もない。ちなみにエイミーちゃんもソルダーヌちゃんに話しかける私に厳しい目を向けていた。私の興味はソルダーヌちゃんにないってのに。


ちなみに私とアレクは明日、ケルニャの日の夜に開かれるダンスパーティーに誘われた。ソルダーヌちゃん直々のお誘いなので喜んで参加することにした。最近全然ダンスをしてなかったからな……結構楽しみだったりする。場所は辺境伯家の上屋敷。ソルダーヌちゃんはそこではなく寮で暮らしているのだが、週末は顔を出すこともあるらしい。




さて、昼からはデートだ。腕を組んで歩いていたらアレクに誘導されるように宿へと行き着いてしまった。外見からはとても宿には見えない作りをしており、まるで貴族の邸宅だ。よく知ってるな、さすがアレク。ここはいわゆる連れ込み宿か。それも貴族御用達。まったくアレクは真っ昼間からお盛んで嬉しくなってしまうな。


「カース、さっきはありがとう。すごい魔力を感じたわ……そのせいで私……もう……」






それから三時間後。連れ込み宿を後にする私達だった。ふう。


そして夕方。私達は何事もなかったような顔をしてゼマティス家に戻った。

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