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異世界金融【改】 〜元教師は転生したら働かなくてもいいように無双する〜  作者: 暮伊豆
第二章

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夏の終点

パイロの日、楽園最終日。

正確にはもう一泊するが、丸一日滞在するのは今日までだ。


「カース、お願いしていい?」


「いいよ。何だい?」


アレクのお願いだなんて何でも聞くに決まっている。


「私に稽古をつけて欲しいの。本当は最終日だからたくさんカースに甘えたいんだけど、もうすでにいっぱいして貰ったから……」


「もちろんいいよ。僕だってアレクとイチャイチャしたいけど、それでアイリーンちゃんに負けたら大変だもんね!」


ただ稽古と言っても相変わらず私には効率のいい方法が分からない。だからいつも通り魔法対戦をすることしかできないが。




やってみて分かったが、やはりアレクの魔力はかなり増大している。以前トビクラーを仕止めた氷弾にしても二、三倍の威力になっている。もちろんその時より私の魔力も上がっているので、まだまだアレクに自動防御を破られる心配はない。


ただし、元々精密制御に定評のあるアレクだけに撃ち出した多数の氷弾を同じタイミングで同じ場所に打ち込み私の自動防御を突破しかける場面もあった。その時は慌てて追加で魔力を込めて事なきを得たりもした。



ちなみに昼食は普通のお弁当だった。アレクの料理がいかに美味いか心から実感してしまう。これも上級貴族の嗜みなんだよな。



午後からも同様に、いや更に激しく対戦を行った。アレクは新しく手に入れた魔力を試すかのように時々ゴリ押しで攻めてきた。そうかと思えば緩急をつけて私の意識をズラしたり。さらには上空から勢いをつけて氷の塊を落としてきたりもした。そのような巨大な質量を伴う攻撃に自動防御は弱い。いや、正確には魔力を多大に消費してしまう。とても割りが悪い防御法なのだ。


そしてアレクが防御側に回った時には、氷壁を固定するのではなく自在に動かすことで私の狙撃まで弾いてみせた。だから私も少しムキになって火球で氷壁を溶かすと同時に風弾を当てたりしたのだが。


非常に実りある稽古だった。




夕食を終え、風呂に入る。そして寝室。


「カースありがとう。最高の夏休みだったわ。また春休みには連れて来てね。」


「もちろんだよ。それに……卒業して、世界中を旅して回って。その後どこかに定住するとなると、ここもアリかもね。」


「そうね。最高だと思うわ。本当に幸せよ。ありがとう。」


それからのアレクはやはりすごかった。

時には嵐のよう。時に引き潮のように緩急自在に私を翻弄してくれた。




それを……何度繰り返したのか……きっと夕食にはいい食材が使ってあったのだろう。

そして遂に私達は限界に達し、電池が切れたように眠り込んでしまった。抱き合うようにして。




やがて朝が来る。とうとう夏休みも終わりだ。

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