夜
夕食はミスリルギロチンによる鉄板焼き。肉に野菜、魚に貝。とてつもなく贅沢なメニューだ。胡椒に魚醤、岩塩にワサビ、そしてソース類。調味料も万全だ。
薄暗くなった空を見ながら、玄関前でバーベキュー。少しずつ星が見え始めた。
「美味しいね! 胡椒とワサビを買っておいてよかったよ。」
「王都で買ったのね。本当に美味しいわ。昔は食べられなかったけど、この魚醤も美味しいのね。ホウアワビやサカエニナによく合うわ。」
「ガウガウ」
カムイは胡椒が苦手らしい。何も付けずに食べている。
「ピュイピュイ」
コーちゃんはソースが気に入ったらしい。
「ご馳走様。美味しかったわ。明日の朝は私が作るわね。」
「おお、それは楽しみだよ! さて、中に入ろうか。」
その前にカムイの小屋とコーちゃんの塒を出しておく。屋敷の玄関の両サイドに配置すれば、まるで番人のようだ。
「ピュイピュイ!」
「ガウガウ!」
二人とも喜んでいるようだ。特にコーちゃんの塒、汚銀の湯船は過去最大の大きさを誇る。
そして今から魔力をギチギチに込める!
「ピピュイピュイ!」
気に入ってくれてよかったよ。
「お待たせ。じゃあ中を案内するよ。」
案内と言いながらも、私は一直線に寝室へと向かった。
「ここが僕らの寝室だよ。」
言うが早いかアレクをベッドに押し倒す。もう我慢はしない。剥き出しの情熱を全てぶつける。
「ねえカース……」
「な、何かな……」
「私も初めてだからよく分からないんだけど……」
「う、うん……」
「早すぎない?」
それから夜明けまでアレクの攻勢が続く中、私はある一つの貴族女性あるあるを思い出した。
それは、魔力の高い女性ほど……
多情多淫だということを……




