表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界金融【改】 〜元教師は転生したら働かなくてもいいように無双する〜  作者: 暮伊豆
第一章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

5/1075

カースは祝福を貰えない

お爺さん神官の挨拶が始まる。


「皆さんようこそお越しいただきました。二歳という人生最初の節目を当教会で迎えられることを嬉しく思います。私はローランド神教会、クタナツ寺院の神官長ネイチェルと申します。

では、早速『ヴィルーダ様の祝福』の儀を始めましょう。さあ子供達は立ち上がって、手を胸の前で合わせましょう。」


挨拶が短いのはありがたい。手を合わせるとは、いわゆる合掌だ。ここではこれが普通なのだろう。


「さあ、そのまま目を閉じて。祈りの言葉を唱えましょう。私の後に続いて声を出してくださいね。そして神の声を聞くのです。」


『ガンニーシー クードーク

ビョードーセー イッサーク

ドーホーツー ボーダーク

オージョーアン ラーク』


すごい……

初めて聞いた言葉なのにするりと頭に入ってくる。そしてすんなりと口に出すことができる。他の子供達も同じようだ。




そのまま祈りの言葉を繰り返すこと約五分。


「うわー聞こえた!」

「すごい! 神様だー」

「しゅくふくだって! やったー!」

「やさしそうな声だったね!」


お、おかしい……

私には聞こえない……


目を閉じたまま姿勢を保つ。どんな祝福かは知らないが、貰えるものは欲しい。これはもしかして、かなやにカス教師と言われたことに関係するのか? くそぅ、悔しいな。


「さあ、みなさん。目を開けていいですよ。だいたい毎年五名程度が祝福を貰えています。今年は四名ですね。ただし貰えなかったからと言って悔やんではいけません。祈りの言葉を思い出すのです。

毎日唱えることで、ある日突然祝福を得ることは多々あります。なぜならみなさんはすでに神々の子だからです。これからも神を畏れ敬い、親孝行をし、友達を大事にするのです。そして学問、剣術、魔法など打ち込めるものを見つけて立派な人間になるのです。

悩める時はまたここに来て、神の声を聞いてみましょう。きっと道が開けるはずです。」


おお、まともなことを言っている。

これが『徳』が高いということなのか。

素直に聞きたくなるし、その通りにしようと思える。

よし、今日から頑張ろう。魔法は楽器と同じって話しだし、早く始めるに越した事はないだろう。帰ったら母親に頼んでみよう。


「さあカースちゃん、帰りましょうね。マリーも待っているわ。」


「あらイザベル様、もうお帰りですか? どこかでお茶でもどうかと思いましてお声かけしてみましたの。」


「まぁシメーヌ様、嬉しいわ。それはいいですわね。この辺りでお茶でしたら二番街の『タエ・アンティ』なんていかがかしら。ケーキも美味しいお店ですし。」


「やっぱりイザベル様とは気が合いますわ。私もそこ大好きですの。早速行きましょう!」


そこに何人かの親子連れが集まってきた。


「私達もご一緒してもいいかしら? みんなで行きましょうよ。」


たぶん父の同僚の家族だろう。結局四家族八人で向かうことになった。馬車は別々、御者は人数にカウントしていない。


店内では、ムリス家の長女サンドラとメイヨール家の三男スティードが合流し子供同士で甘いものを食べながらおしゃべりに興じている。


「私は学問をがんばるんだよー」


ムリス家のサンドラは言う。くりくりした目に輝く金髪が印象的な女の子だ。


「ぼくは剣術かな。やっぱり騎士になりたいよねー。かっこいいよねー」


メイヨール家のスティードは騎士になりたいらしい。伏し目がちだが意志の強そうな眼差しをした男の子だ。


「それよりみんなでゴースト退治しようよ。ぜったいおもしろそう!」


セルジュ……


「ぼくはまだわからないや、二人ともすごいんだね! 狼ごっこは騎士になるための体力をつけるのにいいんだよ。みんなでやろうよ。ゴースト退治も!」


こうして私達は友達となった。これで楽しく遊べそうだ。再会を約束してそれぞれの家路についた。


そう言えば、祝福ってどんな効果があるのだろう。説明してくれなかったな。

個別に説明したのだろうか。これも帰ったら聞いてみなければ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
i00000
― 新着の感想 ―
[良い点] 懐かしい!まだ途中の私ですら懐かしいです! みんな可愛かったですねぇ……しみじみ。 祈りの文句がめっちゃ笑えます。
[良い点] ワクワクしてきました。うんうん。同窓会は言い得て妙。たしかに懐かしい感じがする。更新楽しみにしています。
[一言] ぬるきんキタアアア!!!! そうそうこんな感じでした!!w 何だか同窓会に来た気分ですw この頃からメンツは確立してたんですね! やっぱりいせいんはキャラがみんな立ってますよね!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ