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異世界金融【改】 〜元教師は転生したら働かなくてもいいように無双する〜  作者: 暮伊豆
第二章

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魔法部隊の顧問

帰路でのセプティクさんは普通だった。排水魔法を施してくれる魔法使いも紹介してくれるそうで一安心だ。ただし街に丸ごと施すため時間も費用もすごいらしい。

贅沢な家を建ててしまったばかりに出費が嵩む。足りなかったらどうしよう。ゴーレムでも白金貨が五枚ぐらい要るのに。その場合私の残り財産は白金貨六枚程度になってしまう。足りるだろうか?




領都に着いたのは午後五時ぐらいだった。


「セプティクさん、今日はありがとうございました。これはご祝儀です。」


「こ、これはありがとうございますっ、こんなに!?」


「あなたの仕事に大変感謝しております。今後も何かと相談すると思いますので、よろしくお願いしますね。」


見た目は神経質そうなのに、全然そんなことはなかったようだ。

それからセプティクさんに連れられて件の魔法使いのもとへ向かう……行政府?

あっ! 街の興亡に関わることだから民間レベルでは済まないってことか!?


「お役目ご苦労様です。私、マイコレイジ商会のセプティクと申します。騎士団魔法部隊のモーガン様にお目通りの予約をお願いできますでしょうか。」


「うむ。承った。また明日の朝に参られい。」


なるほど。翌日のアポを取ったのか。一日待ちぐらいで会えるのなら良心的だな。


「ではマーティン様、明日の朝ここで待ち合わせいたしましょう。私か番頭が参りますので。」


「分かりました。わざわざありがとうございます。」


これなら辺境伯に頼んだら早そうだが、さすがに気が引ける。むしろクタナツで代官に頼んだらどうだ? まあ明日次第かな。


帰ってマーリンに夕食を作ってもらおう。そしてゆっくり風呂に浸かって寝るとしよう。


アレクがいないとベッドが広いな……




翌朝、サラスヴァの日。

マーリンのご飯を食べて行政府へと向かう。かなり混雑している。これでお目当ての人に会えるのか?


「マーティン様、おはようございます。」


番頭さんだ。こんなえらい人がわざわざ!?


「おはようございます。番頭さん自らいらっしゃるとは恐縮です。」


「いえいえ、本日はモーガン様にお会いするわけですから念の為、私が参りました。」


「モーガン様とはどんな方なんですか?」


「ええ、魔法部隊の顧問をされておりまして、今回のような案件を多く担当されております。生き字引のような方ですよ。」


なるほど。色んな魔法使いがいるものだな。科学で解決するところを魔法で解決する世界だもんな。


「ささ、こちらです。こちらで本日の面会時間を確認いたします。」


白板に黒チョークで面会の相手、可否、時間が書かれている。私達の相手、モーガン様は……おっ、九時半か。中々早いじゃないか。


「ではマーティン様、今しばらく時間がありますので、出直されても結構ですよ。私が場所を取っておきますので。」


なるほど。時間が決まっているからと言って近くで待っていないと抜かされたりするのかな?


「この建物内は歩いてもいいものですか?」


「ええ、大丈夫ですよ。立入禁止の所はそう書いてありますので。」


「分かりました。じゃあ少し散歩して来ますね。」


クタナツの代官府は行ったことがあるけど、ここは初めてだからな。辺境伯はここで働いているのか。大変だよなぁ。てことはドニデニスもここで働いてるってことか? 信じられんなー。ダミアンは普段何やってんだろ? あいつって遊び人だよな? 愚連隊よりマシか。


建物の外を歩いていると騎士団の訓練場らしき場所が目についた。これは面白そうだ。ぜひ見学していこう。

うわー、重装備で走ってるよ。きつそうだな。その上走りながら剣を構えたり降ったりしてる。絶対きついよ。

その上、どこかから魔法まで飛んでくるし。避けたり弾いたりしている。ハード過ぎる。どこも騎士団ってそうなのか。クタナツ騎士団の訓練など見たことないもんな。


おっ、乱取りかな? 一対一で対戦をしている。得物は木剣のようだ。みんな激しくやってるねー。あんな重そうな木剣を軽々振り回している。


ただ見ているだけでも勉強になるもんだ。そろそろ九時を過ぎる頃だし戻るとしよう。


「おかえりなさいませ。もうすぐ呼ばれるかと思います。」


「それはいいタイミングでした。」





「マイコレイジ商会、入れ。」


お、お呼びだ。九時半より早くなることもあるんだな。


「「失礼いたします。」」


「座れ。そして用件を言え。」


この人か。痩せたジジイだな。きっと歴戦の魔法使いなのだろう。目つきは鋭いが足腰は弱そうだ。


「こちらの方、カース・ド・マーティン様が魔境に街を作られました。そこに排水魔法を施していただきたくやって参りました。」


「魔境だと? 一体何を?」


「ここからは私が。場所はヘルデザ砂漠の北東、ノワールフォレストの森南端部のやや東部です。二キロル四方を城壁で囲ってあります。そこに排水魔法をお願いしたい次第です。」


「全く意味が分からん。分からんが頼まれたことをやるのに問題はない。その広さだと白金貨二枚は見ておいてもらおう。日数は一週間もあればできよう。」


「ありがとうございます。送迎はお任せください。ここからだと二時間ぐらいで着きますので。」


「お前は何を言っているのだ? 全く意味が分からんぞ。」


「モーガン様。昨日うちの者がマーティン様に連れられて現地まで行って帰って参りました。本人曰く、夢でも見ているようだったと。」


「スライム式浄化槽を設置していただきました。それからその場所ですが、クタナツではもう知られております。魔女の別荘として、私はその魔女の三男です。」


「ふん、魔女か……その話が本当なら明日だ。明日の朝出て最速で終わらせてやる。」


「ありがとうございます! では朝七時に北の城門にてお待ちしております。」


「でしたらモーガン様、マーティン様のご自宅の浄化槽との連結もお願いできませんでしょうか。」


「ふん、ついでだからな。やっておいてやる。」


「「ありがとうございます。」」


しかし顧問だなんてえらい人がいきなり明日から一週間も留守にしていいのか? 私が心配することではないが。




「番頭さん、今日はありがとうございました。お陰でいい街になりそうです。少し贅沢な家を建てるだけのつもりだったんですが……」


「はっはっは。マーティン様に平凡は似合わないということでしょう。これからもご贔屓にお願いいたします。」


「あっ、早速あります。小屋を一軒ください。五メイル四方の広さがあればいいです。雨風に強く丈夫、内装は何も無しです。」


「承りました。では詳しくは店に戻って伺いましょう。」


カムイの小屋を用意しないとな。出入りがしやすく断熱効果が高く、壊れなければいい。

だいたい金貨五十枚でお釣りが来るそうだ。コーちゃんの塒にはやはり汚銀だよな。これはギルドに依頼だ。安いから気軽に頼めるんだよな。


これでアレクを連れて行く時には二人の寝床も揃うことだろう。楽しみに待っていてくれよ。




昼からはカスカジーニ山で適当に狩りをしていた。金を稼いでおかないといけないからな。しかし大物を仕留めない限りそこまで儲かるものでもない。金を貸した方が余程儲かるってものだ。現在の貸付残高は金貨八百枚ぐらいなので、十日ごとに金貨八十枚入ってくる。今日の稼ぎが金貨五枚程度なので、やはり金貸しの方が儲かるのは間違いない。実際にはギルドに一割取られるとしても。

ちなみに先日のグリフォンの儲けは金貨百二十枚だった。爪と牙が高かったらしく、内臓はそこまででもなかったとか。羽があれば金貨八百枚近くまで跳ね上がったらしい。

ともあれ、これでグリフォンの羽毛布団が発注できる。

まだ時間はあるので行っておこう。ベイツメントへ!




済んだ。約一ヶ月かかり、費用は金貨二百枚。羽根の加工が大変らしい。その分出来上がりは素晴らしいものになるそうだ。領都でそれを持っているのは辺境伯を含む最上級貴族達、十人もいないらしい。

ちなみに卵は楽園に置いてきた。カムイに暖めを頼んでおいたのだ。またまた友達が増えるよ、やったぜコーちゃん。

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