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異世界金融【改】 〜元教師は転生したら働かなくてもいいように無双する〜  作者: 暮伊豆
第二章

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パワーブレックファスト

パイロの日。早朝からセルジュ君とスティード君がやって来た。


「おはよう。昨日は居なくてごめんね。王都行きの件、ぜひお願いできるかな。」

「おはよう。僕も道場に行ってたよ。子供だけで王都行きなんてさすがカース君だよ。」


「おはよ。アレクはまだ寝てるけど、朝ご飯を一緒にどう?」


アレクは珍しく朝寝坊だ。三人で朝食開始。


朝食を取りつつ軽く打ち合わせをしたところ、領都を出発するのは夏休みの三日目となった。約二週間後だ。王都では始めの何日かを一緒に行動して、それ以降は別行動することになった。

せっかく行くのだから挨拶まわりもしておきたいそうだ。子供なのにさすがの二人だ。


「おはよう。遅くなったわね。」


アレクが起きてきた。ん? 顔色が悪い!


「おはよ。もしかして調子よくない? 今日はゆっくりしようか。」


「もう、いつも心配しすぎよ。セルジュ君もスティード君もおはよう。来てくれてありがとう。」


「おはよう。貴族学校でもアレックスちゃんとカース君のことが話題になってたよ。」

「おはよう。騎士学校でもだよ。しかもカース君、昨日シグナリア先輩に勝ったらしいね。」


あの人は先輩なのか。シグナリアさんか。

あらかたの打ち合わせを終えて二人は帰っていった。異世界朝食会議パワーブレックファストだな。


「こんな時はやっぱりレバーかな? この前の料理だったら食べられるかな。」


「ええ、あれは美味しかったわね。カスカジーニ山に行く?」


「うん、貧血に効くものを獲ってこよう! アレクは待っててよ。」


「行くわよ。体調が悪いからって戦えないようじゃあ貴族失格じゃない。」


そ、それはそうだ……やはり私は甘いのか!




カスカジーニ山へ到着した。アレクを連れて来たからには戦うのはアレクだ。私は黙って見ている。


「じゃあ呼ぶよ?」


「ええ、お願い。」


『泥沼』


普段より魔力を高めで泥沼を作る。逆円錐状に渦巻く水流が地面を穿つ。コーちゃんはこれが好きなんだよな。今頃何してんだろ?


『水操』


意味も無く高速回転させてみた。人も魔物も落ちたら溺れてしまうだろうな。


げっ、蜂の魔物だ! 五匹もいやがる!


『氷弾』


アレクの魔法が炸裂するが、当たらない。奴らの動きはかなり素早い。


『氷散弾』


判断が早い! 私に構うことなく周囲に氷の弾丸をばら撒いた! しかし威力が弱い。五匹全てに命中したが一匹しか仕留めてない。


『氷散弾』


構わずもう一度、おっ、蜂どもの動きが鈍った! もう少しだ!


『氷弾』


丁寧に一匹ずつトドメを刺し全滅。いいお手並だ。


「見事だったね。効かなかったのなら効くまで撃てばいいよね。」


「ありがとう。ヴェノムホーネットは危険だから少し焦っちゃった。解体するわ。待っててね。」


こいつの毒はヤバいらしい。魔石と針、毒袋が売れる部位だ。手際がいい、私には無理だ。


解体後の残骸はいつも通り泥沼にドボン。お手軽で便利だ。


その調子で狩りを繰り返すこと二、三時間。獣系が来ない。このままではアレクにレバーを食べさせることができない……

いや、まだ焦る時間ではない。昼にもなっていないのだから。


「痛っ!」


「どうした!?」


辺りに魔物はいない。


「こ、こんな物が……」


吹き矢だ……首筋に! まさか毒? ならば人の仕業? どこだ! 『解毒』


そして『燎原の火』


この辺り一帯を火の輪で囲う。範囲内を火の海にする魔法だが、今回はアレンジしてみた。

山ごと丸焼きにしてでも絶対逃がさん!


『魔力探査』


反応はない、魔力が弱いのか。それとも何らかの方法で隠れているのか。隠形とか?


「乗って!」


アレクをミスリルボードに乗せて上空から探す。魔物達は荒れ狂っているようだが構いはしない。しかし犯人を殺すわけにはいかない。生け捕りにしなければ。


『金操』


ミスリルギロチンで範囲内の木を全て切り倒す。隠れる場所など残さない。倒した木は空中に浮かび上がらせてから収納する。半径二百メイルがどんどん禿山と化す。

それより外は火炎地獄だ。早く消さないと大変なことになってしまう。


しかし、それでも見つからない。


「いないね。相当逃げ足が速いのかな? それより大丈夫? アレクの魔力なら毒なんか効かないとは思うけど、それを上回る危ない毒かも知れないし。」


「ええ、カースのおかげで大丈夫よ。この吹き矢は捨てずに取っておくわ。それよりも……」


『判別』


「物に残った魔力を頼りに持ち主を探す魔法よ。手元を離れてから十分が勝負なの。」


そんな魔法があるのか。もしかして母上が命を狙ってきた相手を特定して返り討ちにしたのはこの魔法か?


「反応があるわ。円の中、あそこよ!」


アレクが指差したのは中心部より南東に五十メイル。しかし何も見えない。こちらも隠形を使いつつ近寄ってみる。


「私がやるわね。」『水壁』


そこには一辺四メイル程度の水の立方体ができていた。いた! 中に閉じ込められている。


『落雷』


私は気絶で済むよう威力を抑えて魔法を撃った。


「まだ油断しちゃだめだよ。他にもいるかも知れないから。」


私は気絶している男に目隠しして縛りあげ、さらに鉄板で簀巻きにする。


『高波』


火をしっかりと消しておかねば。逃げ遅れて焼け死んだ魔物も回収だ。そして今一度魔力探査を使ってみるが、どうやら居ないようだ。単独犯か? 私ではなくアレクを狙うとは……

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