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異世界金融【改】 〜元教師は転生したら働かなくてもいいように無双する〜  作者: 暮伊豆
第二章

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心眼の心得

先生が狩りから戻ってくる夕方まで私がしたことは石切だ。石畳用の岩をひたすら切っていた。


「なるほど! この石畳はそうやって作っていたんだね。すごい魔力だね!」


「ありがとうございます! だいぶコツも分かってきましたし。」


先生なら当たり前だろうけど、私が頑張って作った城壁や堀が何の障害にもなってないようだ。気軽に出入りをされている。少し悔しいな。


「では暗くなる前に晩飯にしようか。さっきのミスリル板を出してくれるかい?」


先生はテキパキと肉を切り、野菜を切りきれいに下拵えを済ませていく。どこで野菜なんか?


それをミスリル板の上で豪快に肉野菜炒めにする! 何かのソースまで垂らしてかなりいい匂いだ!


「さあできた! このまま直に食べるといい。」


「いただきます!」

「ガウガウ」

「ピュイピュイ」


旨い……

そして暖かい……

星を見ながら大勢で食べる食事の美味いこと。


「先生! 美味しいです! 最高です!」

「ピュイピュイピュイ!」

「ガウガガウ!」


「喜んでもらえて嬉しいよ。」


しかも先生は食後にペイチの実をくれた!

私の大好物だということをちゃんと覚えていてくれたのだ! 嬉しくて泣きそうだ! 美味い!


「さて、カース君。せっかく辺りが真っ暗になったんだ。心眼の稽古をつけてあげよう。」


なんてこった! こんな幸運でいいのか! ありがたすぎる!


「押忍! ありがとうございます!」


キンッ


ん? 先生が納刀した音?

気付けば私の両目は開かなくなっていた。

自動防御も先生の前には意味がないようだ。


「せ、先生!?」


「心配することはない、瞼を少し切っただけだ。後でポーションを飲めばすぐ治る。そして、服を脱ぎなさい。上半身だけでいい。」


「お、押忍!」


シャツ、ウエストコート、籠手、サポーターを収納する。


「それでいい。心眼の極意は見えないものを斬ることだ。暗闇だろうが水中だろうが、木も岩も魔物も、そして人も。」


「押忍!」


「物事を認識するには人は目で見ることを含め五感で感じることができる。目以外の四感を目と同等に使えるようになって初めて心眼の入口が見えてくるのだ。さて、講釈はここまでだ。では今から小石を投げるから、避けるなり打ち落とすなりするんだ。いいね?」


「押忍!」


道場で似たような稽古はしていた。しかし上半身裸になったり目を潰されたりしたのは初めてだ。さすが先生、厳しさが違うな。


痛っ!


石自体はかなり小さいようだが、スピードが速い! しかも前後左右だけでなく、上下からも飛んでくる!





結局この日は数時間に渡って稽古をしたものの、まぐれで数発弾いたのみ。かなりの数の石を受けてしまったところで、ポーションを飲み、目と体の傷は回復した。


「どうだい? 小石って気配が小さいから難しいだろう。ちなみにアランは心眼が下手くそだから、カース君も気楽にやるといい。」


「押忍! ありがとうございます!」


やはり達人への道は険しいんだな。


この後目隠しをした先生に見本を見せてもらった。小石だけでなく氷弾や狙撃に至るまで、全て防がれた。いや切り捨てられた。さすがにミスリルの弾丸は使ってないが、十発ぐらいまとめて撃った氷弾でさえ難なく切り捨てられてしまった。これが達人……昨日の大会は本当に子供の大会だったようだ。増長しかけていた自分が恥ずかしい。


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