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異世界金融【改】 〜元教師は転生したら働かなくてもいいように無双する〜  作者: 暮伊豆
第二章

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領都一子供武闘会 決勝戦

ポーションを二本飲み、落ち着いたシフナート君が話し始める。


「ダミアン様がおっしゃったように私は心眼の真似事ができます。もはや氷を溶かすこともできない私にとって闇雲は起死回生の策でした。そうして少しずつダメージを与えて勝つつもりだったのです。しかしあれだけの量の闇雲ですから先ほどの私の魔力ではそう長くは持ちません。私は焦ってしまったのです。勝負を急いでしまった。その代償が右腕です。カジミール選手を突き刺した直後、腕を取られてそのまま折られてしまいました。起死回生を狙っていたのはお互い様ですね。カジミール選手はそのまま勝つつもりだったようですが、さすがにお腹を刺されては一瞬の反撃が精一杯だったようです。」


『素晴らしい攻防でした! 皆様、今一度お二人に大きな拍手をお送りください!』

『盛り上がるいい勝負だった。決勝戦も期待しておこう。』


一応聞くだけ聞いておこうかな、


「シフナート君、久しぶりだね。僕を恨んでるのかい?」


「違うよ。私は君に追いつきたいんだ。そうでなければわざわざこんな見世物大会になんて出やしないよ。闇討ちでもするさ。」


「なるほど。安心したよ。やっぱタイマン張ったらマブダチだね。」


「手加減はしない! 全力で行くしどんな手だって使う!」


「分かったよ。ならばそんな手を使わせないように速攻で沈めてみせよう。」


それにしても、よく私がこの大会に出ることを知っていたよな……

あ、アレクが賞品なんだから当たり前か。




『領都一子供武闘会! ついに決勝戦です! まさか決勝戦が同じ十二歳同士の対決だなんて誰が予想したでしょう! 組み合わせの妙、相性、運。色々あったかも知れません! しかし勝負とは、勝てば国軍負ければ盗賊なのです! 今この武舞台に立つ二人こそが領都を代表する強者なのです! 両雄並び立たず、頂点が今から決まります!

カース・ド・マーティン選手対シフナート・ド・バックミロウ選手! 掛け率はァー、九対二! カース選手圧倒的に優勢だー! 正気か皆さん!』


『それでは、決勝戦の前に一言ずつコメントをいただきます。まずはカース選手、お願いします。』


「アレクサンドリーネは僕のものです! 誰にも渡しません!」


『ここに来て何て男らしい一言! 私も言われてみたい! ではシフナート選手、お願いいたします。』


「カース君、君は恐ろしい男だ。君の魔力を感じるだけで逃げ出したくなる。だからこそ私は戦う! 君のマブダチであるために!」


『おーっと非常に古い言葉が出ました! マブダチです! この二人はマブダチだったのかぁー! おっと、マブダチとは決して念者、念弟とは関係ありません! くれぐれも誤解しないようご注意ください!』


この世界にも腐った淑女がいるのか?


『時間となりました。賭けを締め切ります。では決勝トーナメント決勝戦を開始します! 双方構え!』







『始め!』


『闇雲』


『シフナート選手! いきなりの闇雲だぁー! しかも先ほどよりさらに暗いのでは?』

『しかし今回の相手はカース選手、彼の魔法なら簡単に吹き飛ばしてしまえるが……』

『闇雲は依然として存在しております。まさか……カース選手は闇雲内で正々堂々と勝負をするつもりなのでしょうか!?』

『運営側としては困るが、カース選手にそれを言っても詮なきことだな。』




『聞こえますか皆様!? 剣戟の音です! まさかカース選手はシフナート選手と同等に暗闇で剣が振るえるのでしょうか!?』

『カース選手はあれでもクタナツ無尽流で修行をしているし、『達人』コペン・アッカーマンの直弟子でもある。心眼の稽古も積んでいるのだろう。』

『またまたビッグネームが出ました! かの『剣鬼』の師匠にして王都で恐れられた『達人』アッカーマン先生の直弟子ですって!? ホントこのおガキは何光持ってるんだぁー! 十四か!? 二十八か!?』


うるさいな。自分でも幸運だと思ってるよ! それにしてもシフナート君の攻撃は的確で速い。武器の性能差がなかったら負けてるな。付き合うために自動防御は張ってないし。でもこのままだと結局地力の差で負けてしまう。どこかで切り替えなければ。


シフナート君が左後方より打ち込んでくる。その剣の横っ面を叩くように虎徹を振り抜く! よしっ、武器を破壊した! 今だ!

『風球』


足元に高圧縮の風球を叩きつけた。一瞬にして闇雲が霧散する。それに合わせて私は空中に飛び上がっている。ここから狙い撃ちだ!


『水球』『水球』『水球』


半径一メイルのホーミング水球だ。破壊するしか逃れる術はない。

いきなり明るくなったところに水球三連発、もちろんこっそり風球も撃った。


「くっ、」『氷壁』


ギリギリ防御が間に合ったか。しかし……



『これはどうなっているんでしょうかー!? いきなり闇雲がなくなったと思ったらいつの間にか上空にいたカース選手から水球が放たれました! それをシフナート選手がギリギリのタイミングで氷壁で防御、したと思ったら氷壁があっさり破壊され水球がシフナート選手を直撃! 吹っ飛ばされましたがギリギリ武舞台からは落ちませんでした。しかし、間髪入れず見えない攻撃! たぶん風球ですがまたもや直撃! 場外へと追い落とされてしまいました! チッ、よって優勝はカース選手です!』

『暗闇で何が起こったか、後でしっかり語ってもらわないとな。さあ表彰式だ。カース選手! その場で待っていてくれ。』


おお、意外と歓声がすごい! ブーイングが起きたらどうしようかと思ったのだが。やってよかった! 勝ててよかったぞ!

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