浴場にて
そして浴室。肌寒くなってきた十月にマギトレントの湯船が暖かい。
マリーと一緒に風呂に入るのは二歳か三歳の時以来だな。あの時みた背中の白さはよく覚えている。
おおっ、バスタオルを巻いていない。曝け出してくれているではないか。これはいい。いい肉付きではないか。
「お背中を流しましょう。」
「頼むよ。」
私の期待とは裏腹に、マリーは背中しか洗ってくれなかった。手が前に伸びたりすることはなかったのだ……
純情な私としては自分からどこどこを洗ってくれなどと、とても言えない。
だから素直に暖まるのみだ。魅惑の肢体をチラチラと覗き見るだけで我慢しよう。やはり大人の女性とはいいものだ。
「じゃあ先に出るね。いいものが見れてよかったよ。」
「見るだけでよろしかったので?」
意味ありげに微笑むマリー。もしかしてサービスしてくれるのか!?
「そのうちお願いね。」
「ええ、そのうち。」
強がってみた。サービスして欲しいぞ……
そしていつもの大人達の夜。
「マリーはカースと風呂に入ったんだって? 珍しいな。」
「坊ちゃんから誘われたこともありますが、少し意地悪をしたくなったもので。」
「はっはっは。聞いたぞ、スカートを捲られて、それをジジイにバッチリ見られたんだってな。」
「そうです。あのような達人に鋭い目で見られてしまいました。だから熱くなってもう我慢できません。旦那様……」
「待ってマリー。我慢できないのは私もよ。久々にアッカーマン先生の達人ぶりを目の当たりにしたんですもの。相変わらず凄すぎるわ……」
「イザベルもか。よーし俺もジジイがクタナツに来てゴキゲンだからな。張り切るぜ!」
こうして三人のいつもの夜が始まった。客人がいるのに。




