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異世界金融【改】 〜元教師は転生したら働かなくてもいいように無双する〜  作者: 暮伊豆
第一章

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ゲットバック5

さて、アレクは分かる限りの話をサンドラちゃんから聞いたらしい。それはそれは怪しいことだらけだった。

その話とパパママの夫婦喧嘩から分かったことがある。


事はパパが娼館に行ったことに端を発する。そこで出会った女に入れあげたパパは金品を次々と貢ぎ始める。アレクによると怪しい薬を使われた可能性もあるらしい。


すぐにお金が続かなくなったパパは女から金貸しを紹介される。『ある時払いの催促なし』なんて言葉をあっさり信じたパパは湯水のように借り始める。賭場に出入りしたり、サンドラママへのご機嫌取りにも相当使ったらしい。


そしてある日、金貸しが豹変する。女との事後、微睡んでいるところに乗り込んで借用書を見せ返済を要求。当然そんな金があるはずもなく、返済期間を延ばす代わりに契約魔法で身を縛られる。そこから後はお決まりのコースだ。


金がないなら作ってこい。代官府には沢山あるだろう。お前なら金庫室にも入れるだろう。

始めは金貨一枚から、次第に五枚、十枚、百枚。

一つの悪事を終える度に女から飴がもらえる。少しでも躊躇うと男から鞭が振るわれる。やがて事件(ヤマ)を踏まないと女からご褒美が貰えなくなる。必死の思いで金を抜いても額が少なければお預けとなる。

こうしてパパは金庫室から金貨を運ぶだけの人形となったのだ。


金庫室とてただの空き家ではない。入室する者には『魔封じの首輪』の装着が義務付けられ手荷物も持ち込めないし、出入りの際はボディチェックもされる。代官でもだ。それを突破した方法が分からない。金貨五万枚の重さなど想像もつかないが、大容量の魔力庫か相当高性能のマジックバッグでないと入らないはずだ。大金貨や白金貨があるとしてもかなりの量のはずだ。


そうして今日に至る。犯行は今朝の日の出前。昨夜に運ばれてきた金貨も含めて丸ごと狙ったのだ。また本来なら発覚は今日の昼ぐらいのはずだったが、パパの出入りを不審に思った別の役人が半ば強行で金庫室を調べたために発覚となった。


予定ではパパが金庫室に入るのは日の出よりしばらく後、通常業務開始時の最初の仕事として金貨の枚数チェックをするはずだった。それがなぜか日の出より早くやって来て、その業務を行ったことが発覚の原因だったのだ。


ボディチェックをスルーする方法があるのなら普段通り出勤すればよかっただろうに。まあその辺りは騎士団の取り調べで判明するだろう。


またアレクによるとサンドラママも罪は免れないらしい。それなりの魔法使いらしいので全財産没収の上、奴隷役(どれいえき)で草原開拓に従事することになるらしい。


サンドラちゃんと弟二人は孤児院行き。服や所持品の大半は没収、上着数着と下着や肌着類、そして学用品だけが残された。




騎士団でも代官府でも、これが娼婦の色香に迷った愚かな男の犯行とは考えていない。苛烈な取り調べが続くことだろう。

もちろん娼婦本人や娼館の楼主、賭場の関係者も軒並み連行済みである。


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