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異世界金融【改】 〜元教師は転生したら働かなくてもいいように無双する〜  作者: 暮伊豆
第一章

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ある平穏な一日

今日から四日ほど学校に通えば夏休みだ。楽しみで仕方ない。


学校にコーちゃんが付いて来ようとするのが参った。素直に言うことを聞いてくれるいい子なのに私から長時間離れるのが嫌らしい。どうやら私がどこに行き、いつ頃戻ってくるかまで理解しているようだ。


そこで苦肉の策。

鍛錬遠足の時に買った鞄に入れて学校に連れて行くことにした。決して声を出さない約束には応えてくれた。だから信じる。信じるぞコーちゃん!




「おはよう。昨日は楽しかったわね。あら? 鞄なんて珍しいわね。」


「おはよ。サンドラちゃんに隠しても無駄だから言うけど、コーちゃんが入ってるんだ。付いて来るって聞かなくてさ。助けてお願い。」


「うふふ、いいわよ。心配いらないわ。私達の仲じゃない。」


なんだか凄く弱みを握られた気分だ…….




一時間目、国語。

バレなかった。


二時間目、算数。

バレなかった。


三時間目、魔法。

バレなかった。鞄を教室に置きっぱなしにしていたからだ。コーちゃんは大人しく待っていてくれた。


昼休み。

私が外に行こうとしたらみんなも来た。

だから事情を話した。

アレクが少し不機嫌だった。

ち、違うんだ。放課後に話そうと思ってたんだ。


四時間目、社会。

バレなかった。


五時間目、体育。

夏休み前なのに今日から蹴りに入るらしい。

と言ってもやはり水壁を好きに蹴るように言われただけだ。

私はゴモリエールさんの恐ろしい回し蹴りが目に焼き付いているので、そのイメージでひたすら蹴っていたら足腰がガクガクになってしまった。

コーちゃんは教室の鞄で大人しくしていてくれたようだ。二学期からどうしよう。




放課後、コーちゃんを含めたみんなと校庭で遊ぶ。夏休みは明日からでもないのに、なぜかみんな帰るのが名残惜しく、日没近くまで遊んでいた。誰も帰ろうと言い出さない、不思議な雰囲気だった。




ついに日が暮れてしまいマリーが従者を代表して「帰りますよ」と言ってくれた。普段私は歩いて登下校しているので、なかなか帰って来ない私を心配して来てくれたのだろう。

みんながみんなおかしかった。明日も学校なのに、なぜか帰りたくない。いつまでも遊んでいたいと思ってしまったのだ。


そして私達はそれぞれの馬車に乗り込みそれぞれの家に帰る。その瞬間の得も言われぬ喪失感は何なのだ? 二度と会えないわけでもないのに。

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