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異世界金融【改】 〜元教師は転生したら働かなくてもいいように無双する〜  作者: 暮伊豆
第一章

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銀色空中露天風呂

雛菊の花がまだら色になり、菫は蒼く。

種漬花は白銀色になり、羅南の花が牧草地を黄色に染め上げる春の休日。


私は長年の夢を実現せんと我が家の庭に居た。


本日ついに空中露天風呂に挑戦する。

湯船は魔力を満タンに注ぎ込んだ汚銀。

時は昼、手には甘いホットミルク。


不退転の覚悟を決めるため、私はすでに全裸になっている。真昼に全裸だ。

誰も私を止めることはできない。このまま湯船ごと空中に浮かび、クタナツを空から見下ろすのだ。


浮身(うきみ)


湯船を上へ上へと浮かべる。

もちろん隠形は使ってある。


鉄と比べると汚銀はだいぶ軽い。

ぐんぐん上がる。


地平線がどこまでも広がる。

あぁいい眺めだ。

普段の飛行とは一味違う。


私は空中で露天風呂に入っているんだ。


お湯が体に染みる。

ホットミルクが美味しい。


魔力を消費する度に汚銀が私を回復させてくれる。






と、言うことは……

汚銀(けがれぎん)を大量に使用して飛行機などを作れば、他の大陸にだって行けてしまう。

理論上は魔力が無くならないのだからこの世界一周だってできるかも知れない。


仮に赤道が一周四万キロルだとするなら、私の全力でも一周に百から百五十時間はかかることになる。 まずは本物の飛行機並みの速度を目指してこれからも頑張ろう。


それはさて置き、絶景だ。

一体何メイル上昇したのだろうか。

風呂に入っているものだから温度の低下がよく分からない。気圧の変化もよく分からない。


親指と人差し指で作った円の中にクタナツが四つぐらい入りそうなほど高い。

息苦しさは感じない。

気持ちいい。

この世で私ほど贅沢な者はいないだろう。何ていい景色だ。


何だかぼーっとして来た。

酸素が薄くなってきたのかな?

それなら降りなければ。




『何用だ……』




ん? 何か聞こえたかな?

酸素が薄いと幻視や幻聴があるらしい。

早く、でもゆっくり降りよう。


高度を上げるには酸素の問題をクリアしないといけないな。そしたら成層圏風呂、そして宇宙風呂なんてできるかも知れない。


こんな時ファンタジーでは水を電気分解して水素と酸素を作り出したりするんだろうな。

魔法で電気分解はできたとしても、どうやったら酸素濃度ぴったりの空気を作り出せるかが分からない。

はたまたオゾン層を分解して酸素にしてしまうか……できるわけがない。


酸素魔法は前途多難だ。




しかしそんなことはどうでもいい。

この素晴らしい景色、最適な温度、私しか存在しない空間。なんていい気分なんだ。

もし私の魔力が今の百倍とかになったら空中に自宅でも作れそうだ。


そして空中でアレクと……

ふっふっふ。

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― 新着の感想 ―
[一言] >親指と人差し指で作った円の中にクタナツが四つぐらい入りそうなほど高い。 高所恐怖の人間としてはこの描写だけでヒエッとなりました もし落ちたらって考えただけでもうもうもう……
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