表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
201/1075

スパラッシュの愚痴とお礼

その日の夕方、スパラッシュさんが訪ねてきた。


「坊ちゃん、先日はありがとうごぜぇやした。お陰様で命拾いしやしたぜ。」


「いやいや、スパラッシュさんなら問題ないだろうとは思ったんだけどね。数が多かったから念のためね。」


「助かりやした。あいつらを見捨てて逃げようと考えていた矢先だったんでさぁ。」


「意外だね。スパラッシュさんでもそんなことがあるんだね。」


「いやー、あいつらと来たらひでぇんでさぁ。自分のことしか考えてやがらねぇんで。冒険者のマナーも守りゃしねぇ。一人だけまだマシな奴もいやしたが。」


「あの人達って何等星? どんなマナー違反をしてるの?」


「あれで八等星でさぁ。獲物は獲りっぱなし、埋めやしねぇんで。魔石の取り出しも汚いんでさぁ。下手くそな解体しやがるもんで余計な魔物が寄って来るってわけで。少し土を被せておけば違うものをそれすらしやがらねぇ。全く最近の若ぇもんは。

そこいくと坊ちゃんはあれだけの魔物をきっちりと処理なすって! ご立派ですぜ!」


「あはは、面倒だったよ。やっぱ放っておいたらアンデッドになっちゃうかな?」


「それもですが、他の魔物が食っちまって成長されるのが厄介なんでさぁ。例えばゴブリンが他のゴブリンを百匹食うと上級ゴブリンになるって話がありまさぁ。」


「へぇー。じゃあもしゴブリンがオークやオーガなんか食べたらすごいことになるのかな?」


「そんなの聞いたことはねぇですが、あり得る話ですぜ。」


やはりスパラッシュさんは物知りだな。とても参考になる。しかもお礼を言うためにわざわざ来てくれるなんていい人だ。とてもいい人だ。


「さあさあ夕食の時間ですよ。スパラッシュさんも食べて行ってくださいな。」


「こりゃ奥様、一言お礼申し上げたら帰るつもりが長居しちまいやして。」


「うふふ、今夜はすごいわよ。よかったわね。」


先日に引き続き魚料理だ。しかもウンタン、サカエニナ、ホウアワビもある。

醤油とワサビが欲しくてたまらない。

ちなみにキアラは魚は食べるがウニなどは嫌がって食べない。


「こいつぁすげぇ。一体どうしたこってすか!?」


「カースがね、海まで行って買ってきてくれたのよ。私も久しぶりに魚を食べられてご機嫌なの。」


「海ですかい!? 坊ちゃんはどうやっ、いや聞いても仕方ないでさぁね。ありがたくいただきまさぁ。」


マリーの料理はやはり絶品だった。

私も母上もスパラッシュさんも大満足だった。

ちなみにスパラッシュさんからはお土産にオウエスト山の果実を貰った。話に花が咲いていたので出し忘れていたらしい。

スパラッシュさんはそれを絞ってジュースにもしてくれた。

そこまで甘くはないがどこか郷愁を感じる味わいだった。たぶんアケビに近い味のせいなのだろうか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
i00000
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ