コカトリスの軟骨
「ただいまー。」
「おかえりなさいませ。今日はお早いお帰りですね。」
「うん、昨日のコカトリスの軟骨を取りに行っただけなんだ。ところでこの軟骨なんだけど、一口より小さく切ってから油で揚げて欲しいんだ。できる?」
「フリッターでしょうか? それならできますが。」
「うーんあんなに衣が厚くない方がいいな。衣がなくてもいいぐらいだよ。」
「承知しました。やってみましょう。」
「ありがとう! 夕飯を楽しみにしてるね!」
それまで風呂に入っておこう。
まだ明るいから露天風呂はだめだな。
そして夕食。今夜は父上も帰ってきている。
「おっ、これはうまいな! 軟骨を揚げたのか! エールによく合うじゃないか!」
やはり好評だな。キアラには硬いかな?
「初めての獲物がコカトリスなんて運が良かったよ。おいしいね!」
「おっ、がんばってるじゃないか。偉いぞ!」
「ちなみに今回は軟骨しか持って帰らなかったけど、他においしい部位ってある?」
「私は新鮮なレバーがいいわね。」
「私はモモだな。あれは小さく切って焼いて塩をかけるだけで美味いんだよな。」
「キアラには柔らかい肉を取ってきてやるからな。」
「ありがとー楽しみにしてるねー。」
現在の所持金は金貨二十枚近くか。子供が持つ金額じゃないな。
でも、これであの相談ができる。
「ねー母上、昔貰った循環阻害の首輪なんだけど、もう効かないんだよね。
何か効果的なやつはないかな? お金は用意できると思うから。」
「さすがね。じゃあ用意しといてあげる。たぶん来月には手に入ると思うわ。金貨五枚ぐらいかかるけど持ってるかしら?」
「うん、あるよ。じゃあお願い。」
そう言って私は金貨を五枚渡す。
この際だから防御も固めよう。守りの魔法と合わせればさらに万全だろう。
循環阻害の首輪はキアラにプレゼントだな。
キアラの修行はどうなんだろう?
うまく進んでいるのかな?