表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
134/1075

カースは誘われる

翌朝、いつも通り起きて学校に行く。

いつもと違うのは大人しく馬車内に座っていることだ。普段は雨でなければ走ってるもんな。


「いってらっしゃいませ。」


マリーが声をかけてくれる。

気が重い。帰りたい。くそ、もしかしたら小学校を休むクソガキ達もこんな気持ちだったのか。

もしそうだとしたら私はますます休むわけにはいかない。あんな身勝手な奴らと同列になるわけにはいかないのだ。


「おはよう。顔色が悪いわね。」


サンドラちゃん……

あぁ、短く切り揃えた金髪が今日も知的だ。


「おはよう。こんな時でも学校に来る僕ってやっぱり青春だよね。」


「おはよう。結局昨日の魔法の正体を聞いてないよ。昼休みに教えてよね。」


セルジュ君……もちろん教えるよ。


「おはよう。剣鬼様の話がまだ途中だからね。きっちり聞かせてね。」


スティード君……もちろん聞いてもらうよ。


「バカース! 今週末はうちに来なさい!」


「うちって? アレックスちゃんの家? それは嫌だよ。」


「えっ? 嫌なの!?」


いかん! アレックスちゃんが泣きそうだ!

つい反射的に言ってしまったが、騎士長の家だぞ? 行きたくないに決まってるだろ!


「いや、そんなことはないよ。ついうっかり本音が出てしまっただけなんだよ。みんな行くよね? 喜んで行くさ。」


「あーごめんなさい。私は今週末は用事があるの。」

「僕も遊びに行く約束があるから。」

「僕も父上に新しい剣を買ってもらう約束なんだ。」


くそ、みんな上手く逃げやがった!

私一人で行くのか!?


「じゃあカースは来てくれるのね?」


「う、うん。喜んで行くよ。」


「じゃあデメテの日の昼前に来なさいよ! お腹を空かせて来るのよ!」


くっ、絶対アレックスパパがプレッシャーかけてくるパターンだろ!

うちのアレックスは渡さん! とか言うんだ。

こうなったら育ちの悪い子供だと思わせて、二度と来るな! と言わせてやる! いや、でも父上の上司だし……どうすればいいんだー!?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
i00000
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ