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十月十三日、早朝

朝になり城門が開く。

イザベルを乗せた馬車が帰ってきた。なかなか不自然な光景ではあるが『昨日出た者が今日帰って来て何が悪い?』門番は心の中でそう考えて「おかえりなさい」の一言で馬車を迎え入れる。

二十四時間ぶりの帰宅となった。


二人の帰宅を待ってオディロンは治療院に出かける。


「カース、起きてるかい?」


「おはよう。すっかり元気になったよ。自力で歩けそうだし、お腹も空いたよ。」


「よーし、じゃあ先生に診てもらおう。帰っていいかどうか聞かないとね。」




「調子が良さそうだね。歩けるのなら帰っていいよ。最後に回復しておこうか。」


「ありがとうございます。助かりました。」


「で、一体何事が起こったんだい? かなりひどい状況だったけど。」


「いやー僕にもさっぱり。まあ父上に任せておけばいいと思います。」


「それもそうだね。よし! 終わり。歩いてみて。」


足の筋肉がすっかり萎えてしまったのだろう。まるで自分の足ではないようだ。それでも歩けないことはない。

しかしカースは兄の無事が嬉しく、甘えたい気分だった。


「オディ兄、おんぶしてよ。」


「いいよ。カースをおぶるなんていつ振りだろうね。」


こうして二人はゆっくりと自宅へ帰っていった。ちなみにフェルナンドに貰った籠手は運び込まれた時から今に至るまで、ずっと装着されたままである。

不思議なことに誰一人として外そうと考えなかったのだ。

それがどの程度自らの身を守ったのか、回復を助けたのかカースには分からない。


こうして何日かぶりに自宅へ帰ることができた。イザベルも張り切って治癒魔法を使うことだろう。

学校では今まで休むことのなかったカースが何日も休んだことで、今日あたり誰か訪ねてくるかも知れない。

カースは再び平穏な日々を取り戻すことができるのだろうか。

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