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十月十二日、朝

キアラの泣き声で目を覚ましたのはオディロンだった。


「ははうえーマリーどこー! ここどこー!」


「ん? キアラ? なぜここに?」


オディロンも昨日の今日で頭が働かない。


「オディロンおはよう。キアラちゃんは私が面倒みておくわ。」


「ベレンちゃん。顔色が悪いよ。寝てないんじゃないの?」


「そうでもないわ。それに貴方の顔色よりかなりマシだと思うわ。」


「それもそうかな。じゃあお願いしていい? キアラ、このお姉ちゃんが遊んでくれるぞ。よかったなー。」


「ははうえは? マリーは?」


「二人で遊びに行ったんだよ。だからキアラもこのお姉ちゃんと遊びに行くといいよ。」


「えーずるい! わたしもいくー!」


「ずるいわよね? だから私達も一緒に遊びに行こうね。」


「うんいくー。お姉ちゃんだれー?」


「私のことはベレンって呼んで? お兄ちゃんのお友達よ。」


こうしてベレンガリアとキアラ、異色の二人組は早朝のクタナツへと出かけて行った。

どこで何をして遊ぶのか、それが問題だ。


そしてオディロンは再びカースの横に座りウトウトと船をこぐ。

カースが一度目覚めるわずか三十分前の出来事だった。





そして現在は夕方。

カースは再び目を覚ました。




「……だれか……いる?」


蚊の鳴くような声で誰かを呼んでみる。

ようやく声が出せたぞ。首も動くな。


「おはよう。やっと喋ってくれたな。」


「オディ兄……大丈夫なの?」


「ああ、カースのおかげで元気だよ。人のことよりカースはどうなんだ?」


「暑い……痛い……だるい……喉が渇いた……」


「待ってな、先生を呼んでくるから。」





「起きたかな。喋れるようになったって? 気分はどうだい?」


「……よくないです……」


「そうかいそうかい。じゃあ回復させようね。」


やはり暖かい何かが全身に広がっていく。

これが回復魔法、治癒魔法か……





カースは安心感に身を委ね、再び眠りについた。


その後、遊び疲れて眠っているキアラをおぶったベレンガリアが治療院にやってきた。オディロンはキアラを連れて自宅へ。ベレンガリアはカースに付き添っている。

一番大変なのはベレンガリアかも知れない。

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