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異世界金融【改】 〜元教師は転生したら働かなくてもいいように無双する〜  作者: 暮伊豆
第三章

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パーティー前夜

結局ダミアンはいなかった。賭場に居た奴も知らないらしい。今日は見てないと。もしかして真面目に仕事でもしてるのか?


なお手本引きでは銀貨三枚ほど勝った。負けるよりはいいかな。

よし、アレクを迎えに行こう。でもうーん、明日のパーティーどうしよう……我が家でいいか。別に盛大にやらなくても私達だけでしっぽりと楽しむのも手だ。




さてさて、魔法学校の校門前でアレクを待つ。すでに『伝言(つてごと)』の魔法で私の到着は伝えた。まだかなまだかなー。

いつものことだが、ここでアレクを待つ時間って結構幸せなんだよな。待つ時間もデートのうちってこのことだな。ふふ。


おっ、ぼつぼつ生徒達が出てき始めたな。そろそろだ。


ん?


なんだかすごい集団が……まさかあの中心は……アレク! いつもに増して取り巻きが多いぞ……

あ、原因は……あの装備か!


「カースー!」


「アレクー!」


それでもアレクは私を見つけると猛然と駆け寄り飛び込んでくる。私の胸へと。うーん、いい香り。そして健康的で艶めかしい脚。コバルトドラゴン製のウエストコートにミニスカート、見ようによってはカジノのディーラーだな。制服じゃなくてもいいのか? この脚線美に野郎どもは目を奪われて夢遊病患者のように後を付いて歩いてるってわけか。罪な女の子だぜ。


「やっぱりよく似合うね。流行の最先端を走ってるね。」


「恥ずかしいわ……実技の授業があったから、試してみたの。放課後はカースにも見てもらえるし……」


「効果はどうだった?」


聞くまでもないとは思うがね。


「ええ、ほぼ無敵だったわ。反則すぎるわね……」


「だよね。でもアレクとお揃いの服装で嬉しいよ。」


「私も……同じドラゴンから仕立てたウエストコートだなんて。王族並みの贅沢だわ。いつもありがとうカース。」


生足は剥き出しだから、そこの防御は考えないといけないよな。胴体の防御を考えないでいいのはかなり有利だけどね。


「どういたしまして。ところで例のドレスも二着ほどできてたよ。早くアレクが着たところを見たいよ。」


「私も楽しみよ。あっ、それでね、明日なんだけど……」


「うん。うちでパーティーってのもいいかと思ってるよ。」


「それがね、ダミアン様が昼過ぎにコロシアムに来て欲しいそうよ。」


「ダミアンが? まさかコロシアムでパーティーってわけでもないだろうし。何事だろうね。」


「そのまさかよ。ドレスアップして来いって……」


マジか……ダミアンの奴、そこまでやってくれるのか……


「そういうわけだからみんな。よかったら明日コロシアムに来るといいわ。新しいドレスを披露するわよ?」


「アレクサンドリーネ様ぁー!」

「お足が美しい……」

「絶対行きます!」

「新しいドレス……ゴクッ……」

「まさに女神っ!」


野朗どもが熱狂している。さすがはアレク。ウインク一つで、この世を渡る……違う、美貌と頭脳と血筋と家柄と魔力でこの世を渡る……だな。




さて、我が家に到着。明日はアレクの成人祝いか。楽しみだな。さすがダミアン、手回しがいいじゃないか。


「おかえりなさいませ旦那様。そしてお嬢様、成人おめでとうございます。元アレクサンドル家メイド長として嬉しく思います。」


「ありがとうマーリン。これからもよろしくね。」


なんと。マーリンにはそんな過去があったのか。やるもんだな。


「じゃあ今夜は前祝いだね。ご馳走を頼むよマーリン、リリスもな。」


「ええ旦那様。腕を振るいますとも。」

「はい。おめでとうございます。」

「ピュイピュイ」

「ガウガウ」


コーちゃんはおめでとうと言い、カムイは肉はまだかと言っている。




夕食後。私の部屋でアレクにドレスやキャミソールなどを渡す。


「さあアレク。これがこの間注文したやつだよ。明日はどっちか着てみてね。」


「ありがとうカース……すごいわこれ……ため息が出そうなほどうっとりしてしまうわ。プルシアコバルトのルーブ・ル・ラングレーズとゼラニウムレッドのルーブ・ラ・ポロネーズね。こんなにも素敵なドレス……本当にありがとう……」


さすがアレク。色の名前からドレスの名前まで見ただけで分かるのか。それにしても喜んでもらえて嬉しい限りだ。


「普段はこっちも着てみてね。」


「もう……カースったら……こんなに肌を出した服を着せるなんて……」


チューブトップにキャミソールだもんな。ここらじゃ娼婦でさえもそんな格好で外を歩くことはないだろうからな。でも、アレクが率先して行えばきっと流行る。肌を見せることがステータスという風潮が。あ、マリーにビキニを頼んでおかないとな。


こうしてこの夜はアレクに新しい服を着せることと、脱がすことを楽しんだ。素晴らしい夜だった。

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