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チートなサムライ二人目23


 クエストは、


『魔金属蒐集』


 それを、クロウたちは十全に果たした。


 余った素材はギルドに売った。


 大量のクレジットが襲い、クロウたちは高級ホテルのレストランで、食事と相成った。


「なんかもう開いた口がふさがりませんね」


 アイナが言った。


 テーブルマナーは完璧だ。


「あう……非常識……」


 適確なローズの言葉。


「小生はまだまだですけど」


「ソレを言うか」


 クロウとイズミの会話。


「実際御大には届きませんし」


「御大?」


「なんでもございません」


 サクリと言って食事をする。


「それよりクロウ」


 イズミはワクワクといった様子だ。


「決闘やるぞ」


「ああ、模擬戦……」


 少し記憶から抜けていた。


「とりあえずギルドには通知した」


「ブッ」


 噴飯。


「何故に?」


「盛り上がるだろ?」


「名誉や栄光は好きじゃないんです」


「知らん」


 断ずるイズミ。


「そのせいでローズを殺しかけたことがありますし」


「そうなのか?」


「お兄ちゃんは……心配性だから……」


 マナー正しく食事を取るローズ。


 フォアグラを咀嚼する。


「ですから大勢に喧伝するのは……」


「無理」


 一言で切って捨てられる。


「もうギルドも動いてるし」


「は~……」


 長い溜め息。


 ギルマスとの戦いでも、客が集まったのだ。


 まして、


「イズミと」


 ともなれば話題性は十分だろう。


「戦うだけで良いじゃないですか」


「他者の目があった方が引き締まるだろ?」


「否定はしませんが……」


 ――それにしても。


 そんなところ。


「クロウ様」


 とアイナが語りかけてきた。


 念話だ。


 感応石のイヤリング。


「勝てますか?」


「絶対とは言えません」


 クロウの本音だ。


 実際イズミの剣は、常軌を逸している。


 Sランクも伊達ではない。


「けれどもクロウ様も……」


「ギルマスとは確かにそうですけど」


 イズミはそれ以上だ。


「絶対勝てる」


 とは言い難い。


「それほどの相手ですか……」


 アイナは念話で戦慄した。


「実力は見たでしょう?」


「それは……ええ」


「どっちが有利だと思う?」


「難しいですね」


「結局そういうこと」


 その通りではあるのだ。


 クロウにしろ、イズミにしろ、Aクラスのダンジョンを、鎧袖一触にする。


 その点で言えば、


「苦労はしますね」


 それもまた現実。


「クロウ様は……」


「何か?」


「勝つ気でいらっしゃるので?」


「難しいところですね」


 実直な、それがクロウの感想だった。


「勝っても負けても負の財産が残りそうです」


 事実その通りだろう。


 であるため、


「決闘をどうするか?」


 そこにクロウは頭を使っているのだから。


「ちなみにクロウ?」


 口頭でのイズミの言葉。


「手加減したらぶっ飛ばすからな?」


「ですって」


 念話でのアイナの言葉。


「畏れ入ります」


 他に言葉は選べなかった。


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