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チートなサムライ二人目02


 何でも、


「大収穫」


 だったらしい。


 アイナに言わせれば。


 さすがに最難関だけあってドロップアイテムはどれも貴重。


 ギルドが高値で買ったとのこと。


 一応状況は、


「アイナとローズのおかげ」


 と記載されたが、真っ赤な嘘だ。


 とはいえ、


「クロウが気にくわない」


 という連中には福音だろう。


「強力な魔術師の補助を受けて生き残った前衛」


 そんな評価。


 別に気にするクロウでもないが。


「特に鋏が高値でしたね」


「でしょうね」


 シザーマンのドロップアイテム。


 半年ほど遊んで暮らせる金銭が手に入ったとアイナは言う。


「ソレは凄い」


 と心ない賞賛。


 基本的に金銭に興味を持っていない。


 メイドとして給料を貰っているが、給料は金庫に封入したままだ。


 アイナの魔術結界で防護されているため、大陸でも有数の堅牢な金庫と相成る。


「本当に折半で良いのですか?」


 正確には折半ではないが、この場合はクロウとアイナとローズで金銭を等分に分けることを指す。


「構いませんよ。別に必要最低限の金さえ入れば異論はありません」


 金銭欲がない。


 山育ちだから一種の業だ。


「水は川で」


「食べ物は狩猟で」


 前世でも鞍馬山を駆け巡り、命を食べてきた。


 今世では鬼ヶ山を駆け巡り、命を食べてきた。


 であるから、金銭がなくとも生きていける人材だ。


 狩衣を着ているのも、


「あくまで体面上」


 とのことだ。


「いいならいいんですけど……」


「お兄ちゃんは……無欲……」


「にゃはは」


 軽く笑う。


 実際に図星だった。


 大金を貰っても欲しい物がないのだ。


 日本刀は売っていないし、金でモンスターが狩れるわけでもない。


 名誉の問題もある。


 であれば、


「まぁついでに小生の金もそっちで管理してくだされば」


 とのこと。


 干し魚を食べながらクロウは言う。


「ん~。美味しいですね」


 魚は武士の魂だ。


 単に漁業に恵まれているだけだが。


 セントラルは神王皇帝四ヶ国に囲まれているため、他の国よりレパートリーの点で恵まれている。


 貝の味噌汁を飲む。


 旨みが凝縮されて得も言われぬ満足感。


「さすが貝」


 といったところ。


「お兄ちゃんは……魚介が……?」


「大好きです」


 あと大豆も好きだ。


 納豆とか。


「そうなんですか……」


「とりあえず何年かは遊んで暮らせる金銭は得たんですよねぇ」


「では働かなくて良いと?」


「教授としての立場はありますので」


 それを丸投げしてダンジョンに潜ったエルフの言うことではない。


 気持ちは分かるが。


「また機会があればダンジョンに潜りましょう」


「クロウ様に言われると安心感が付いてくるので不思議ですね」


「無理クラスでも構いませんよ?」


「せめてもう一人前衛が居ないと……」


 そゆことらしい。


「Sランクの冒険者もいるのでしょう?」


「だいたいは傭兵をやっていますが」


 セントラルが神王皇帝四ヶ国の支援を受ける以上、その四ヶ国をフォローする立場にある。


 特にSランクの冒険者は傭兵として雇われ、市民の自由と権利を守る義務が発生する……というのが通念。


 クロウは冒険者ではないので此処に含まれない。


「色々大変なんですね」


 と完全に他人事だ。


 元よりスタンスは変わらないが。


「好きにやってちょうだいな」


 そんな感じ。


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