森の中
街から離れた所にある森の中。シャダルとファールは歩いていた。
「四天王のファール?だったよな?」
ゲームのなかの四天王の名前を思い出す。その中でシャダルは赤色の髪の妖魔の女の名を思い出した。
(ストーリーはあんましやってないから…名前はうろ覚えなんだよなー…ステを極めるの中心だったかわ…)
「……………」
返答は無言だった。だがあの騎士らしき人間が四天王と言っていたし間違いないだろうと思った。
「なんで捕まっていたんだ?」
シャダルは歩きながらファールに問いかける。
「…………………」
ファールはまた口を開かずただただ歩く。
「お願いだから口を聞いてくれないかな…一応助けた身なんだし……」
シャダルはゲームの内容を思い出していた。魔人族は人間を狩りの道具としていた。そして人間の土地を奪い略奪をしているときに1人の紋章を持つ勇者が現れる。
(それがゲームの主人公な訳なんだけど)
その勇者は紋章の力をもちいて魔人王をなんとか討伐し魔人族をしりぞけるはず
(だよな……)
「さっきの騎士らしき人間の話からさっするに魔人王は討伐されたのか?」
その言葉を言うとファールは目の色をかえた。
「お前達人間が我が王を倒した。お前達人間の自己中心的な考えで、そして魔人族の大地にまで侵略してきているっ。人間はこの世界で一番憎らしい存在だ」
「それはお前達が人間の領土を奪おうとしたからだろ?だから人間が魔人討伐を掲げたんじゃ……」
「ちがうっ!!」
最後まで言い切る前にファールは言いはなった。
「人間どもは我が魔人族にやどる肉体の一部を使用してマジックアイテムを作る。そしてそれを作るために我が魔人族を捕まえて殺していた。我らはそんな人間から魔人族を守るために人間を狩ってきたのだ」
(そう言われると町で売っている高級マジックアイテムは魔人の効果が現れるものがあったな……ゲーム内ではあまり気にはしないものだったけど魔人族から見ると人間を敵と認識するわな…)
ゲームの中では人間が主人公である。そして人間主体の考えの元ゲームはすすむ。当然人間を襲う魔人族は敵となる。だがファールの 言う事が本当であるなら魔人族が本当に悪なのではないのだろうか?と思った。ファールはシャダルに言う
「この先が魔人族の土地だ。助けてもらったことは感謝する。ただ人間がしてきた事、そしていましている事を私は許すつもりはない。私は私の命有る限り魔人の地を守って見せる」
「あっ待つんだ……」
シャダルが言葉を発する前にファールはそういって森の中を進んで行ってしまった。
(話からするとあからさまに人間のが悪く聞こえるよな……ゲームのストーリーでも魔人王討伐はあったはずだけど理由は人間を襲うからだったもんなぁ……そりゃ魔人族からすれば襲われて人間のアイテムに利用されてるとしれば当然人間を滅ぼそうとするはずだし…ゲームは一人称だから現実とは違うのか……)
たちどまり少し考える。そして悩む。森の中を自分1人。
(ファールはこの先が魔人族の領土と言っていたし……いってみるか…)
シャダルはファールの消えていった先を後を追いかけるように進んでいった。