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神の紋章を持つもの  作者: アギニャ
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魔人と騎士

「断罪の場はあっちかー。にしても断罪の場っていかにもって感じだよなー」

シャダルは歩きながら考える。

「マニュアルみたいなものがあればなー。って。うぉっ」

マニュアルがほしいと思ったら目の前に本が現れた。その中には紋章の説明。アイテムや魔法の使い方等

「ふむふむ。にしても本当に便利だな」

読みながら目的地へ歩いていると遠く先にて凄い騒音が聞こえた。そして暫くするとはるか先から赤色の髪の妖女が走って来た。

「おぉー初のキャラとのご対面っって???」

赤色の髪ことファールがシャダルにむかって攻撃をしてきたっ

弱まっているとはいえ四天王である。

普通の人間なら手も足もでないはずなのだが相手が悪かった。

「おおっ。うぉっ。いきなりイベント的な事かよっ」

魔人の攻撃をするりとかわしたシャダルはジャンプして後ろに離れて考える

「ここ人間の街だよな…で魔人族が目の前にいる。強さは………って」

魔人はシャダルへの攻撃をやめない。

「人間っ。邪魔をするなーっ」

懐に入り込んで攻撃しようとするものの当たらない。

「何故だっ。何故当たらないっ(怒)」

「何故って言われても、ねぇ」

(攻撃がスローに見えるんだよな……これならあたるほうが難しいよ…)

実際スローになっているわけではないのだがシャダルの速さによる洞察力が極まっているからそう見えてしまうのである。

(怪我してるのか?)

脇腹から血が流れている。腕や足も傷まるけである。

(まさかっ、赤色の髪だし魔人族だし、来た方向も断罪の場のほうだし……)

「お前っ四天王か??」

攻撃を避けながら話しかける。

「何をいまさらぁーーーーっ!!……………っ!」

はるか遠くから光の矢がとんできてファールの腕を貫通したっ。

「今だっ。取り囲め!!」

10人くらいの衛兵達が魔人を取り囲む。その中心には騎士らしき人間もいた。

「ポイズンドラゴンには正直驚いたがその程度で逃げられると思うなよ魔人族よ…いや四天王ファールっ」

騎士らしき人間は魔人ことファールにむかって言いはなった。

(やはり四天王か……光の矢はさしづめシャイニングアローってことだよな…でなにかしらの理由で処刑から逃れて逃げて来たってことか…四天王ならコイツらくらい余裕だろ……何故だ?)

シャダルはいろいろ考える四天王はかなり強かったはず…周りの衛兵は30lv程度で騎士らしき人間でも50程度に見える。

四天王は60以上はあるはず。レベルが全てではないかもしれないがここまで追い込まれるはずはない。

「くっ!魔人王様さえ亡くならなければ……」

膝をつきそれでも這い上がろうとするファールを見て考える。

(魔人王はいない世界なのかっ…なら王の加護がないから弱体化しているって訳か…)


「おいっそこの冒険者よ。足止めご苦労であった。そこから離れていたまえ」

騎士らしき人間にそう言われる。

「一般市民に被害がでぬよう封印石を使っていたが、今更使う必要もないな、ここで処刑してやるっ」

衛兵は魔力を込め術式を唱え始める。すると騎士らしき人間の剣に光のエネルギーがたまっていく。


「助けてあげたのにぃ、またピンチになってるよ……」

少し離れた建物の上からフードの1人が見ている。

「あの冒険者を無視して逃げればよかったのにね…」

さらにもう片方のフードが答える。

「あの冒険者多分かなり強いよね。でも殺意は感じられない。」

「どうする?助ける?」

「うーん…今助けると私たちまで危なくなりそうだし…」

フードの二人は建物の上から見てるだけだった。


シャダルは少し気になって騎士らしき人間に話しかける。

「あのー騎士さん。魔人王が亡きこの世界だったら何故捕まえて殺そうとするの?」

シャダルは騎士らしき人間とファールの間に立ち質問する。

「どけっ冒険者よっ。いまわしき魔人族など滅ぶべき種族、それだけよっ」


「ふーん……なんか理不尽だな…」

少しムッとするシャダル。後ろをむくとファールは地面に魔術によっておさえつけられていた。

(そういえばこのゲームの世界に来るとき自由にしていいって言っていたよな…)

「よしっ決めた。俺はこの魔人を助ける。」

「何を言っている。どかないとお前も剣の餌食となるぞ、まさかっファールの洗脳をくらったのか?」

騎士らしき人間は少し戸惑うが人間1人の命を救うより四天王を倒すのが優先であると認識した。

「………」

ファールは洗脳などしていない。そもそも攻撃すら当たらない相手に洗脳魔術など聞くはずもないと知っていた。

が冒険者の言っている言葉が理解できないでいた。

(何故助けるのだ……)


衛兵の術式詠唱が終え騎士らしき人間は攻撃の態勢をとった。

「仕方がないか…それではゆくぞ。6式光竜陣ーっ竜光殲滅矢っ!!」

衛兵の術式詠唱の力を剣にため、剣をふることにより剣から光の竜の形をした矢がファールめがけてとんできた。

「ズドドォォーーーン」

その威力は凄まじく稲光をともないシャダルとファールに直撃した。

辺りは砂煙が舞い放電状態となっている。

「跡形もなく消えたか……よし城に戻るぞ」

騎士らしき人間は衛兵に指示をだすと今の場所を後にしようとした。


だかそこには1人の人間が立っていた。

「初めて魔法くらってびっくりしたーっ(汗)しかも6式とは………」

そこにはシャダルがいた。傷一つついてない状態で

魔人は黒い結界らしきものに包まれていた。

「何故魔法をくらって生きていられる?」

騎士らしき人間はあっけにとられていた。それもそのはず、魔法には10の分類があり1式から10式まである。

数字が増えるほど威力は上がり5式以上は1人で詠唱をすることができる人間はそう多くはなく、騎士らしき人間がとなえるのも衛兵の術式詠唱を重ねることで放ったくらいなのである。

それを直撃したシャダルは傷一つどころか先ほどと何もかわっていない様子だったからである。

「何故と言われてもねー…うーん。知らない、そんでこの魔人の子訳あって貰ってくね」

シャダルは黒い結界の中にいるファールに話しかける。

「僕に魔人族を案内してくれないかい?」

黒い結界に包まれているファールは何が起きたのか理解出来ていなかった。先ほどの魔法により死んだと思っていた身体はまだ残っていたのだ…

そしてこの黒い結界の中には治癒の能力があるのか傷が徐々に癒えている事に気付いた。

「…………(これは闇の力……)」


「おいっ冒険者よっ。そんなことをしてただですむと思っているのか?」

騎士らしき人間がシャダルに問いかける。

「ただですむも何もそっちが魔法ぶっぱなしてきたんだろーが(怒)自分の身を守って何が悪い」

間違いなく正論で答える。

「わかった。今なら見逃してやるから引き渡すのだ。さもないともう一度くらうことになるぞ」

すかさず衛兵が詠唱を唱え始める。

「ふぅっ。めんどくさいっ。俺はこの魔人の子と魔人族に行くっていってんだろ」

「ならくらうがよいっ」

騎士らしき人間も剣を構え詠唱を唱え始めた。

「ふーん。ならいいや暗黒の剣よっ、我が手元にっ」

シャダルが言うと右手に黒くいかにも呪われていそうな剣があらわれた。

(威嚇には8式くらいでいいかな)

「術式展開っ」

するとシャダルの周りに見たこともない魔法陣が現れた。

(まさかっあの術式は暗黒術式?)

ファールには見覚えがあった、それもそのはず魔人王が使っていた魔法である。


「なななっ、詠唱もしずに術式だとっ!しかも見たこともない複雑な術式を組むとはっ」

騎士らしき人間はあっけに取られてしまっていた。その術式は見たこともない術式だが間違いなく複雑な術式であることには間違いない。

しかも6式以上の術式である。

「ぶっぱなしてきたんだろーからこっちもぶっぱなしていいんだよねー」

衛兵達は腰を抜かしている。どうみても今の自分達では敵わないと騎士らしき人間は悟った。そして衛兵達に退くように命令した。

「降参だ。どこへでもいくがいい」

その言葉をきくとシャダルは術式を解き、暗黒の剣をしまった。

「ごめんねー。ワガママいっちゃって」


「それじゃあ行こう魔人の子っ」

黒い結界をとき、魔人に語りかける。

黒い結界のおかげで人間につけられた傷は癒えていた。

だまる魔人を連れてシャダルは街からでていくのであった。



「やっばーい。みたみた?」

フードの1人が建物の上から話しかける。

「暗黒の剣って伝説武器だよね…しかも8式を詠唱しずに展開してたし」

もう片方も驚いた様子で話している。

「しかも人間から助けるなんていっがーいっ」

「だよねーっ。かわった人間もいるねー」

「着いていってみよーょ」

「いこー」


建物の上にいた二人はばれないようにシャダルの後を着いていくのであった。




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