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便利屋オーリが世界を救うまで  作者: 匂坂 幾人
機械の国編 -一人ぼっちの少年-
9/34

「さてと、おまたせ。ネオ」

「待ってましたー!」

 腹八分になった所で、データベースへの接続を試みる。

先程から思っていたが、ネオがやる気に満ちている。何かあったのだろうか。

「なあ、ニコル。ネオのやつどうしてこんな乗り気なんだ?」

「データベースを見ればネオの事もわかるかもって言ったら、張り切っちゃって」

「自分の事を知りたいからか。でも、名前もわからないんじゃ得られる情報は少ないんじゃないか?」

「あー……」

 そこまで考えてなかった、と言わんばかりに目を逸らすニコル。

データベースにアクセス出来たとして、自身のデータが無いから探しようがないと思うのだが。

「いや、チップを使えば……って、わざわざメモリを消すぐらいなのに、チップを残しておくわけ無いよね」

「俺だったら、存在を消したいものは出来るだけ痕跡を消すな」

「だよね……」

「真相が分かったら探してやろう」

 ネオの事もなんとかしてやりたいが、まずはこの国の事件についてだ。

何を考えて機械化させたかを判明させないと、ネオを連れてきた意味がなくなってしまう。

全容を知れないとしても、何かの手がかりは掴んでおきたい。

「ネオ。機械達のデータベースにアクセス出来る?」

「どうやればいいのかな?」

「ここの機材をつけて──」

 ニコルがネオに動作を教えつつ、データベースへの接続を試みる。

 近くの液晶にコードが繋がっている所を見ると、あそこに接続したデータが出るのだろうか。

ニコル達はしれっとやっているが、ネオの接続したものを俺らも見れると思うと物凄いな。

『機械からのアクセスを確認。データベースへようこそ』

「お、できたんじゃないか」

「問題ないみたいだね」

「ここからどうするの?」

「僕が操作するから接続権をこっちに頂戴」

「わかった」

 ニコルが液晶に出てきたものを見ながら、手元にある小さな機材を操作し始める。

何をしているのか全然分からないから、一段落つくまで待つことにする。

それから、十分ぐらいが経過しただろうか。

「……オーリ」

「どうした?」

「これみて」

「…………は?」

 液晶に出ている文字列に、思わず言葉を失った。

ジャックが”この件は機械達の暴走”と言っていたから。

ニコルが言っていた”入れ替わり”が、反乱行動だと思っていたから。 

 見間違えたかと思い、もう一度液晶を見る。

しかし、その文字が変わっている事は無かった。

『人間救出プログラム。住民を機械化し、脅威から守る』

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