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いたい

「おちびちゃんのためになんでもする?いやぁれいむ!素晴らしいぼせいだね!鬼威惨は感動したよ!」


わざとらしく確認する鬼威惨。


「じゃあれいむ。これからずっと動かないでくれよ。」


「ゆ!ゆっくりわかったよ!」


鬼威惨は台所に向かうと、ステンレス製の角バットに水を入れ、れいむのもとへ持ってくる。


「おみず・・・さん?」


「そうだ。れいむ、動くなよ?」


鬼威惨はれいむを掴みあげると、水の入ったバットに浸す。


「っっ!ゆっっ!」


ひやりとした冷たさ、あんよの溶ける痛みがれいむを襲う。


「れいむが溶けるまでそのバットから逃げなかったら、最後の赤ゆは助けてやろう。」


「とっ!とけるまで!?れいむえいえんにゆっくりしちゃうよ!?」


「そうだな。」


「おちびちゃんとすーりすーりできないよ!?おうたもうたってあげられないよ!?」


「なんでもするって言ったろ?」


「だげど!だげど!」


「れいむの母れいむも、そうやっておまえをかばったんだろう?」


「っ!??どっどうじで!?」



どうして知っている?確かに昔そんなことがあった気がする。母れいむの最後。最後に何と言っていたっけ。



「あとはそうだな・・・れいむが溶ける前に赤ゆが落ちて溶けたら、れいむは助けてやるよ。」


それはだめだ!おちびちゃんだけは絶対に助けなければ!


そうだ。すべてはおちびちゃんのため。頑張らなくちゃ。すべてはおちびちゃんのため。おちびちゃんのため・・・?




じゃあ、れいむは?



おちびちゃんがたすかっても。



れいむがしあわせーにならないと意味がない!!



「れいむは逃げるよ!そろーり。そろー・・どうじであんよざんうごがないどぉぉぉぉ!」


そう。そもそもれいむは動けない。どう足掻いても、れいむはおちびちゃんのために犠牲になるしかないのだ。


「だずげで!ぼねがいじまず!おちびちゃんなんでいらないがら!れいむをだずげで!」


「だったら逃げればいいだろう?そんなこと言っても、れいむのぼせいは正直だねぇ。」


「あんよざんうごがないんでずぅぅぅぅぅ!」



痛い痛い痛い。いやだ。もっとゆっくりしたかった!こんなに苦労したのに!なぜれいむだけしあわせーになれない!?



「あぁ。その赤ゆのことは心配するな。然るべき機関で、しあわせーに育ててもらうよ。」



おちびちゃんがいればしあわせーになれると思ったのに。どうして。どうして。



「どうじでれいぶじゃなくておまえがじあわぜになるんだぁぁぁぁぁぁぁ!!」



赤ゆを怨み妬みながら、れいむは永遠にゆっくりした。餡子の混じった水を吸い上げながら、赤ゆはすくすくと成長していく。



鬼威惨はれいむのお飾りから白いバッチを取ると、目の開き始めた赤ゆまりさのお飾りに取り付けた。

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