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3/5

このこ

れいむは透明な箱に入れられ、鬼威惨のおうちへ連れて行かれた。


「ただいまーって誰もいないんだけどね。」


鬼威惨はアパートに1人暮らしのようだ。


れいむの入った箱をテーブルに置くと、ガスコンロに火をつける。



「ゆゆ!れいむとおちびちゃんはおなかぺーこぺーこだよ!ゆっくりしないでごはんさんを持ってきてね!たっくさんでいいよ!」


「はいはい。」



フライパンを熱しながらぞんざいに答える。



「れいむはかわいそうなんだよ!しんぐるまざーなんだよ!」



フライパンが十分に熱されたところでゴマ油をフライパンに投入。



「生まれてくるゆっくりしたおちびちゃんのためにも、れいむはたくさんのごはんさんを」



そしておもむろにれいむを掴みあげ、熱々のフライパンにあんよを押し付けた。



「ゆぃぎゃぁぁぁあぁぁぉあぁ!!!!」



れいむの悲痛な叫びとゴマ油のいい香りが部屋中に広がる。


「ゆがっーーーがっーーゆ!ーーっーっーー!!」



悲鳴が声にならなくなったところでフライパンから下ろす。


れいむのしゅんっそく!のあんよは黒く焦げ、もう二度と動くことはなくなっていた。


「れっ・・れいぶのあんよさん・・・?いだいよ・・うごがないよ・・・?」


「まずは一個目。」


鬼威惨はれいむの茎から赤ゆをひとつむしり取ると、同じように熱々のフライパンに押し付けた。


「ゆぴっ・・」


「れいぶのおぢびぢゃんがぁぁぁぁぁぁぁ!」


赤ゆは短い悲鳴をあげ、一瞬で永遠にゆっくりした。


「ぐぞじじぃい!なにじでる!ごろず!ごろじてやるぅぅう!」


れいむのおちびちゃん!あんなにゆっくりしてたのに!どうして!どうして!どうして!!


あんよを焼かれたときより激しい痛みがれいむの餡子を襲う。すぐにでもせいっさい!してやりたいがれいむのあんよは動かない。


「うーん。いい香りだ。さて、二個目。」


鬼威惨は赤ゆを一つむしり取る。


「なっ!やべっ・・・やべでくだざい!おじいざん!どうが!どう」


ぷちっ


鬼威惨が指に少し力を入れる。プチトマトのように赤ゆは潰れ、目玉やお飾りが辺りに散らばった。



「あっ・・・おぢ・・おぢび・・ぢゃん・・・。」


「三個目。」


鬼威惨は串を取り出すと、それを赤ゆの目に突き刺した。


串は寒天の目にあっさりと貫通し、赤ゆの声にならない悲鳴が響き渡る。


れいむの頭の上で今、れいむのおうたも、すーりすーりも、何ひとつしあわせーを感じることなく、ひとつの希望が消えようとしていた。


れいむの希望が。これまで苦労して苦労して。やっと手に入れた幸せのカケラ。それが無残にも壊されていく。奪われていく。


黒ずんだ赤ゆは自然と、れいむの足元に落ちた。


「最後、四個目。」


「おにいざん!れいぶなんでぼじまず!だがらごのごだげは!ごのごだげはおだずげぐだざい!」


「なんでもする?本当?」


「ばいぃぃ!だがら!だがらぁぁあ!」


その言葉を聞きたかった。鬼威惨はにやりと笑った。

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