2
暫く男の話を聞いていたが正直なところよくわからなかった。
日本という国は初めて聞くし、アメリカという国もロシアも知らない。
先ほどの兵士が気狂いと言っていたが、このことなのか思うぐらいだ。
そもそも領主の館に現れただけではなく、あまつさえ暴れたというのだから、ますます気狂いのような気さえする。
するのだが、嘘を言ってるようには見えないのも事実だ。
言葉も所々だが訛りのようなところがあり、それも発音が何となくではあるがこの大陸のものではない気がする。
そんなことを考えていると男が言う。
「てかよ、お前は何やったんだよ?」
質問をかけられる。
「そちらに話ばかりさせてしまってすまない。私はこのレジスタンスに所属しているルゥというものだ。大事なものを届けなければいけなかったのだが……見ての通り、捕まってしまった」
「レジスタンス?……あれか謀反を起こすやつらか」
「待ってくれ誤解してもらっては困る、私達のは正義だ。ここの領主の税金は余りにも重いんだ、それこそ生活がままならないほど。しかし、領主は私達の税金を使って贅沢するだけだ!」
みんなのことを思い出して思わず声が大きくなる。
「だから、大領主様にことの次第を直談判しようとみんなからの密書を受け取ったんだ」
「密書?」
「ああ、税を収めている帳簿、そしてみんな印を押した紙とそれまでのことが書かれた手紙だ」