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6.実践、ギルド登録

ソフトウェア系技術書っぽいタイトルのネタが尽きて来ました。

分かっていたことですが。


3/26 13:30

騎士団の名前を仮で入れていたのを忘れていました。

内容の変更はありません。

 逃げた馬をなんとか連れ戻し、キエフに向かって再び歩き出して一時間、左手に見えていた緑神の森が切れ、前方に農地が見えてきた。

 麦畑と思しき畑が延々と連なっており、自分の乏しいイメージでは北海道のようなとしか表現できない光景が広がっている。

 そういえば、季節や時間、暦のことを聞くの忘れたな。定番の記憶喪失設定で誤魔化しながら、どこかで確認するか。


 長閑な光景だなぁなどと考えながら歩いていると、前方から揃いの意匠で染色され濃い青色をした革鎧を纏った50人位の一団がやってくる。

 難癖をつけられても困るため、街道から少し外れてやや頭を下げて通過を待つことにした。

 が、見逃してもらえなかったようで、先頭のおっさんに声をかけられる。


「そこの者、見慣れない格好をしているが旅人か?武器も持っていないようだが、豚鬼にも野盗にも会わなかったのか?」


「幸運に恵まれたようで、野盗には会いません(・・・・・)でした。こう見えて傭兵を目指してキエフに向かっている所なので、豚鬼5匹には出会いましたが、親切な傭兵の方々と共に撃退することが叶いました。」


 正直に単独で倒したなんて言って主持ちに興味を持たれても困る。適当に誤魔化すに限る。 


「おお、そうであったか。して、その傭兵とは一緒では無いのか?また、豚鬼と遭遇した場所を教えてもらえるか。」


「傭兵のみなさんは東へ向かう途中、豚鬼から逃げる私に気づいて加勢していただきましたが、元々の目的地が東だということで、豚鬼を倒した後は別れました。駆け出し未満の私への餞別といって討伐証明も譲っていただいて。


豚鬼はここから4リグ程街道沿いに東へいったところで遭遇しました。死体を処理するよりも一刻も早く街へ逃げ込んだ方が良いとの助言を受けましたので、死体もそのまま放置してあります。」


「なるほど、良い出会いであったのだな。情報感謝する。儂は青鳩騎士団のレオニードだ。儂らは街道を荒らす豚鬼討伐幸運に向かう所だ。傭兵志願殿も名を教えてくれんかな。傭兵志願殿の幸運にあやかって、疾く彼奴を殲滅してきてくれよう。戻ったら訪ねてくるといい。一杯奢らせてもらおう。」


 む、本来なら関わりたくないところだが、酒を奢ってくれる人間に悪い奴はいない。知らないけどきっとそう。


「コーキといいます。レオニード様。御武運を。」


 騎士達と別れた後は特にイベントも無く、キエフの街に着いた。

 そこには周囲を圧する巨大な城塞都市があり、思わず呆けて見入ってしまう。


 でけえ。その一言しか浮かばない。


 高さ10mはあろうかという街壁の両端が霞んでいる。街道の先にはこれまた馬鹿でかい門があり、門番が2人、槍を持って立っていた。


「すみません、傭兵志願の旅人です。街に入りたいのですが。」


傭兵志願(・・)!?豚鬼の群が出てるっていうのによく無事だったな。」


「ええ、5匹に襲われましたが、親切な傭兵の方に助けていただきまして。九死に一生を得ましたよ。ははは。」


 ここでも同じ言い訳を言っておく。


「いやいや、笑い事じゃないだろう。傭兵志願というなら無謀と勇気は違うということを覚えるべきだ。」


 なんか良い人が多いなあ。


「まだ二十歳にもなっていないだろう。若いうちはとかく自分の力を過信しやすいものだが、地道に実力にあった行動を心掛けるのが生き残るための---」


 ヤバい。説教始まった。ここで実は三十路突入していますとか言えねえ……。

 結局、30分程も説教され、話が社会情勢に対する批判に入りだしたところでもう一人の門番が見かねて助けてくれた。


「やめんか。話が逸れているぞ。いくら暇だからといってやりすぎだ。」


「う、すまんすまん。それじゃあ、コレを腕につけてくれ。傭兵ギルドでギルドカードと引き換えに外せるようになっている。三日以内に外さなければ、不法滞在者の印として腕輪は赤く変色し、追跡の魔術が発動する。」


 頷いて、黒い腕輪を受け取り左手首に着ける。

 魔道具便利だな。俺の技術が活かせるなら面白そうなんだが。

 ともあれ、傭兵ギルドへの道のりを聞いて街に入っていく。道のりっても、門から続く大通り沿いなので迷うことも無いのだが。

 大通りを歩き始めて、感動のあまり思わず立ち尽くす。


 ネコミミーーー!!

 エルフーーーーー!!

 ビキニアーマーーー!!!


 神様ありがとう!生きてて良かったっ!拳を握り締め、天を仰いでいると、ヒソヒソ声と視線が刺さり始める。

 ヤバい。落ち着け俺。

 気を取り直してギルドへ向かう。途中の露天や武器屋、道具屋などは気になったが、今は金も無いし諦める。


 程なく、盾に交差した剣を意匠とした看板を掲げた三階建ての建物を見つける。馬止めに馬をつなぎ入っていくと、右手に窓口カウンターと二階への階段、左手に掲示板と飲食スペース(酒場?)がある。


 とりあえず窓口だな。モチロン、エルフの受付嬢のところにいく。


 エルフの受付嬢はチラリと腕に目をやり口を開く。


「初めての方ですね。依頼ですか?登録ですか?」


 声もいいっ。


「登録をお願いします。」


「それでは、こちらに手をおいて、名前、年齢、性別、特技、犯罪履歴を仰ってください。偽りを仰った場合には記録されないため、無し、または秘匿したいと仰ってください。ただし名前、犯罪履歴を偽る事はできません。通名使用を望む場合は通名を仰ってください。通名使用時はギルド職員のみ本名を知ることになりますが、ギルド職員は誓約に縛られるため、本名ほかの情報を他者に開示することはありません。」


 一息に説明をしながら、青く鈍い光を放つ板(?)を出してくる。


「名前はコーキ、年齢は31歳、性別は男、特技は魔法、犯罪履歴はありません。通名の必要はありません。」


「ありがとうございます。手をひいて結構です。」


 手をひくと受付嬢がカウンターの下から無垢の銅板(?)のカードを取り出し、先程まで手を置いていた板の下部にあるスリットに差し込み徐に詠唱を開始する。


「青神に希う。彼の者の偽り無き姿を顕し、誓約の石に写したまえ」


 ほのかに板が輝き出し、数秒で元に戻る。

 受付嬢が銅板を抜き取り差し出してくる。


「こちらがギルドカードになります。コーキ様は新規登録ですので、銅ランクのレベル1となります。如何なる理由があろうとも紛失時は御本人の責任となり、再発行にかかる費用は御本人負担となりますので御注意ください。詳細な説明は明日の午後行われる新人講習にてお聞きください。」


 受け取ったギルドカードには、コーキ、銅1と書かれているのが判る(・・)。見たことの無い文字だったが意味が判るのだ。青く小さな石(色味からすらとアイオライトっぽい)がついているが、コレが誓約の石とやらだろうか。


「ギルドカードに使われているのは魔刻文字。どなたでも読むことができます。内容の閲覧を念じてみてください。カードにコーキ様のステータスが表示されます。基本的にはありえませんが不審な点がありましたら仰ってください。」


 ついにステータス表示キタ!首肯して早速表示させる。




------------------

コーキ

年齢:31

ギルドランク:銅 ギルドレベル:1

特技:魔法

種族:魔人

加護:黒神の加護

契約:黒神レベル1

レベル:1 経験:700/50

スキル:無し


体力:25/25

魔力:9,999,999,899/9,999,999,999

腕力:8

器用:10

敏捷:7

知力:15

耐久:7

------------------



 予測はしていたが、馬鹿げた魔力量に思わずひきつる。つーか魔人てなんだよ!某仲魔を合体させるRPGのレア悪魔かよ!

 青板で同様の内容を確認したのか、受付嬢が思わず、といった様子で声を漏らす。


「こ、こんな事って…。」


 どう誤魔化すか思案するものの、サッパリ良案も浮かばない。


「支部長をお呼びするので、お待ちいただけますか?」


 ニッコリと大輪の花が咲くがごとき笑みを浮かべられるが、目が全く笑っていない。怖い、怖すぎるよママン!逆らえるわけもない俺は頷くしか無かった…。

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