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鈍感な君と、恋に堕ちた私

掲載日:2026/10/13

実話をベースに名前や背景などを書き換えています〜!

_私、神楽坂(かぐらざか)葵(あおい)。

絶賛…


「………」

「………」

 

_困っています。


✿


「今日は、席替えをしようと思います」

 淡々と告げられたその言葉。

みんなは喜んだり、席離れちゃったらやだねなんて笑ったり。

私は結構、わくわくしていた。

誰が隣になるんだろう。優しくてカッコイー人がいいな。


_席が振り分けられていく。


「えーっと、私の隣は…あ、よろしくね」

 

_彼の第一印象は、兎に角、白くて細くて怖い人だった。


「えーっと、あの…名前…」

 しどろもどろになりながら、何か話題を振らなければと話しかける。

「………」

 短い黒髪に黒い瞳の彼は私の茶色い瞳をじっと見つめてきた。

 

(こ、怖い…!む、無言…?)


「………」

「………」

 

_お父さん、お母さん…これは、どうすればいいんでしょうか?


 自分の栗色の髪に顔を埋めたい…と思っていたら、彼はニパッと笑って

「僕は時雨(しぐれ)!時雨藍(らん)。よろしくね!」

 手を差し出してきて、それをおそるおそるぎゅっと握った。

意外と男の子、力が強い。

ぶんぶんとそれを振る藍。


(あ、かわいー…弟みたい)


「よろしくね」

 ほわっと笑って、ぶんぶんと振ってみる。

ぱぁっと太陽が輝くように笑ってうん!と笑った。

「よろしく〜!」

 ぶんぶんと振り返してくれた。

いい人だなと思う。それに、なんだか弟みたいで可愛い。

「ふふ、よかった。隣が貴方で」

 ニパッと笑っている彼を見て、私も笑う。


_それから月日が流れた


「教科書忘れちゃって…見せてくれるかな…?」

 私がそう彼に聞くと、返事をする前に机をくっつけてくれて

「いいよー!」

 と、笑った。


_どんどん、彼を好きになる(に堕ちていく)

自覚したのはいつだったか。いつの間にか、彼が大切な人になっていた。


「ねぇねぇ、葵!誰が好きなの?」

 女友達の茜(あかね)がずいっと身を乗り出して、私に聞いてくる。

「え!?そ、その…」

 ちらりと彼を見る。それを見て、茜は察したようにニンマリ笑った。

「ねぇねぇ!時雨くん!葵の好きな人当てっこゲームしない?」

 え!?と私が止めようとするといいからと茜にウィンクされてしまった。

「いいよー!うーん…えーっと、あ!嵐山くん!」

 嵐山くん、このクラスで一番の人気者だ。

「違う…」


_全然違う名前が挙がっていく。

鈍感すぎて驚いた。そんなに私は分かりにくいのだろうか…?


「うーん…わっかんね!誰誰〜?」

 私は笑って

「秘密」


_一学年上がって

また同じクラスで席が近かった。


(これって…運命ってやつじゃない…?)


 なんだか嬉しい。私と彼が運命…素敵な響きだ。

「また近いね、席。嬉しいや!」

 ニパッとまた明るく笑う。

もう、白くて細くて怖い人だとは思わない。

大好きな藍くんだ。


_どんどん好きになっていく。

彼の仕草、彼の表情、彼の言葉、全てに踊らされている私がいる。


「…駄目だ…もう、我慢できない…!!」

 玉砕しよう。振られてもいい。この気持ちを伝えたい。


_10月6日の朝、手紙を送った。

ラブレター、と言うやつだ。好きですと、付き合ってくれますか?と、思いを綴ったもの。

私の恋心全部を書いたもの。


「…ん?」

 その手紙が返ってきた。

開いてみると…


【いいですよ】


 少し不格好な字で、頑張って書かれたのだろう大好きな彼の字で、そう書かれていた。

胸の奥が高まる。きゅっとして、嬉しくて仕方がない。

「藍くん!!これから、よろしくね!」

 彼はまたニパッと笑って

「うん!」


_月日が流れる。また一学年上がった。


「え…?」

 クラスが、離れてしまった。

大好きな彼の声を朝一番に聞くことができないなんてと私は落胆する。

でも、大丈夫。私たちは同じ【合唱部】に所属しているから。

そこで毎日会える。毎日お話できる…でも、私の家は遠くて、早く帰らないといけない。


「またね」

 名残惜しいが、帰らないといけない。

「うん、またね!」

 彼はバスまで見送ってくれた。

少し、手を振ってみる。

だが…


_鈍感な彼は自分に手を振られたのだと分からず振り返してはくれなかった。


「……」

 それを見た、隣の合唱部の友達が

「ねぇねぇ、彼に振ったでしょ、手。おあついねー♪」

 ヒューヒューといじってくる。

私はかぁっと顔が赤くなり、ふぃっと顔をそらした。


_それから、帰る度にずーっと振ると彼が振り返してくれるようになった。

最初は天にものぼる心地だった。

彼が手を振り返してくれた!!と。


「またねー!」

 私より長く手を振ってくれる彼が、大好きだ


_喋る時間が減っても、こんなに楽しいんだなと思った私でした。

どうだったでしょうか?

ほんの少しでも面白いと思ったら、リアクションや感想を送ってくださると幸いです!

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― 新着の感想 ―
とても良いお話ですね。これが実話だなんて、、、
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