2人の転校生
「あたしよりも他の女を優先するなんてサイテー。ま,自業自得ってことで。じゃーねー」
その日,俺は全てを失った。
ただ、目の前の人を救おうとしただけなのに。
今日俺は新天地で学園生活を迎える。
「今思い出してもムカつく…やってられねぇ…ん?」
「お嬢様学校のコ?可愛いじゃん」
「オレたちと遊びに行かね?学校なんてサボってさ」
「えと…あの」
ストレートヘアの大和撫子的な風貌の美少女が、複数人の男に囲まれていた。怯えているように見える。
「助けたって…どうせ…」
と見捨てかけるも、困り,怯える彼女を見過ごせず思わず飛び出してしまった。
「悪いな、この子は俺の女だ。テメェらにはなびかねぇんだわ」
「んだお前」
突然彼氏を名乗る男が現れ女子生徒は困惑する。
「えっ!?あ、あの…?」
「上手く合わせてくれ」
「は、はい…んっん。こ、この人が私の彼氏なんです。なので、あなたたちとは遊べません。申し訳ありません」
「そんな訳なんで手を引いてくれ」
「は?ふざけんじゃねぇぞ」
「さっさと退けよぶちのめすぞ」
「あっ!樫本ハンナ!」
「「「ええっ!?」」」
正道が指す方向に男たちが振り向いた瞬間、正道と礼花は駆け出した。
「なっ!」
「待てゴラっ!」
無事に逃げ切り、交番付近に到着した。男たちは交番を見て諦めたようで,立ち去ったようだ。
「な、なんとか撒いたな。」
「ありがとうございました」
「…あっ…!芝居とはいえ勝手に彼女扱いして申し訳なかった!」
正道は女子生徒に謝罪する。女子生徒は慌てて謝罪を止めるように言う。
「そ、そんないいです、頭を上げてください。私を助けるためにしてくれたのですから。むしろ感謝してます」
「そっか。」
「あと、新風高校ってどこですか?私今日転入するんです」
「偶然だな,俺もなんだよ。一緒に行こう」
そして2人で新風高校の校舎に向かう。
その頃、新風高校。
石森翔太、鯨井涼悟、蜂須賀 寿の3人が会話していた。
「なんか盛り上がってるな。なんか知ってる?」
「ああ、転校生が来るらしいです」
「春は出会いの季節と言いますからなぁ」
「ふーん」
青のように見える黒髪のストレートヘアをたなびかせた美少女と、先端が赤い黒髪の男子生徒が教室に入ってきた。
「どこの学校から来たの?」
「かわいいー!」
「美人じゃん」
「男子の方は…」
「よくみたらかっこいい…かも?」
「2人とも転校生です。自己紹介してください」
先に正道が前に出て「北古宿南高校から来た日高正道。よろしく」と自己紹介する。
もう1人の転校生、礼花が教壇に立った。そして、鈴を転がした様な可憐な声で自己紹介を始める。
「斯波礼花と申します。桜華女学園から転校してきました。これからよろしくお願いいたします」
礼花の自己紹介後は拍手喝采が起こっていた。
「…弱ったな、俺より盛り上がってんじゃねえか」
「ご、ごめんなさい」
「ちがうんだ、怒ってるわけじゃなくて、早速人気者だなぁって感心してるだけであって」
「あー、日高が斯波さん泣かした」
「いーけないんだー」
クラスの女子が茶化しを入れる。
「泣かしてないっての!」
2人とも受け入れられそうである。




