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ダンジョン集会2 後編

「君にはこっちの方が良いかな」


 そのドラゴンはあっという間に人間の姿に変わる。


「おぉすごいですね! 人化ってこんなに一瞬でするものでしたっけ?」


 油断しちゃってた。正直言うと交渉ごとは大丈夫そうだし、驚いた気持ちのおもむくままにドラゴンの鱗が本当に人の質感に変わるのかって知りたくて手を伸ばした。


 ニュル


 ゼリーみたいな感覚と一緒に私が見たのは、目の前の体を突き抜けた私の腕。


「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」




「おいこんなビビりな子が本当にダンジョンマスターなんてやれているのか?」

「変な所で気が弱いくせに、バトルとかになると驚くほど肝が座るのよ」


 気絶から目が覚めるとイエナ達が顔を覗き込んでいた。気を失っていたのは少しの間だけみたい。だって気を抜いている所で急にあんな事あったらビックリするじゃん。私だけじゃないって。多分。


「こいつはスライムだ。初対面にはよくこうやって姿を変えて驚かす性格の悪いやつだ」

「すまないね。どうしても楽しくて」


 そう言いながら彼はスライムの姿に変わる。これが本体? ちっさー。腰下くらいしかない。


「もういいかい? 見上げながらは話しにくい。あと人間の姿はやはりあまり愉快なものじゃないから別の物にならせてもらうよ」


 そう言って黒エルフになった。見た目がコロコロ変わって面白いね。私のダンジョンにいるのも教え込めばサーカスとかで儲けられないかな? でも知能が足りないか……って今は商売の事は忘れなきゃ。


「さて、話を戻そうか。僕がアオバくんを勧誘した時の条件は君と同じ条件に加えてポイントの貸与は300万まで無利子、さらに一部特に役に立つと判断されればポイントや物をタダであげるし、個人的に様々な援助をしよう。

 例えばアオバくんみたいなマスターにはね。うちはいっぱいポイントがあるから」


 おぉ。本当にこっちにしようかな。さっきから101番とスライムの会話とか表情を見るに仲が良さそうだし、私がスライムの派閥に入っても別に嫌がらせはされないよね?


「俺の派閥は若い。力関係なんかすぐに逆転さ。そっちの老害と一緒にやってると置いていかれるぞ。さぁどっちを選ぶ?」

「あんなバトルジャンキーの派閥に入ると命がいくつあっても足りないよ。現実的な方を選んだ方がいい」


 バトルジャンキー? どうりでイエナがあっちに行ったわけだよ。もうバトル全部で10回超えてるらしいもん。

 商人は平和主義者。それが利益であるうちは。決めた。


「私は、えっと……スライム様の派閥に入ります」


「どうやらこの子は賢い子のようだ。残念だったね101番。おっとそれから私は31番ダンジョンマスターだ。様もいらないし好きに呼んでいいよ」

「ふん。すぐにその子も心変わりするさ。まぁその子を取ったのがお前でまだ良かった。それじゃあスライム野郎、少し話があるからこっち来い」


 そう言うと2人はどこかに消えていった。後に残されたイエナと少しお話をしていたら時間が来て強制的に私のマスタールームまで戻された。なんだかんだこのパーティーに来たら毎回最後までいちゃっている気がする。

 ご飯が美味しいんだもん……帰ったら少し走ろうかな。




 その日は寝てさっそく次の日にはスライム様から通信要請が来た。名前何にしようか迷ってたけど、もうスライム様でいいや。その名前で呼んでいいか聞いたら許されたから、これからそうさせてもらう。


「で、君は何が得意なんだい? 101番のやつから人間相手に交易してるなんて聞いたが。何か派閥に役立てる事はあるかい?」


「もう聞いていたのなら話は早いですね。物作りとその販売が私の得意分野。つきましては派閥の皆さんが冒険者に用意している宝箱の中身。

 低層には食べ物、低級ポーションや簡単な武器に小物を使っていますよね? それを全部私から買ってくれればポイントで交換するより安くしますよ」


 これで利益を生み出す気はない。大事なのは派閥への貢献なんだから、原価とほぼ一緒でいいよ。普通にポイントで交換するとなかなか損なんだよね。


 普通は自作するほど大きな問題じゃないから誰でもポイントを使ってる。そんな事する暇があったらダンジョン運営の方法でも考えてる。


 でもこれが本業で生産手段も技術も全部持っている私からしたらそんな事は簡単簡単♪ それに派閥全体ってなれば馬鹿にできないコスト削減になるはずだよ。


「本当かい。本音を言うと生まれて1年の子には援助が多くて損な事が多いから期待はしていなかったんだがね。やはり僕の目は間違っていなかった」


「その代わりにバトルの際にはあまり役に立てないかもしれません。強いモンスターがたくさんいるわけでは無いですし、大事な生産者のモンスター達に死なれると困りますから。もちろん量によりますが物資の用意はできますよ!」


「あぁ分かった。バトルに必要な物を用意してくれるだけでも大変助かる。少しでもポイントはモンスター召喚やトラップに割きたいからな。

 もしバトルで物以外に助けが必要になったら別で報酬を用意するよ。宝箱の供給だけで十分な貢献だからね。その条件でいいかい?」

「ありがとうございます」


 文句なし。おまけにお礼として20万ポイントを貰えた。やった!

 ちなみにこのポイントは派閥に所属していると必要になる、税金みたいにダンジョン規模や歳によって一定量のポイントの献上から来ているらしいけど、私は宝箱供給の分から相殺してもらう約束。


 20万は今の私にとって特別に大きいわけじゃないけど、このまま続けていけば貰える額も多くなるはず。私の派閥はいいお客さんになってくれそうだね。


 もっとモンスターが増えて生産量が増えたら派閥のダンジョンがモンスターに持たせる物を全部私から買ってもらって、もっと多くのポイントが貰えるかも。それにこれで浮いたポイントは派閥全体の強化にも繋がってくれるしね。

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