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ブラウン領軍

 「いや~壮観だね~」


 モンスター運輸の特大怪鳥を見ながらマイカ子爵がのんびりとつぶやく。この子はうちの中でも1番大きな怪鳥だ。翼を広げれば家よりも大きい。  


 ついには90万くらいポイントを使ったけど、この子は馬車3台分くらいの量をその2倍の速さで運べる。山も谷も越えられるから実際の速さは比べものにならないはず。


 ちなみに他の怪鳥達は小さくて馬車1台の量を3倍に届かないくらいの速さで運んでくれる。小回りが効くタイプだね。てかポイントが尽きちゃって……。


 特大怪鳥はマイカ子爵の領土、その奥の別の子爵、そしてさらに奥にある大都市まで向かう。大体国の中央付近まで。え? うちの領地には来ないのかって? 


 悲しいかな、この子が必要になるほどの物が無いからね……。その代わりに小さな怪鳥1匹には私の3つの村を巡ってマイカ子爵の町まで届ける専用鳥になってもらった。

 たまにダンジョンに寄ってきては遊びに来てくれる。かわいい。


「いいのか? 私からは金を取らなくて。他の領主からはまぁまぁの金額を巻き上げたそうじゃないか」 


「巻き上げたって人聞きの悪い……。結局大きな町じゃないと物は売れませんからね。子爵の町は絶対に必要なんです。商人から少しずつ投資資金は回収していきますよ」


「ふぅん。こんな便利な物、大貴族なら大金を払ってでも緊急時用に借りそうなものだけどね。みんなお金が余ってるから」


「まぁそれは実績次第でしょうね……。もちろんマイカ子爵にはいつでも貸しますよ」


 怪鳥たちのおかげで良い事もあった。今、ブラックリ村はあっちこっちで工事が行われている。今までの小さな木の家じゃなくて立派な石で出来た家に建て替えているんだ。


 というのもたくさん入ってきた移民が村人の店で買い物したりご飯を食べたりしたから、元からいた村人達はそこそこお金持ちが多いんだよね。


 そこにシアンちゃんの領地にある質の良い採石場、ここで得た石を怪鳥が川まで運んで船で大量に送られてくるようになった。おかげで最初に工事が始まった村長さんの家はもうピカピカだよ。


 あと怪鳥たちのおかげでお金が入ってきたからね。それを使ってせっかくだし、しっかりした道を作る事にした。これは変な所にぽんぽこ家を建てられないようにするって意味もある。


 そして工事で雇われた人たち、大体が移民だけど彼らも家を建てられるお金が貯まるってわけ。いつまでもテントは心配だったし良かった良かった。


「アオバくんの領地は調子が良さそうだね。私の領地の商人にもおすすめしてあげようかな。他2つの村はまだ空いてるみたいだし」


「本当ですか!? ありがとうございます!」


 こういう手の回らない所への投資をしてくれるの助かるな~。やっぱりマイカ子爵は頼りになるね。


 って言ってもこれも経済が上手くいってるおかげ。ここで油断したらダメだよね。お金が離れていかないためにはお金を集めなきゃいけないって矛盾してない?


「ところでアオバくん、今何人くらいの領民がいるんだい? 人も増えてきてるし税収も少なくないと思うけど」


「ん〜昨日入ってきたばかりの移民を入れて1700人を少し超えるくらいですね。今は8割の人が免税対象なのでお金は入ってきませんが……」


 とはいえ新しく来た人も、そろそろ落ち着いてきた頃でしょう。私の財政事情も厳しくなってきたから流石に払って貰おうかな。


「そうか……もし余裕があればを私兵を雇っても良いと思うよ。人も増えてきたし誰かに狙われるかもしれない」


 それだけ言ってマイカ子爵は帰って行った。そういえば子爵の町は城壁の改築を始めて忙しいって言ってたなぁ。

 大急ぎで軍備を増強してるらしい。何かあるのかも……。


 “誰か“が盗賊レベルだといいけどね。何はともあれ確かに少し危ない。壁とか護衛くらいは大体どの村でも多少はあるし私もやっとこっか。

 情報部のエルフ達がいるとは言っても、人間の軍隊を持っておいた方がダンジョン外では便利だろうしね。


「ガルドさんガルドさん」

「あぁ、アオバじゃないですか。どうしたんですか?」


「うちの領も兵士を訓練したいなって思うんですよ。そこで武器の使い方とかを教えてくれませんか?」


「おぉついにその時が来ましたか! この村は豊かな割に1人もいないので誰も言わなければ私が進言するところでしたよ。

 とはいえ私も村長としての仕事があるため難しくて……どれ、村人も増えたし相応の腕前の者もいるでしょう。私が集めてきます」


「助かりますガルドさん。私じゃ分からなくって。それでは3週間後までに。私は生徒側を集めますよ」




 3週間後。未来の兵士諸君が勢揃いした。希望者は55人ほど。仕事がたくさんあるから集まりが悪くて苦労したよ。でも給金を弾んだら人数分は集まってくれた。


 選抜の段階で55人はブラックリ村から35人、ほか2つの村から10人ずつという風にした。傭兵も考えたけど、いつ来るか分からない魔物からの警備もあるし、地元の人の方がいいでしょ。


 そしてガルドさんが連れてきた教官役の兵士経験者5人を足して合計60人のブラウン領軍の創設だ。


「よく聞け! 私達はブラウン様とこの領土を守るため……」


 名字で呼ばれる事が少ないから慣れないなぁ。でも今後は増えてくるわけだし、そのうちね。

 ガルドさんの力強い……けど長い演説が終わると、隊ごとに並んで村の大通りを行進し始めた。当然1隊12人の合計5隊ね。それぞれの教官がそのまま隊長になる。


 私の仕事は台に乗って、少し高い場所から兵士達を見下ろして威厳を出す事。確かに兵士達は、まだ貯金の少ない移民たちが半分くらいいるし彼らは私の事を良く知らないから舐められない事が大事なのかな。

 ちなみに残りは家業からあぶれた各家庭の3男、4男の人達だ。大家族は貴重な存在だね。


 今は建設途中だけどブラックリ村には、そこそこの規模の兵舎を建てる予定だ。増員を見越して最大150人が使える小さな砦みたいなやつ。非常時にも訓練にも使える。


 中には他の軍の受け入れ用にお偉いさんを迎える部屋、食糧庫に武器庫、医務室などなど。結構ぜいたくな造りだね。

 うぅ財政がやばいのに……でも村の奥にあるダンジョンを守るためには軍事費をケチれないかぁ。


 で普段はブラックリ村以外の人達は、自分達の村の建物を買い上げて作った所を本拠地として使ってもらう予定。さすがに全部の村にしっかりした拠点は作れないよ。ブラックリ村以外は小さくて正直狙われはしないだろうし。


 さて、うちの領の軍関係を任せる事になる人ももうすぐ到着する頃かな。




 村の行進から戻ってきた兵士達をピシッと新品の制服を着こなした謎の男が出迎える。ちなみに兵士達も制服を着ているよ。ただ彼のはもっと豪華な服だ。


「ご苦労だ。たった今到着したため式典への参加が遅れてしまった。ブラウン領軍の司令官になるシリウス・ドレイクだ」


 突然の登場に兵士達がどよめいた。ぽっと出の誰か分からない人が上司になって納得してないって顔の人もいるね。ここは私から説明しようか。


「というわけなんだよ。アングル王国への援助の対価として彼を軍に派遣させて貰ってたから見覚えは無いと思うけどね。納得出来ない人は誰か決闘を申し込んでみる?」


 こう言われて引っ込んでるわけにはいかない。すぐに1人の教官が前に出てきた。筋肉質でいかにも強そうな彼だけど……結果は惨敗。


 当然だよ。シリウスは私が召喚したダークエルフで剣術とか鉄砲術、馬術は一通り強化で付けておいたからね。別に彼には剣術とかいらないかと思ってたけど役に立って良かった。

 アングル王国に派遣してたのは本当だし、ダンジョンでゴブリンを指揮して強い冒険者グループと戦わせたりしたから指揮能力も間違いない。


 最初はとにかく、そのうち兵士達も分かってくれるでしょ。人柄もキングが認めてるしね。しばらくしたら野生の魔物の討伐にでも派遣して信頼関係を築いていってもらおう。

しばらくは昼頃に投稿する予定です。多少の時間のずらはあるかもしれませんがお昼休みにでも楽しんでもらえると嬉しいです!

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