ダンジョン第3階層
2階層はアンデッド系の魔物がうようよしてるお化けハウス。通路を狭めにして迷路性を1階層よりも高くしてる。
モンスターは1階層の終盤よりも少し弱い魔物を使ってる分、真っ暗で逃げ場が無いから良い感じにレベルが上がったはず。さすが私。
「痛ぇ! くそっ、下が濡れてやがる! 転んじゃったじゃねぇか!」
「危ない!」
冒険者の1人が転んだ所にゾンビが襲い掛かった。とっさに別の人が剣で攻撃を防いだから助かったけど、少し遅れてたらケガしてただろうなぁ。
「2階層は罠なども巧妙で危険ですね。もしかしたら低級冒険者は制限した方がいいかもしれません」
あわわ。そんな事されたら入ってくるポイントが少なくなっちゃう。付いてきて良かった。
「職員さん。今回は運が悪かっただけですよ。前に来た時はそれほどひどく無かったですし、もう少し進んでから決めませんか?」
「もちろん少し検討しただけですよ。そうしましょう」
すぐにエリーに指示を出してちょっと簡単にしてもらお。最悪最後のボス部屋で止めればいいんだからね。
「おっ。確かに最初の場所以外はそんなに危なくないな。最悪のタイミングにたまたま魔物が来ただけだろう」
ま、間に合った。聞いてみると光の玉を出す魔法を覚えてる冒険者はあまりいないっぽい。試しに魔法を消してもらってランプに切り替えると結構暗くなった。
「うわぁぁぁぁ! スケルトン!」
「おい! 大丈夫か領主さん!」
「あ、これは置物ですね……ダンジョンにたまにある」
心臓止まるかと思ったよ~。雰囲気を出してみようって置いた過去の私許さないからな……。でもビックリさせるのには効果あったし、もう少し増やしてみようかな。
2階層の奥の方にくると武器を持ったスケルトンが出てきたけど、こっちの階も制限は緩くて良さそうって結果になった。
無事に初心者の練習場としてコアも守られて大事にしてくれそうだね。安心安心。
「それでは最後に3階に来ましたが……こっちは草原が広がってたり川が流れていたりと、のどかな感じですね。まぁモンスターを除けばですが!」
そう言いながらギルド職員さんが魔法で襲ってきたオークを倒した。
「行先は2つだな。左側にある丘か、真っすぐ進んだ先にある村の廃墟か」
そう。このフロアは地形や大きさこそ違うものの、ゼロフロアを再現して作られてる。
ダンジョンバトルとかで万が一ゼロフロアに侵入された場合にはどうやって防衛するのがいいか、色んな状況でシミュレーションしてみた方がいいんじゃないかってエリーが教えてくれたんだ。
そのうち傭兵団を雇って集団戦だとどうなるかも試してみようかなって計画を密かに立ててたりする。モンスター達に戦う経験も積んでもらわなきゃ。
こういう階層は今後も増やす予定だけど、どんな感じにしようか今から楽しみになってきちゃう♪
「このまま村の廃墟に行きましょう。その更に奥にある町くらいの規模がある廃墟の中のお城みたいな所がボス部屋です」
「おぉありがとう。じゃあ今日はボス部屋を拝んだら帰るか……っと。少し暗くなってきたな」
2階層じゃ分からなかったけど夕方かぁ。今日はここで野宿かな。自分のダンジョンだから安心だけど、冒険者からしたらダンジョン内で野宿する人の勇気ってすごいよね。
このフロアにある廃墟はダンジョンポイントで生み出せるエリアの1つだけど、確かあそこには元宿屋っぽい廃墟もあったはず。
今日は疲れたし早く休みたいな……魔物を移動させとこっかな。
「いやぁまさか廃墟の中に宿屋があるなんて運が良いな。汚れてはいるがベッドもあるし、今夜はよく眠れそうだ」
「簡単に土魔法で穴はふさいどいたから風は入ってこないはずだ。魔物が少ないのは助かったな」
ふふん。私に感謝してくれて良いんだよ? 収納からブラックリ村で買った料理を出してみんなに分ける。
「ダンジョン攻略の時に収納魔法が使える方がいると快適さが違いますね」
「しかも生活魔法でこの宿屋の家具を修理してくれたからな。ここまで生活魔法を伸ばす子なんてなかなかいない。もし良ければパーティー組まないか?」
「あはは……一応私は貴族としての仕事があるので……。それに家具も明日の昼には元通りに壊れちゃいますよ」
「そうは言っても今日フカフカのベッドで寝れるのは君のおかげだしな……貴族様だという事を忘れていました! 申し訳ございません」
「そんなに気にしなくても大丈夫ですよ。今まで通りの方が接しやすくて助かるので、むしろそのままでお願いします」
これまた魔法で直したテーブルでスープとオーク肉のソテーを囲みながら話に花を咲かせる。こんな便利な魔法を育てないなんて私からしたら信じられないな~。
朝になったらすぐに出発。今日中にはブラックリ村に戻りたいから全員張り切ってるよ。
「また行先が2つだ。左に森、右には川があるけど、これはどっちに行けばいいんだ?」
「森の方です。そこを抜ければ次の廃墟が見えてくるはずです」
「ありがとう。じゃあ行くぞ!」
森に入ると魔物の種類が変わってくる。大きなコウモリみたいなのとか、熊みたいなやつとか。私がマスターになるきっかけのイエローベアじゃないよ?
「川の向こうにも別の種類の魔物が見えたし多分丘があった方向もそんな感じだろう。この感じなら自分の得意分野で戦えばいいし稼ぎやすそうだな」
「それは良いですね。ギルドとしてもこのダンジョンは有用だと上にも伝えておきましょう」
職員さんグッジョブ! やっぱり同じ魔物ばかりは寂しいもんね。
森は冒険者さん達の得意分野じゃ無かったらしくて職員さんの魔法に頼り切りになってきたなぁ。
そんな感じでもなんとか町が見えてきた。ここは結構大きいよ。廃墟エリアって使い道が少ない分安かったんだもん。
「うーむ。これを越えるのは面倒ですね。それでは少し本気を出しますか」
そう言ってギルド職員さんは町の入口周辺を一撃で吹き飛ばした。
……え?




