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侵入者

いつものようにジョージさんと店の今後を話し合ってる時だった。突然マイカ子爵に呼び出された。はいはいお世話になってるし行きますよ~。


 簡単な礼をして寄親に敬意を示したあとに話が始まった。


 「急に呼び出してすまないね。そういえば教え忘れていた事があったんだ」

 「気にしないでください。忘れていたことですか?」


 「うむ。まずアオバ準男爵は何歳なんだい?」

 「えっと……15歳です」


 「それなら来てもらって良かった。

 15歳になると貴族の子弟はほぼ全員が首都にある王立学院に通う事になる。一応は義務……では無いが行かないと後々困るだろう。

 それにここで作った人脈は大人になっても続く事が多い。今出願すれば1か月後の入学式に間に合うだろう。行くかい?」


 王立学院……この私が? ……やったー!!! 今まで一般庶民だった私は学校に行った事が無かった。実家も裕福じゃなかったからね。


 だから近くの町にある私立学校には憧れたものだったけど……その私がこの国で最高の学校、王立学院かぁ。えへへへへへへへへ。ニヤニヤが止まらない。


 「その顔を見るに入学する気があるようだな。まぁ学費をはじめとした色んな事が書かれた紙をあげるから、それを読みながら考えたらいいだろう」


 さすがに顔に出すぎちゃってた。恥ずかしい……。

 



 子爵に何度もお礼を言ってマスタールームに戻った私はキャンパスライフを夢見ながらマスタールームでエリーと話していた。


 「ねぇねぇエリー、私の入学後の計画の続き聞きたい?」

 「まぁ話を聞いてあげるくらいなら良いですよ。今までに3時間も休憩なしに聞かされていなければ」


 学費や寮費、その他雑費は高い……けれども領地があって実業も持ってる私には出せないでも無い額だった。あとの1か月の間に色んな準備をしておかないとな~。

 

 そんな事を考えているとマスター画面が急に目の前に現れた。こんな事が起こるのはキング達からの緊急連絡の時くらいだ。


 「マスター! 緊急事態です! コロニーからの報告によるとダンジョンに初の人間が近づいてきています! 万一に備えて戦い慣れた外のゴブリン部隊を呼び戻して戦闘態勢を整えています」


 侵入者。ダンジョン中が一気に緊張に包まれる。1階部分は多少補強をしたしCランク以下の冒険者に負ける事は無い……はずだけど初めての事だからやっぱり怖い。

 交易用の出入口をゼロフロアに移しておいて良かったぁ。


 すぐにマスター画面をエリーと一緒に見守る。入ってきたのは1人の少年。私と同じくらいの年だし冒険者かな? にしても1人なんて珍しい。


 さっそくスライムが歓迎にいくもアッサリ倒された。さらに3匹のコボルトが襲い掛かると少年は剣の一振りで葬り去った。

 え……強くない? もちろん彼らが勝てるとは思わないけど一撃って……。


 「練習のために森に来てみたらダンジョンを発見するなんて運がいいなぁ。未発見のダンジョンなんてどうせ強くないだろうし攻略してみるのもありだな」


 画面からの音声を聞くとそんな事を言っている。ヒィ~! 完全にロックオンされちゃってるよ。1階のモンスターで防衛は……今オークが倒されたのを見るに難しそうだね。


 私はゴブリン部隊に撃退するよう命令を出す。コロニーのゴブリンジャネラルを中心とした彼らは50匹全員がゼロフロア製の鉄装備を身にまとって強化まで施されている。

 

 しかもジェネラルにはガルドさんからプレゼントされたブラックリ村名物の魔剣まで持たせているからね。安いとはいえ数十万コインはする代物だ。


 「おいおい今度はゴブリンか。こんなんじゃ俺を倒せな……って全員が鎧を着てるなんて。しかも偉いやつっぽいあいつが持ってるのは……魔剣か? 面白い。良い練習相手になりそうだ」


 突撃する少年を盾を持ったゴブリンが受け止める。そして盾の隙間から槍で突き、メイジ達は色んな属性の魔法を浴びせかける。

 

 でも少年は魔法を全て剣ではじき返した。ジャネラルが直接切りかかるも押されてるなぁ。最後の切り札としてボスも投入しよう。どうせゴブリン部隊より強いモンスターはいないから。


 結果は敗北。ゴブリン達の撤退だけはさせられたものの、半数以上がやられる大被害を出して相手は見た感じ少しの切り傷があるだけ。

 ままままずい。


 「マスター? どうしましょう? 新しいモンスターを召喚しますか?」

 「……ううん私が行く。エリーはゼロフロアで準備を整えておいて」


 顔が見えないようにフードを被ってダンジョンに降りた。ドラゴンになったアカネと共にボス部屋で待っていると、5分ほどで少年が入ってきた。うわっこの短時間に他のモンスターもやられちゃったんだ。


 「ここがボス部屋か……ってドラゴンだと!? 今までとレベルが違いすぎだろ!」

 「アカネ、お願い」

 「うわぁぁぁぁ!」


 アカネの雷魔法を使うと一撃で相手を倒せた。でも気絶してるだけみたいだね。アカネの全力を食らってこれで済むなんて……どんな化け物なのよこいつ。ってモンスターはこっちか。


 「マスター、このまま始末しますか?」

 「ううん。こんな強い子が行方不明ってなると面倒だからね。どうせダンジョンは隠せないし、私が村のギルドまで連れて行って適当に嘘を報告しとくよ。ドラゴンが出たなんて言われたら、どんな強い冒険者が送られてくるか分かったもんじゃないもん」




 「うぅ……」

 「あっ起きた?」


 数時間後。彼はちゃんと目を覚ました。良かったぁ。これで殺人の疑いをかけられずに済む。


 「ここは……?」

 「ここはブラックリ村っていうダンジョンの近くにある村ですよ」


 「ふむ。聞いた事ないな……そうじゃない! 俺はダンジョンでドラゴンに襲われたんだ! すぐに報告しなきゃ……」

 「安心してください。ダンジョンの存在は私が報告しときました。でもドラゴンなんていませんでしたよ?」


 「そんなはずは……俺はたしかに見たんだ!」

 「私はギルドに報告するために全部見回りましたがドラゴンなんていませんでした。大体あんな小さな弱いダンジョンでドラゴンなんているわけないじゃ無いですか。見間違いですよ」


 「そ、それもそうか。助けてくれてありがとう。感謝するよ」

 「困ったら助け合いです。当たり前の事ですよ!」


 「君は良い人だな……ん? そういえばドラゴンに襲われる前に誰かの声を……聞いた……気が……」


 そう言うと彼はまた寝ちゃった。やばい、聞かれてるじゃん私〜! これ以上話してるとバレちゃうかもしれないからダンジョンに帰ろうっと。新聞は……今日売り切れちゃってるかぁ……。



 〜○○新聞〜


 ウェクス王国政府は勇者を有している事を発表した。勇者は現在少年だが訓練中であり、将来的には非常に協力な力を持つと思われる。周辺国は新たな勇者の誕生を歓迎する声明を出しているが、隣国が強い力を手にした事で水面下では警戒する声が強まっている。

インタビューで勇者様は今日は新たなダンジョンを探検したと答えた。その際に勇者様はとある少女に助けられたらしく、自分も人を助けられるような人間になりたいと言っていた。様々な声が聞かれるが本紙としては新たな英雄の卵の誕生に期待したい。


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