ワンオペ地獄からの解放
お金を造ったことで外のお金を使わずに物は調達できるようになった。これと税金を合わせて村に店、家、その他を建てようと思うんだけど……どうやって建材を持っていこうかなぁ。
その解決法が川を使うこと。さすがに馬車には乗り切らないからね。出入口を新しく作ると今までの出入口の横に新しいのが出来上がった。
「いつか村からの冒険者も受け入れたいから出入口が全部同じ場所にあるのは困るんだけどなぁ……」
そんな私の独り言にエリーが良い事を教えてくれた。
「出入口をまとめてはどうですか?」
「え? なにそれ?」
「普通のダンジョンは使わないので知らないマスターがほとんどなのですが、複数の出入口をまとめて一か所に作る事が出来ます。
後は本人が入ってきた所からしか出れないので大丈夫です。ダンジョン関係者は行きたいと思い浮かべた所に出れます」
とりあえずやってみよ! という事でマスター画面をポチポチ操作すると、最初からあった入口以外の出入口2つが消えた。そして画面には”どこに再設置しますか?”という文字とダンジョンの地図が浮かんでいる。
使いやすいように入口はゼロフロアにしとこ。
実際に行ってみると確かに出入口の穴は1つしか無い。まとめるってこういう事だったんだ。まずは新しく作った川に面した出入口をイメージして出る。
すると目の前にはしっかり川が流れていた。もう一度ダンジョンに戻って、今度はいままで使っていたゴブリンコロニーがある方を負い浮かべて出る。
すると目の前にオークが……オーク!?
あわわ……えっと何すればいいんだっけ!? そ、そ、そうだアカネとウルフを呼び出して……。慌ててるうちにオークの棍棒が私めがけて揺り降ろされ……なかった。
「ご無事ですかマスター? 今すぐに助け出します! 盾部隊はオークを囲んで動きを止めろ! 魔法部隊でオークにトドメを刺すんだ!」
駆け付けてくれたコロニーのトップ、ゴブリンジェネラルがオークの腕を切り落とす。そのままゴブリンメイジがいくつもの魔法をぶつけてオークを灰に変えた。
「ありがとう~! 助かったよ~!」
結局私は涙目でジェネラルの腕にしがみついて困らせちゃった。ごめんね……。
と、とりあえず便利な機能が分かったのは良かった。私はゼロフロアから黒エルフ達とホブゴブリンを呼んできて、新しい出入口周辺を簡単に整備する事にした。
数の力で数日もすれば倉庫、小さな桟橋と2隻の船、60匹ほどが住める家々が出来て、何も無かった川沿いの森が見違えるようになっていた。
こっちは外の世界だし村……いや、集落の防衛用にホブゴブリン達も住んでもらってと。人間に見つかったら大変だから気を付けなきゃ。いっそ将来的にこの森の各地にモンスターを派遣して見張らせるのもありかも。
さぁ計画は成功♪ やっぱり船は積み込める量が馬車とは段違いだね。特に大きいのはお尻を痛めなくて済むところ。あれは慣れないよ……。
「じゃあ準備も整ったし、いざしゅっぱーつ!」
「マスターが船の操縦を出来るとは知りませんでした。それもお一人で」
エリーから鋭いツッコミが入った。そういえば私、馬車はいけても船は無理だった……。
「どうでしょう? 私はもともと町の店やブラックリ村だってマスターの目が届いてない事が多い事に不安を感じていました。このさい人化を覚えさせたモンスターを使ってみませんか?」
なるほどなぁ。確かにそろそろ私1人じゃ限界かも。今は何とかなっても今後はもっと交易する町も量も増えていく。それに私だって完璧人間じゃない。
エリーが続ける。
「それにモンスターを各地の町に送り込めば色んな情報が入ってくるはずです。人間側の動向は我がダンジョンに大きな影響を及ぼすのでポイントが余ってれば良いと思いますよ」
情報。私だってまだ小物とはいえ商人。育った時の経験からも情報の重要さは良く知っている。なんで忘れていたんだろう。
「エリー天才! ポイントが余ってたらじゃないよ! 何に優先してでもやらなきゃ……ありがとう!」
思った以上に褒められてエリーの無い鼻がどんどん高くなる。分かりやすくて可愛い。
さて、誰を人化させようかな。マスター画面を見てると私はある事に気づいた。
「あれ? 種族によって人化のポイント量が違う」
「人に近い種族なほどポイントが安くなりますよ。例えば牙を短くしたりすれば済む吸血鬼とかは人化にほとんど費用がかかりません。まぁ元が高いのですが……」
なるほどねぇ。今回は交易と船の船員をやってもらえれば良いから黒エルフにしようかな。町への潜入とかと違って戦闘能力はいらないからね。
うわ、オークとか人化だけで元の値段の何十倍もいるじゃん。ウケる。
というわけで人化に操舵スキルと馬車スキルも追加した黒エルフを15人召喚した。たったこの3つだけでも元のポイント額よりだいぶ増えるなぁ……。
「マスターにお仕え出来て幸いです! 我ら一同ダンジョンを守るために全力で戦う所存です!」
「うん、じゃあ早速船に乗ってダンジョンを離れてもらう事になるけど……いい?」
「おいなんだあれは?」
「この辺であんな船なんて見た事無いぞ。それも2隻も!」
「待て! あれはアオバ様じゃないか!?」
川の沿岸に集まってきたブラックリ村の人たちに手を振って挨拶をする。ふっふっふ、予想通りの反応で私も嬉しいよ。ドッキリが成功した感じ。
村の桟橋に着くとガルドさんが走ってやってきた。
「先に知らせてくれればここで待ってたのに」
「あはは、ごめんなさい」
しばらくするとガルドさんも船員たちに気づいたみたい。
「おぉ! 新しく従業員を雇ったのか。それは良かった! いつも1人だから寂しくないかと心配してたんだよ」
どうやら私はいつの間にかボッチ認定されてたみたい。失礼な、友達はイエナちゃんとエリーと……あれ? いやジョージさんとかも私の事を友達だと思ってくれてるはず……!
「ちょうど村人の皆さんが集まっているので発表します! ブラックリ村活性化計画を!」
今週の土曜日から日曜日とゴールデンウィーク中の祝日は毎日投稿する予定です!もし良ければ読んでいってくださると嬉しいです♪




