お金マジック!
2週間後。スミス達の力を総動員して私は15億コイン分のゼロフロアのお金を生み出した。これは大体小さめな店を9軒ほど建てれるくらいのお金。
建てるだけなら安いんだけど、工事の人件費とか土地代も考えると高いなぁ。
もちろんこれだけじゃ全然足りない。さらに追加でどんどんお金を造っていく事は3日前の村役場での会議で決めてある。
さっそく話は漏れてるみたいで本村の一部の店で値上げがされてるみたい。
「やっぱりそうなるよねぇ。エリー、大きな店を中心に説得しに行ってくるね」
マスタールームから出ようとした所で私はエリーに止められた。むぅ、時間ないのになんだよぅ。
「そういう小さな事は私やキングがやります。マスターは外の仕事が忙しいでしょう? 外からお金を持ってこれる人はマスター、あなたしかいないんです。なんでもマスターがする必要は無いんですよ」
「……。そっか、分かった。じゃあ任せたよ」
「こちらこそ任せましたよ」
お互い自然に手をあげてハイタッチをした。なんだか心が軽くなった気がする。ま、村の様子を見るのは楽しいから手が空いたらエリーについて行くけどね。
さぁ私は私の仕事をしよっか。
まずは作ったばかりのお金のほとんどをスミス達に支払う。これはアングル王国への援助に使った武器代だね。
するとあら不思議。アングル王国からある程度入ってきた代金は村に回せるというマジックになる。
これはもう使い道が決まってるけどね。
「それじゃあ第3回のダンジョン会議を開きまーす! みんな着席!」
報連相は本当に大事。今みたいに色んな事をする時は何回でも一緒に話し合うのが1番だよ。それにこの時間も私はなんだかんだ楽しいしね。
「それじゃあ私から良いですか?」
「オッケー。じゃあキングから」
「ゼロフロアの景気は最高調です。みんながみんなお金持ちになっています。しかし子供が生まれすぎてモンスター余りになってきています」
おっとこっちでも……。ただ今まではみんな忙しすぎたから、ちょうどいいくらいだよ。それにエリーが何か考えてくれたみたいだしね。
「じゃあエリーお願い」
「はい。安心してくださいキング。この私がちょうどピッタリの計画を立てていました。ダンジョンの中と外ともに物を必要としている人はたくさんいます。
そこで新しい鉱山を2つ、伐採場を2つ、さらに農村も新しく作り上げる計画です」
モンスターが増えてる事はエリーも知ってたみたい。結構なポイントを使って黒エルフを増やしていたのもあって、今や本村を中心にゼロフロア全体の人口は6000人を超えていた。もうすぐで店を置いてる町に追いつきそうな勢いだよ。
ここから鉱山用の村700人、森の近くに400人の村を、最後に300人ほどの農村を3つも作ってお腹いっぱい食べれるようにする計画が出来た。そして本村以外に町と呼べる規模の都市を作る事。
成功したらここの資源を作ってさらにゼロフロアの人口は伸びそうだね。
達成したら人口は2倍以上、生産量も何倍にもなるエンタープライズ号以来の大プロジェクト。ダンジョンマスターとしての腕がなるなぁ。他のマスターはこういう事しない? ……そうですか。
さすがにモンスターが足りないから今は鉱山と伐採場1つずつで我慢だけどね。
土地が足りないけどアングル王国から入ってきたお金を全部ポイントに帰れば十分。最初は広めの家くらいしか無かったゼロフロアがどんどん広がるね♪
ふ~ん鉱山か。ちょっとロマンに走っちゃってもいいかな?
「ね、鉱山を作るならせっかくだし今まで手を出せなかった山岳エリアを作ってみない?」
「……山岳エリアはポイントが高いですよ? あんまり作るメリットは……さてはまた趣味ですか?」
「あ、あはは……でもちゃんとメリットはあるよ!」
ふん、エリーったら私が遊び最優先で生きてると思ったら大間違いだよ。私の狙いは維持費を減らす事。ダンジョンの多くが、暗くて石とか土の壁を使ってるのにはちゃんと理由がある。
自然豊かなエリアだと川から流れる水、みんなが呼吸する酸素やその他空気、木とか動物たち、ダンジョンを照らすお日様の明かり、これ以外にも全部の物には維持費がかかる。
普通はすっごく安いから困らないんだけど、私みたいに広げちゃうと積み重なって笑えないポイント額になっちゃうんだよね。
だからみんな1番安く済む土壁とか使うんだけど……山岳エリアなら高低差で勝手に川が出来るから節約できないかなっていう下心もあるんだよ。もう1つやりたい事もあるし。
「しかし」
「あー! 手が滑ったぁ!」
「……あなたという人は……」
ゴゴゴゴという大きな地響きがここまで聞こえてきた。会議室にいた全員が窓に駆け寄る。もちろん私もこんな面白い瞬間を見逃すわけにはいかない。
高さは2500メートル越え。多少の誤差はあるだろうけど、この世界の全てを見渡せるんだろうなぁ。
「い、行きたいなぁ」
「まだ会議は終わりませんよ」
「はい……」
こっちはエリーは許してくれないみたい。色んな事が終わったら行ってみよ。楽しみな事が増えちゃったな~♪
「えっと……次は黒エルフ達に頼みたい事があるんだけどいいかな? 海の向こうの島も人口が増えてきたから、こっち側と物を運ぶ船を10隻造ろうと思うんだけど……」
向こうの島も新しく村が出来るほど発展してるらしくて順調だね。モンスター達が増えるのはみんなが幸せだって事だ。良かった。
さぁゼロフロアはもう少し後回し。今私を必要としているのはブラックリ村の方だから。……とマスタールームに戻ってきた私は頭を悩ませていた。




