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交易の先へ

 今日もブラックリ村との交易の日。

 最近忙しくて少し話したら次の村ってなってたから今日はゆっくりしていこっと。半分休憩のチートデイ♪


 大事なお客さんの生の声も聞かなきゃいけないしね。うん別にこれはサボりじゃない。

 ちゃんとした市場調査なのだ。


 「アオバおねーちゃん今日は何して遊ぶ?」


 子供達に何度も名前で呼んでって言った結果、やっとそう言ってくれる子が現れた。

 

 私を名前で呼んでくれる人がイエナちゃんとジョージさんぐらいしかいなかったから嬉しいな。これからも増やしていこう。ほーら良い子には新しいおもちゃをあげよう。


 「じゃあ今日はみんなでトランプをして遊ぼっか。まずはルールから説明するね」


 町に進出した事で私は色んな物を手に入れる事が出来るようになった。考えてみれば当然なんだけど、これは私にとって大きなメリットだ。


 特にジョージさんと仲良くなれた事が大きいね。私は物を売れて嬉しいし、ジョージさんは儲かって嬉しい。


 「トランプにはいっぱい遊び方があるんだけど……まずは大富豪を教えてあげよっか」


 物事は何でも最初が大事。ここで圧倒的な力の差を見せつける事で、みんなが私を尊敬してくれるに違いない。トランプを遊びと思ったら大間違い!


 こんな天才的な案を思いつくなんて、我ながら自分の才能が恐ろしいよ……。

 君たちは総資産がそろそろ700万コインに達しそうな私に勝てるかな? わーっはっはっは!




 「大富豪様。こちらジョーカーとハートの2でございます。どうぞお納めください……」


 3時間後。大貧民としてせっせと強いカードを献上する私に姿があった。

 大富豪は格差を固定する悪しきゲーム。誰だこんなゲームをやろうと言いだしたのは!


 「も、もう1回やろ! 次は勝つから!」

 

 「えーアオバおねーちゃん弱いもん。てか俺水汲みをしなきゃいけないんだった。じゃーねー」

 「あっ私はお母さんの内職? の手伝いをしろって言われてたの。ごめんねおねーちゃん」


 あぁ……みんなチリヂリに……。

 燃え尽きた私を見たガルドさんが笑いながら近づいてきた。


 「ここにいましたか交易商さん。どうです。負けの慰めにうちの村の酒場の新作スイーツでも食べていきませんか?」

 「ほんと!? 食べる!」

 「ははは。交易商さんはいつも元気で村が明るくなりますね」


 うっかり素で返事をしちゃった……恥ずかしい……。

 注文して出てきたのはショートケーキ! あま~い! この酒場の主人は王都でも店を開けるレベルだよ。行った事無いけど間違いない。


 ん? 牛乳なんてどこで? すぐ腐るから辺境では無いはずだけど。他の交易商も見た事ないし……。


 ちなみに私の前にたまに来ていた交易商は高値で物を売りつけられなくなったからか来なくなっていたから除外。

 酒場から出た私はもう1つの事に気づいた。


 「なんか酒場2階建てになってない?」


 「気づいてくれたかい? うちもあんたがお酒をどんどん買ってくれたおかげで景気が良くてね。この村を宿場町にしようと宿を増設してみたんだよ。

  さっきのケーキに使った牛乳は、ここのお客さん第1号となってくれた別の交易商さんが収納魔法で持ってきたものを売ってくれたんだ。

 今度は牛ごと売ってくれるらしいから新商品にしたってわけさ。ま、牛を飼う大金が用意できるか微妙だからお試しだけどね」


 なにー! 宿泊者第1号をとられちゃた……ってそれどころじゃない。今の交易ルートはジョージさんのいる町から大きく北か南に回って次の町に向かうという形になってる。


 今まではここら辺には魔物が多くて人がいなかったからね。でも難民のような感じでここに移り住んだガルドさん達が頑張って村まで作っちゃった。


 安全に夜を過ごせる事に気づけば、たくさんの商人がここを通り道にして物を持ってくる。


 もちろんブラックリ村にとっては良い事だけど……それはほぼ独占状態の私のシェアが落ちていくという事だ。


 正直困る。でもだからってゴブリン達を使って他の交易商を襲うとかしたくないし。超えちゃいけない一線ってあるじゃん?


 解決策が1つある。私が店を出して交易から1つステージを上げる事。

 今私を含めた交易商によって普通の食べ物が売れるのは村には無いから。


 つまり私が店を出して町のように必要な物がいつでも揃ってる状態にすれば、少なくとも店にある物はどこの馬の骨とも知らない交易商からは買わないで信用のある私から買うはず。


 遠くから珍しい商品を運んでくるタイプの商人はしょうがない。諦めよう。そんな多くはいないし。


 この村の大きさじゃあまり儲からないけど……ブラックリ村の発展を信じてやる! というか私が発展させてみせる。

 

 私のダンジョンは今まで交易で成長してきた。でもゼロフロアの生産力は最初と比べられないほどに成長して多くの物を作れるようになった今、交易だけに頼ってちゃ足りない。


 交易の先へ。足りない物を補充するんじゃなくて、私が人々の生活を支える土台になる。

 ダンジョンのために。人間のために。

 

 町の方のお店だってもうすぐ完成だし忙しくなっちゃうな……今日はチートデイのはずだったのに~!



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