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自由の成果

 商売で安くするには大規模化が1番。私の案は単純な物でゼロフロアから持ってきた服、生活雑貨、そして主力の食料品など庶民の買い物を全部うちで吸い上げる事。

 吸い上げるって言い方は悪いけど買う側からしても楽になるはずだよ。


 他にも弓矢とかを売って……いつかはポーションとかも手を出したいなぁ。って取らぬ狸の皮算用でニヤニヤしてる場合じゃない。まずは目の前の事に集中しなくちゃ。


 服とかはそんなに儲かるわけじゃ無いけど、たくさん売ればそれなりになってくれるはず。それに今まで数の少ない黒エルフ達の肩身が狭くてかわいそうだったからね。


 ここで必要になるのがリッチファミリーのノウハウとお金と人材。いくらお金を貯めたと言っても、いくつも店を建てれるほどには全然足りない。今あるお金は私の本気度を示す保証金みたいなものだ。


 そして1番欲しいのは人材。ダンジョンから連れてくるわけにもいかないし、私1人じゃ信用できる人の見分け方なんか分からないもん。


 「それならジョージさんは信頼しても大丈夫なんですか?」


 マスタールームでエリーと話していると、もっともな質問が飛んでくる。こういう所に気づかせてくれるからエリーは頼りになる。


 「少なくとも私から仕入れているうちは裏切らないでしょ。今後は分からないから、それまでに私も勉強しないとだけど♪」

 

 ジョージさんは普通に優しい人だった。輸送が大変ってぼやいてたらリッチファミリーの馬車も貸すって言ってくれた。

 今も絶賛お店の開店準備で大忙しだ。


 まぁそっちはジョージさんにお任せするとして、私はダンジョンで商品の用意をしっかりしなくちゃ。色々やりすぎたからゼロフロアも一休みしないと。

 

 さっそくキングに会いに行くと、だいぶ変わったゼロフロアの様子にびっくり。もしかして間違えてお隣のお宅に入っちゃった? 知ってる限りで隣のダンジョンは数十キロ先だけど。


 「マスターが下さった紙を使って地図を作ったのでお渡しします。村を案内しましょう」

 「うんお願い。私……道分からない」


 実績解除。自分のダンジョンで迷う。不名誉すぎる。

 地図を見るとお馴染みのゴブリン村、黒エルフ達の集落、そしてもう1つ村が書かれてる。


 「ここは確か……鉱山の近くだよね。村なんてあったっけ?」

 「ではまずそこから案内しましょう。どうぞこちらへ」


 細かい報告を聞きながら川沿いを進むと小さな集落が見えてきた。とは言っても家は15軒くらいかな? 井戸を中心に十字路が伸びていて家が立ち並んでる感じ。


 「少し前に一部の元気なホブゴブリン達が自分たちの村を作るって飛び出していきましてな。最近メイス達が増えたのを見て鉱山近くに村を作ったんですよ」


 ゴブリン達が自分達で村を……やっぱりモンスター達を自由にして良かった。

 もし私が全部管理してたら、こんな所まで手が足りないよ。タコにでも転生したら別なのかもしれないけど。


 「ギャギギャギャギギャ!(おーいみんな! ついに俺らの村にマスターが来てくれたぞ!)」

 「えっなになに!」


 あっという間にたくさんのホブゴブリン達があつまってきた……これ村の全員じゃない? しまった。今はお昼時でみんな休みか!

 

 「ギャギッギャ(俺らにマスターが会いに来てくださったぞ!)」

 「ギャギギャギ(ありがたやありがたや)」


 口々に私を……キングの翻訳によると褒めたたえながら手を合わせて拝みまくる。中にはひざまづく子までいた。嬉しいけどムズムズするよ~! 


 「やめやめ! 次からはこんなの禁止です! 仕事に戻りなさい!」


 なんとか顔を真っ赤にして手をブンブン振り回して解散させた。な、なんだったんだもう!


 「すみませんマスター。最近生まれた世代はマスターに会った事が無い者が多いので少し神格化されてきてるんですよ。ははは」


 ……これからはもっとゼロフロアに時間を使おう。忙しくてもこの時間だけは削るわけにはいかない。うん。

 外に目を向けすぎた報いを受けていると、川から20人は乗れそうな大きな船がやってきた。


 「あれは私の村からの交易船ですな。基本的にうちからは食料を持ってきて、鉱石を積んで帰るのですよ」


 交易で成長したうちのダンジョンの中でも交易か~。さっき私を拝んでたホブゴブリンがお金を渡すと、船員のゴブリン達がどんどん魚が入ったかごを下ろしていく。ついでにビールも。そっちも絶対忘れないんだね……。

 こっちは新鮮な釣りたての魚だ。さっそくパリパリに焼き上げられて、私も1匹貰った。


 「うわ~美味しい~♪ も、もう1匹貰ってもいい?」


 気づくと私の手には5本の串が握られていた。はっ私は何を……。お金を払って立ち上がると私はある事に気づいた。ゴブリンってこんな大きな船を造れたっけ?


 「あぁそれは黒エルフ達が造ってくれたんですよ。彼らに木材加工で勝てる者はいませんな。こちらも案内しましょう」


 そのまま船に乗せてもらって川を渡って森林エリアへ。こっちも人口が増えてきたことで川に橋をかけて、ゴブリンの本村と結ぶ計画があるらしい。まだ建設途中だから今は船だけど楽しみだね。


 黒エルフ達は確か50人近くのはず。こっちは子供の成長がゴブリンほど早くないから分かりやすい。

 

 めっちゃポイントがかかって少しイエナちゃんに貸してもらうほどだったけど……あっ今は返したからね! 私は約束を守る女なんです!


 黒エルフ達は普通のエルフと違って普通に木をガンガン伐り倒す。もちろん森は大事にして無駄遣いはしないけど、本人たちによると必要な分は仕方ないでしょ? って事らしい。


 結果として森の中にもしっかり広い道が敷かれるという、私にとって大変過ごしやすい環境となっている。

 

 こっち側の目玉は何といっても服飾工場。15人くらいがせっせと服を作っている。町でも客寄せに使えるし、ブラックリ村とかは外から入ってこないから大人気だ。


 そりゃ毎日ほぼ同じ服で、破れたら縫うって生活も永遠は嫌だもんね。うちは品質を犠牲に安くする庶民の味方方式だ。

 

 おかげで高級品だと思われてた服も、そこそこ売れるはず。ちなみに服の在庫は貯まってきたから明日からはモンスター達用の雑貨を作ってくれる予定らしい。

 手先が器用だからエルフ達はどこでも引っ張りだこだよ。


 村を歩くとみんな人間の言葉を話してるから外に出てきた気分だ。ゴブリンの村と違う所が多くてちょっと面白い。ポイントが貯まってきたらエルフ達も増やさないとな。


 「それでは最後にゴブリンの本村を案内しましょう。びっくりして腰を抜かさないようにしてくださいね?」


 キングがそう脅してくる。何があるのか知らないけど、さすがにそんな事しないよ……。




 「えぇ~何これ!?」


 私は本村の様子を見て無事に尻もちをついた。何がすごいってゴブリンの多さ。私が前に見た時は500人くらいだったのに今は800人近くまで増えている。


 「どうですマスター。すごい成長っぷりでしょう? ちょうどベビーブームがあって気づいたらこんなになったんですよ。しばらくは増加が止まりそうですがね」

 「う、うん。それでお願い。これ以上になると支え切れる自信がないよ……」


 き、気を取り直してしゅっぱーつ!

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