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今度は町へ

 「ウルフ! 右側の魔物は頼んだよ!」

 「ワフ!」


 度重なる交易で強くなってきたのか、ウルフはあっという間に草むらから飛び出してきた魔物を全滅させた。

 これで最後の戦闘かな。もうすぐ村に着くし。


 それからしばらくして、見慣れたブラックリ村の門が見えてくる。

 寒波はいっそう酷くなってきて、村の建物には雪が積もってるけど村人たちは元気そうだ。


 「それでは頼まれていた食べ物と薪と……あと鉄も持ってきましたよ」

 「いつもありがとうございます。それでは代金はこちらです」


 1,2,3……うんぴったり!

 とブラックリ村の中心に新しい建物が出来てた。なんじゃこりゃ?


 「おぉ交易商さんも気づいてくれましたか。こちらは新しく出来た酒場です。もともと村人から建ててくれと急かされていて……交易のおかげで麦にも余裕が出来たので、やっと実現したんですよ。寒い冬でも温めてくれますよ」


 考える事はどこの村人も同じか……うちのはゴブリンだけど。


 「いらっしゃい!」


 酒場に入ると女主人さんが元気よく出迎えてくれた。

 少しメニューを覗いてみると料理も充実している。どれか食べてみようかな。


 「それじゃあ……人気ナンバー1って書いてるミートパイをください」

 「おっちょうど交易商さんとこの肉を使ってるんで食べていってくれ。私の故郷の味だぞ」


 しばらくしてホカホカのパイとサービスらしい木の実のタルトが出てきた。

 

 1口食べてみると……サクサク! 外側のパイ生地は持ってるだけでバラバラになりそうで、中の肉はじっくり煮込まれているのかトロトロだ。ちょっと野菜も入っていて食感を楽しませてくれる。


 お次はタルト。3種類の木の実を乗せた豪華仕様で、かじると外側のハチミツでパリパリだ。甘~い!

 はっいつの間にか無くなってしまった。


「ご馳走様でした。美味しかったです!」

「そりゃあ良かった。次も立ち寄ってくれ」


 あっそうだ。頭に糖分が行きわたって、私の中の商人の部分が起き上がってくる。


 「こちらのお酒ってどのくらいの量ありますか? もしたくさん作れそうなら商品として買わせて欲しいんです!」


 女主人も経営者。お金の話となると食いついてきた。


 「ふむ……いくらで?」

 「これくらいでどうでしょう?」


 ハンドサインで金額を示す。なんか闇取引をしてる気分だ。ちょっと楽しい。


 「悪くない……とはいえ麦だって貴重品だからな……」

 「それでは使った麦の分はお金じゃなくて肉で支払いましょう。今なら高値なはずでしょう?」


 「え、おいあんた。今の価格を知ってるのか。西での感染症で結構値段が上がってるって噂じゃないか」

 「大丈夫です。ちゃんと用意してくるとお約束します」


 相手も半信半疑だったみたいだけど、最後は今までの信用で納得してくれた。

 これでうちのゴブリン達も喜んでくれるかな。それにポイントで交換すると高いんだよ……。




 ダンジョンに戻ってゴブリン達にお酒を渡すと飛ぶように売れていった。正直ちょっと引いた。なんか目の色がいつもと違うんだって。


 あっ忘れるところだった。今回の交易の目玉はお酒じゃない。

 ダンジョン画面を出して、ポイント交換欄を開く。検索して……あった。


 ”ダンジョン出入口2番目”


 ダンジョンレベルが決められたレベルまで上がり、ついに必要なポイントが今日で貯まった。

 ひぃ~高い。今回は割と近場なのに……距離によって値段が変わるってエリーから聞いたけど、もっと遠くだといくらになるんだろ。

 

 ポチッと押してポイントを支払うと、ダンジョンの1階部分にある今までの出入口の近くから新しい通路が出来ていく。


 だいたい10メートルくらいまで伸びると……外とつながった。

 今交易をしている3つの村だって無限に買ってくれるわけじゃない。人はそんなすぐに増えないんだから。


 さぁ外には冒険者……ではなく新しいお客さんが待っている! 


 「おや? 大きな音がしたと思ったら……ついに完成したんですね」

 「エリーおかえり。うん。大丈夫だよ。町に近すぎないようにはしたから」

 「ダンジョンとしては大丈夫では無いのですが……まぁうちにとっては大事な事ですね」


 選んだ場所は私が馬車を買った町の近く。とても大きいってわけじゃないけど、この近辺の村から人が集まるそこそこの規模の町だ。


 もちろんお客さんは多い……けどライバルだっている。当たり前だけどこっちには他の店や商人だっている。

 

 今まではほぼ私の独占状態だったけど、ここはそんなに楽じゃない。まずは不足している食べ物から……そのままジワジワ私の支配下にしてやるのだ。フハハハハハ!


 「おっ今の顔はいいですね! 人類の敵って感じの表情です!」


 うるさいっ。




 まずは露店の許可証を貰うついでとして、小規模な商売から。別にうちの村だって物が余ってるわけじゃ無いしね。


 出入口はちょうど森の中に出来てて良い感じに隠せそうだ。私までが迷っちゃわ無いように目印をつけて、ウルフにしっかり匂いを覚えてもらう。

 

 ウルフはこんな事まで出来るなんて偉すぎる~! 久しぶりにナデナデして……それじゃあ馬車に乗って出発!


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