後輩のドッキリがひどすぎる
勢いで作ったのでかなり短いです。
とうとう俺にも後輩ができた。
今まで学校には先輩しかいなくて、俺は頭を下げることしかできなかった。
ぐふふふ、これからは後輩をいびって楽しむことができるぞ。
そう思っていたのだが……。
「パイセン、スマホ変えたんですか?」
「まあな」
「ちょっと借りてもいいですか?」
「ああ」
後輩がスマホを受け取る。そして一通りスマホを見ると……。
「それ!」
ポイッ!
そのままスマホを校舎の窓から放り投げた。
「おい!」
「パイセン、ドッキリです! さっき投げたのは偽物、本物はこっちです!」
「それ俺のスマホじゃないんだけど……」
「あ……」
あ、じゃねーよ!
せっかくできた後輩は、どうやら俺のことを舐めてるらしい。
その証拠に、俺にいつもしょうもないドッキリを仕掛けてくる。
後輩は女の子。強く言えないのがもどかしい。
ちなみに、俺にはこいつ以外に関わりのある後輩はいない。
そのせいで調子に乗った後輩から、ドッキリされる回数は日に日に増していった。
ある時は――
「パイセン、今日財布忘れたんで、お金貸してくれませんか?」
それ先輩に頼むことか? とは思うが、唯一の後輩の頼みを無下にすることはできない。
「しゃーねーな」
俺は財布からなけなしの千円札を取り出し、後輩に渡す。
「それ!」
ビリッ!
お札を受け取った後輩は、それを真っ二つに破いた。
「おい!」
「パイセン、ドッキリです! 本物の千円札はこっちです!」
「それ子ども銀行券じゃないか?」
「あ……」
だから、あ、じゃねーよ!
紙幣を破くのって犯罪だかんな!
またある時は――
「パイセン、クッキー作ったんで食べて欲しいです!」
「いいぞ」
出来立てなのか、まだ少し温かいクッキーを口に入れる。
「どうですか?」
「うん、うまい」
「あっれー?」
褒めたはずなのに、何故か後輩が首を傾げていた。
「激辛ソースを入れたはずなんですけど……」
「おい!」
「まあ、こんなこともありますよね! パイセン!」
ねーよ。
そしてある時は――
「パイセン、好きです! 私と付き合ってください!」
「またドッキリか?」
「ドッキリじゃないっていうドッキリです!」
ドッキリって何なんだろうな……。
最後まで読んで頂きありがとうございました。