表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

インスタントシリーズ

後輩のドッキリがひどすぎる

作者: 井村吉定

勢いで作ったのでかなり短いです。

 とうとう俺にも後輩ができた。


 今まで学校には先輩しかいなくて、俺は頭を下げることしかできなかった。


 ぐふふふ、これからは後輩をいびって楽しむことができるぞ。


 そう思っていたのだが……。


「パイセン、スマホ変えたんですか?」

「まあな」

「ちょっと借りてもいいですか?」

「ああ」


 後輩がスマホを受け取る。そして一通りスマホを見ると……。


「それ!」


 ポイッ!


 そのままスマホを校舎の窓から放り投げた。


「おい!」

「パイセン、ドッキリです! さっき投げたのは偽物、本物はこっちです!」

「それ俺のスマホじゃないんだけど……」

「あ……」


 あ、じゃねーよ!


 せっかくできた後輩は、どうやら俺のことを舐めてるらしい。


 その証拠に、俺にいつもしょうもないドッキリを仕掛けてくる。


 後輩は女の子。強く言えないのがもどかしい。


 ちなみに、俺にはこいつ以外に関わりのある後輩はいない。


 そのせいで調子に乗った後輩から、ドッキリされる回数は日に日に増していった。



 ある時は――


「パイセン、今日財布忘れたんで、お金貸してくれませんか?」


 それ先輩に頼むことか? とは思うが、唯一の後輩の頼みを無下にすることはできない。


「しゃーねーな」


 俺は財布からなけなしの千円札を取り出し、後輩に渡す。


「それ!」


 ビリッ!


 お札を受け取った後輩は、それを真っ二つに破いた。


「おい!」

「パイセン、ドッキリです! 本物の千円札はこっちです!」

「それ子ども銀行券じゃないか?」

「あ……」


 だから、あ、じゃねーよ!

 紙幣を破くのって犯罪だかんな!



 またある時は――


「パイセン、クッキー作ったんで食べて欲しいです!」

「いいぞ」


 出来立てなのか、まだ少し温かいクッキーを口に入れる。


「どうですか?」

「うん、うまい」

「あっれー?」


 褒めたはずなのに、何故か後輩が首を傾げていた。


「激辛ソースを入れたはずなんですけど……」

「おい!」

「まあ、こんなこともありますよね! パイセン!」


 ねーよ。



 そしてある時は――


「パイセン、好きです! 私と付き合ってください!」

「またドッキリか?」

「ドッキリじゃないっていうドッキリです!」


 ドッキリって何なんだろうな……。


最後まで読んで頂きありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] そもそも、サプライズとかどっきりとかされて好意を抱く人の方が少数派だとおもう。しかも相手の迷惑を全く考えてない悪戯とか。ついでに最初のスマホぶん投げで結局あれ主人公のスマホぶん投げられてたっ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ