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残業。

残業。

それは多くの人にとって望ましくないものだろう。

定時で帰りたいとか、そもそも疲れてしまって仕事する気力もないとか。

嬉しくはないよね。

といっても、忙しさに忙殺されて気が付けば夜遅くなってしまったけれど、なぜか妙な達成感があるときもあるから、悪いばかりではないのかもしれない。

事務や経理の人やある程度仕事を片づけた人が帰った後は事務所も静かで仕事がしやすいってのもあるし。

それに残業代もちゃんともらえるから、損はしていない。

まあ、私にとっては残業は20対80で良-悪かな。

残って仕事をすることはほとんどノーダメージ。

前述のように残業代も出る。

ただ、問題はここではない。

残業をすると必然的に帰りが遅くなる。

外が暗くなる。

腹が減る。

帰りのスーパーに残っているお惣菜の数も減る。

私にとって残業の何が嫌って、こういうところである。

平日はほとんど自炊はしない。

いや、自炊ができない。

ごはんを炊くだけ炊いて置いてはあるけれど、おかずまでは作れない。

帰りが遅くなると、そんな気力が湧かないのだ。

だから、冷たくて食べ飽きたスーパーの惣菜に手を伸ばす。

それを寂しく部屋で一人で黙って食べる。

嗚呼、悲しい。

悲しいでしょう。

これが私が残業が嫌いな理由。

もし、結婚していたら愛しのお嫁さんの温かい手料理が待っているのに。

共働きでもいい。

そしたら、一緒にスーパーの惣菜を食べる人がいるのに。

きっと少しは美味しくなるはずだ。

嗚呼、悲しい。

悲しいよ。

毎日毎日、残業の夜はこんな気持ちに押し潰される。

それに、会社の同僚たちを見ていると、ついイライラしてしまう。

結婚したばかりの人が「奥さんの手料理を楽しみしてるんだ。だから頑張れる」とか自慢してくる。

結婚指輪した人が「腹減ったなあ、今日の飯は何かなあ。お前はまたスーパーの飯かよ」とか言ってくる。煽りか。

家に帰れば温かいごはんと愛しの人が待っている人たち。

私はそうではない。

そうでないことにイライラする。

自分と周りを比較してしまって、ストレスを感じる。

私も早く結婚したい。

願望が強くなる。

そして、それが叶わない毎日にイライラする。

そのきっかけが来ない毎日に心が壊されそうになる。

考えないようにしても、こんな職場の残業の風景のせいで頭の中でぐるぐると願望が喚きだす。

結局、イライラして図面に簡単なミスをして、それを直しているうちに帰りが遅くなるんだ。

最近、こんなことが増えた。

どうせ明日もスーパーの冷えた惣菜を買って帰る私です。





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