結婚できないならいっそのことひとりになりたいとか思ったけれど。
結婚できないのならひとりでもいい。
けれど、そのひとりというのは完璧に完全に無欠な孤独でなくてはならない。
恋や愛で溢れる街を歩かねば生活できないような日常ではいけない。
ビジネス上の人間関係だってあってはならない。
ただただ純粋な孤独でなくてはいけない。
そうでなければ、孤独とはいえないから。
結婚への未練を断ち切るためにはこれくらいしないと無理な気がする。
だって、さ。
他人の結婚指輪を見るだけでも劣等感が喚きだしてしまうのだから。
街中のデート中のカップルを見ただけで心が壊れそうになるのだから。
これらを回避するには誰とも関わらないのが手早い。
けれど、それでは生活できない。
腹が減る。
買い物へ行く。
金が減る。
仕事へ行く。
これらのために外へ出れば、幸せを謳歌している人がたくさんだ。
そんな人たちの幸せの断片に触れるだけで脳味噌が破裂しそうになる。
こんなストレスから解放されたい。
自分も恋人ができて結婚できれば解き放たれるんだろうけれど、
そんなご都合主義みたいな救いはやってこない。
そんな日々が続くから、いっそのことひとりになりたいとか思ったけれど、
そう簡単に私の中で渦巻く未練と劣等感から目をそらすことはできないらしい。