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片想いしてばかり。
初恋はいつだっただろうか。
ちゃんと恋心を抱いたという意味での初恋は高校のときかもしれない。
けれど、その子には先客がいた。
中学時代から恋を育んでいるという相手は私の後ろの席の奴だった。
片想いは3年間の年月をかけて死んだ。
大学でも好きな子ができた。
けれど、知らないうちにその子の隣で幸せそうに笑う人がいた。
友達以上に見えた。
後で聞いたら恋人未満を卒業していた。
4年間の片想いに溺れて、恋心は息をしなくなった。
社会人になってからも好きな人はできた。
けれど、その人にも先客がいた。
飲み会で遠距離恋愛の悩みを聞いた。
冬の匂いがした頃、その人は寿退社した。
2年半の恋心の断末魔が聞こえた気がした。
片想いを後悔はしていない。
ただ、もし好きになった人と一緒に人生を彩れたなら、
きっとすごく楽しかったんだろうなあと思う。
深夜のそんな戯言。